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私的学校感・中学校編

各学校の基本データ(例えば所在地や帰国枠入試の詳細など)については、それぞれの学校のHPやインターエデュなどの受験情報サイトで調べてみて下さい。

 

学芸大泉中  横国鎌倉中  横国横浜中  千葉大付属中  目黒区東山中  慶應湘南藤沢中  渋谷教育学園渋谷中

渋谷教育学園幕張中  成蹊中国際学級  桐蔭学園中  白百合学園中  同志社国際中  海城中

学習院中  攻玉社中  富士見中  那須海城中  立教池袋中  立教新座中  早稲田実業中  跡見学園中  

大妻中  明星中  学習院女子中  実践女子学園中  頌栄女子学院中  湘南白百合学園中  洗足学園中  

桐朋女子中  豊島岡学園中  日本女子大付属中  三輪田学園中  巣鴨中  目白学園中  立教女学院中  暁星国際中

 

 

 

 

 

 

 

 

東京学芸大学教育学部付属大泉中学校(共学・国立・東京都練馬区)

☆私的学校感

 募集人数が10人ですから、決して広い門ではないでしょう。帰国生研究校といってもやはり難しい学校の一つです。2001年帰国枠入試では25名の応募者のうち合格者は10人ちょうどでした。その10人のうち、9人が現地校出身でした。実際入学したのは7人でしたね。倍率から言うと2.5倍ですから難関校といえます。

 編入募集定員も中1で10名ですが、中2以降は2名です。海外生活が長い生徒を優先的に受け入れるということではないようです。アメリカ生活が7年以上の生徒でも編入試験で落ちた生徒もいました。逆に4年程度でも受かった生徒がいます。

 「この学校を選んだのは似た環境の人が多いから」という生徒が多いようです。学校に求めることが「似た環境の人が多くて」ということであればお勧めです。が、学校自体を進学校として使う人が多いので、次のステップ(高校受験)を、中学進学当初から考えておくべき学校だと思います。実際、入学してからも塾に通う人は少なくないようです。

国際学級と中等教育が絡んできて、なんだか???のかんじ。帰国生だけではなく、留学生や残留孤児も。。。って、これまでもいっていなかったっけ?では、これまで同様のクラスは?運営は?ちょっと不明瞭ですね。

 

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横浜国立大学教育人間科学部付属鎌倉中学(共学・国立・神奈川県鎌倉市)

☆私的学校感

 付属といっても高校がありません。よって、通学している生徒はあくまでも進学校として考えていると言い切ってもいいでしょう。入学した当初から高校受験を考えなければならないわけです。この学校を受験する生徒は「地元の公立中は嫌だし。。。」というパターンが多かったように思います。入試問題は帰国生専用の問題で算数と国語の2科目+面接です。この学校に進学した卒業生の多くは編入での入学者が多かったような気がします。欠員さえあれば随時受け付けるそうです。多くの学校のように、受付期間限定じゃないところがいいですね。

 地元での評判は「内申が取りにくい」「学費が安い」「入試が特殊」ということです。帰国生専用の学校と言うことではありませんから、面倒は見てくれるけれども、その先は自分で開拓しなければならないということです。

 帰国生であっても、無くても、塾に通う率は高いらしいです。近くに横国専用コースがある塾も結構あるらしいです。あくまでも公立の一つとして捉えるべき学校かと思います。

 

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横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学(共学・国立・神奈川県横浜市)

☆私的学校感

 鎌倉校と違って入試問題は一般生と同じです。これだけで合否を決めるといっていませんが、やはり受けにくい気がするのかもしれません。2001年入試では定員15名に対して16人応募、15人合格という結果でした。

 学校の発表によると「附属小学校からの持ち上がり生徒と一般生と帰国生の割合が5:4:1」だそうです。1クラス45人というのが今の時代にはちょっとネックになるかもしれませんね。

 編入に対してのサービスの一環として、ホームページに欠員状況を掲載しているのがいいです。やはり高校がないということから、通学している生徒はあくまでも進学校として考えていると言い切ってもいいでしょう。入学した当初から高校受験を考えなければならないわけです。この学校を受験する生徒も「地元の公立中は嫌だし。。。」というパターンが多かったように思います。

 地元での評判は「内申が取りにくい」「学費が安い」「入試が特殊」ということです。更に、通っている生徒に話を聞くと「定期試験の内容は、半分は習ったことからで、半分は実力テストになっている」とのこと。そういった意味で「私立進学校」的なレベルの高い授業を行っているそうです。よって、高校受験の時には早慶を初めとする難関校にも合格者が出ているということ、らしいです。

 

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千葉大学教育学部附属中学(共学・国立・千葉県千葉市)

☆私的学校感

 やはり国立中ですから、進学校的な存在です。中学卒業後、帰国生の特別枠を持つ高校へ進学する生徒も若干名要るそうですが、ほとんどの生徒が一般受験で進学先を決定しているそうです。この学校にはあまり多くの卒業生が通っているわけではないので、詳しくは知りません。ただ、通った生徒は、いわゆる「救済校」に向いている生徒だったような気がします。アメリカ生活が長く、日本の勉強に追いつくのは辛い生徒が多かったような気がします。

 編入試験は、中1と中2で随時募集と言うところがよいですね。ただし中3では募集していないようです。

 

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目黒区立東山中学(共学・区立・東京都目黒区)

☆私的学校感

 昭和58年からセンター校に指定されています。平成13年からは更に「帰国・外国人児童生徒と共に進める教育の国際化推進地域」のセンター校となったそうです。区立ですから入試はありません。通学区域に転居する場合は、区の指定通知書を受け取って入学ができます。越境して通学したいという場合には、クラス定員に余裕があって、検査検討の結果適応指導が必要と判断された上で、区の教育委員会と相談の上、編入学を認めるそうです。基本条件としては海外に3年以上いて、全日制日本人学校には通っていなかった生徒で、通学時間が50分以内程度の者だそうです。

 海外でも日本の勉強はし易くなったという理由からか、こうした公立センター校の存在自体が危ぶまれていると聞きます。数少ないセンター校の中で、学区域内に公務員住宅や企業の社宅があり、海外勤務経験者も多いという特徴から、帰国生の扱いには十分慣れている学校といえます。もし、帰国先が目黒区内や近隣であり、中学校に「帰国生の特徴を分かった上で指導をして欲しい」と考えるのであれば、こうしたセンター校の利用が選択肢の一つに入ります。ただし、あくまでも区立中学ですから、その先の進路については十分に研究する必要があると思います。

 昨年、この学校を編入希望した生徒がいましたが、すぐに受け入れてくれたわけではなかったとのこと。上記のように、教育委員会がからんで、特に越境の場合はすぐには入学を認めてくれないようです。

 

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慶應義塾湘南藤沢中等部(共学・私立・神奈川県藤沢市)

☆私的学校感

 高校での募集は「帰国子女入試と地域調整枠のみ」しか受け付けていない学校です。中等部入試では毎年120から130人の応募者を集めます。合格者は30から40人程度。まさに難関校です。数少ない「共学」の帰国枠実施校であるということが、人気の秘密なのかもしれません。

 帰国生入試について「筆記試験だけではなく総合的に判断する」と言われているためか、勉強ができなくても合格できるかもしれない、と間違って捉えられているところがあります。決して筆記試験は「見ない」とは書かれていません。現に、校長先生が替わられたここ数年は「学力重視」という傾向が見られます。実際受験者の多くは、海外でも塾に通っていた生徒が多く、やはり学校側もそれを承知で「進学後、確実に伸びていきそうな生徒」を合格させているようなところがあります。

 何といっても帰国枠の中での上位校。十分な2科目または4科目の準備をした上で、スポーツや芸術などの活動歴を備えて受けに来る受験生ばかりですから、最低限、日本の受験生並に準備しておかなければ合格は遠のきます。

 通っている生徒達からは「授業は現地校の時みたいなものもある」「帰国生が多くていい」「結構進度が速くて、勉強は大変」「田舎の香水が臭い」(←近くに養豚場があるらしい)などなど、様々です。

 

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渋谷教育学園渋谷中(共学・私立・東京都渋谷区)

☆私的学校感

 「当日の試験が全てであり、日本に帰国してからの成績や海外での活動歴などはボーダーラインの場合を除いていっさい参考にしません。」こういいきる今や超がつくほどになった進学校です。96年の帰国生受付開始時は、応募者数30名そこそこだったものが、なかなか合格できない難関校になりました。前身の「渋谷女子」時代の学校のイメージは「・・・?」でしたが、今や完全に「名門校」の仲間入りです。本当に様々なところを改革したのだろうな、と感じさせてくれる学校です。

 英語は中1の7割がで英検準1級か1級を保持しているとのこと。週の英語授業時間が7時間あったりと、英語教育には力を入れています。このあたりが帰国生の中でも「大学進学をさせたい。英語の力を伸ばしてあげたい。」と考えるご家庭に人気のようです。

 帰国生用の基本事項を中心とした算数・国語のテストとはいえ、「受験生の中での基本」ですから、侮れない問題ばかりです。正直言って、学校の教科書だけで太刀打ちできるとは思えません。また、英語ができれば算数・国語の点をカバーできるとありますが、その英語は「日本の英語」であり、生活英語に支障が無いという程度では無理です。英検準1級程度の「文法問題」は難なくこなせるくらいの力(日本の英語の試験に対する慣れ)が必要ではないでしょうか。

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渋谷教育学園幕張中(共学・私立・千葉県千葉市)

☆私的学校感

 かつては帰国枠入試であっても4教科を課す学校でした。しかし、当時も学校側は「英語を重視する」といっていました。4教科は参考程度に扱うとのこと。ただ当時も、小学生に要求する英語の力が「英検2級程度」となっていました。「準」が付かないところに注目です。英検2級は「高校卒業程度」の力を要求していますので、文法事項やイディオムなどが確実になっていなければ太刀打ちできません。実際、2001年の入試を見ても現地校生徒が30名応募して合格者は13名でした。かなりキツイハードル。ちなみに、全日制日本人学校出身の合格者は、あまりいません。それほど「英語の力」を強く要求する学校の一つです。

 05年には正式に「英語の力だけで合否を決めます」と公言。書き英語のちからが、兎に角試されるわけです。

 高校の話ですが、千葉県はまだまだ公立高校が優勢といわれています。が、その中でも評価の高い学校です。上記のように「英語教育に期待するものがある」という場合には「期待に応えてくれる学校」といえるのではないでしょうか。

 

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成蹊中学渋谷教育学園幕張中(共学・私立・東京都武蔵野市)

☆私的学校感

 帰国後1年未満という受験資格が多い中、帰国後2年未満という学校です。よって、日本に小5の時に帰り、国内の進学塾で鍛え挑んでくる生徒も相当数考えられます。しかも学校側は「筆記試験を重視」といいきり、「面接は参考程度」といいます。帰国枠入試=活動歴や面接・作文を重視と考えていると落とし穴に入ります。最近は、こうした筆記試験重視の学校が増えているのです。

 一般のクラスが40名クラスであるのに対して国際学級は15名。英語の時間を削除して国語などにあてているそうです。年に1,2名は生活面、学力面での適応力を鑑みて、一般クラスへ移る生徒がいるそうです。

 戦前から帰国子女を受け入れている私立であり、しかも共学ということから一時期は非常に人気校でしたが、最近はさほどでもない様子。2001年入試では第1回入試定員10名のところ、応募者が26名、合格者15名でした。ちなみに第2回入試は2月の終わりにあるために、応募者は少なく、毎年0から1ケタです。が、合格者も0から2名程度です。第2回は一通り受験が終わっての起死回生というパターンで望む生徒が多いはずですが、受験者自体がいないのか、敬遠しているのか、定かではありません。

 

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桐蔭学園中学(共学・私立・神奈川県横浜市)

☆私的学校感

 中学校だけで生徒数2000人、高校は4500人と、まさにマンモス校。高校では男女別学になります。帰国枠入試自体はなく、一般生と全く同じ問題を出題されます。経歴によって考慮することがあるとは言っていますが、やはり英語力が要のようです。というのは、一度公立中学に在籍しても受験が可能といっているからです。帰国後何年経っていようと、帰国生として受験・編入ができるというのはうれしいですが、要求するものは低くはありません。とにかく英語の力がある生徒が欲しいとのこと。高校入試(一般)でも英検2級保持者には推薦入試制度があります。募集人数を定めていないところに、その気持ちが表れているといってもいいのかもしれません。2001年の受験を見てみると海外からの受験生が95名、合格者は60名、入学者は35名でした。

 編入試験は欠員がある場合に実施するというオーソドックスなものですが「帰国子女のハンディを考慮して、3ケ月から6ケ月以内に一般生に追いつき得ると判定できるとき、入学を許可する」という、強力なものです。つまり、学力主義。現地での活動歴についての話はいっさいありません。ただし、国語については多少の考慮はしてくれるそうです。

 マンモス校で埋もれてしまう生徒にはお勧めしませんが、自分で学校を使いこなせる力がある生徒には「何でもできる学校」ではないでしょうか。

 

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白百合学園中学(女子・私立・東京都千代田区)

☆私的学校感

 私立でありがちな「一般は4科受験だけれども、帰国生は2科受験」のパターン。これに外国語(英語又はフランス語)と面接により合否を決定します。

 特徴的なのは、帰国生として出願した場合「一般入試や編入に出願できない」という点です。多くの学校は一般と帰国枠のダブル出願が可能ですが、白百合は違うのです。

 受験者は圧倒的に現地校出身者が多いです。2001年入試を見てみると若干名の募集に日本人学校から2名、現地校から33名応募し、日本人学校出身者の合格者は1名、現地校出身者の合格者は15名でした。

 欠員があれば、編入も受け付ける学校です。

 白百合の日本国内での評価は「進学校」です。大学付属校としての評価ではないのです。そのあたりを中心に、あくまでも進学を中心に考えるのであれば、受験校の一つに数えられます。また、どうしても拭えない「超お嬢様学校なんでしょ?」というイメージは、実はそうでもないようです。「普通だよ」と通っている生徒はいいます。

 

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同志社国際中学(共学・私立・京都府京田辺市)

☆私的学校感

 中高で在籍生の60%以上が帰国生という学校です。関西では数少ない帰国生受け入れ校の一つです。

 選抜試験はA型とB型があります。A型は保護者同伴面接と作文と書類審査です。作文は50分間で原稿用紙2枚。楽そうに思えますが、テーマは例えば2000年入試では「歴史上のどんな人物とも話が出きる電話が発明されたとしたら、誰とどんな話をしたいか」というものであり、決して簡単とは言えません。いくらでも書きようがある「海外生活で。。。。について」というパターンとは全く違います。これには日頃から、現地校でも日本の勉強でも様々な角度から「考える」という作業をしなければ準備できません。けっして簡単な受験ではないということです。

 またB型は4科目試験です。関西圏はアジアからの帰国生が多く、その多くは全日制日本人学校+塾という生徒が大半を占めるといいます。B型を受験する生徒にはそうした生徒が多く見られるということでしょう。2001年の入試では、募集定員AB型あわせて60名のところ、A型応募者59名、B型応募者33名でした。A型合格者は43名、B型合格者は13名ですから、B型の方が難関といえます。

 注目すべき点は、第一志望の受験者が多いということです。たとえばA型合格者の43名のうち、41名が入学しています。B型合格者も2001年では8名でしたが、2000年や1999年の入試では合格者=入学者となっています。中学が多い首都圏では考えられないパターンです。

 

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海城中学(男子・私立・東京都新宿区)

☆私的学校感

 「試験日程、試験科目とも一般生と同じ。入学後を考えると、帰国生であっても一般入試に対応できるレベルを目標にして努力する必要がある。」はっきり言いきるところがすごいですよね。まさに、海軍予備校の歴史を持つ学校です。高校での話ですが、ある年の教え子達で、早慶合格者はポコポコ受かったけれど海城高は全滅ということがありました。

 高校での編入は受け付けていませんが、中学は「中1のみ、若干名」あります。過去の例から言うと、受験よりも圧倒的に編入の方が入りやすいと思います。ただし欠員があれば、の話です。

 この学校のおもしろいところは、出願時に作文を出すところ。学力重視と強気に出ているのに「海外生活で学んだこと」という作文を出願時に同封させるのです。一応、それで面接の資料とし、海外での生活をある程度把握してから面接を行いたいとか。学校側もいっていますが、問題に特徴があるために「過去問」を徹底的にやるのが一番の攻略法ということです。といっても、開成などの滑り止めですから、並大抵のレベルではありません。

 

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学習院中等科(男子・私立・東京都豊島区)

☆私的学校感

 「国語と算数の試験範囲は小5程度」ということです。実際「塾での問題より遙かに簡単」「たぶん、算数は満点じゃないかなあ」と良く聞きます。作文は国語の試験時間50分のうち25分で書きます。作文・面接重視とはいっていません。やはり「筆記試験を重視する」といっています。

 編入は実施していませんが、中・高6年のうち、2年以上在籍すれば再試験の上再入学できる「特別退学制度」があります。(ただし、高3は必ず在籍すること)海外赴任がありえそうでタイミングが合えば、こうした制度は利用価値が大きいと思います。

 昔から「帰国生の救済校的大学附属中学」として、男子の中では有名です。しかも前述のように試験範囲が限られているので準備しやすい学校です。偏差値50未満の生徒でも入学した例があります。ただし、近年、海外における日本の勉強のしやすさから、合格規準点が上がっているとのこと。出題範囲が限られている以上、ケアレスミスが致命傷になるということが十分に考えられる学校です。地道な作業を手を抜かず行える生徒が合格すると言えます。また、試験日は12月の初旬にあり、帰国生全体の動向を知り得る学校でもあります。

 

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慶應義塾普通部(男子・私立・神奈川県横浜市)

☆私的学校感

 一般入試が4教科+面接+体育実技のところを2科目+面接+体育実技としています。2科目受験の男子帰国枠入試の中では最難関校です。

 ここ3年間の応募者数を見てみると99年は36名、00年は55名、01年は44名でした。これに対して合格者は順に、8名、9名、10名ですから、易化した様子は全くうかがえません。毎年、募集定員は約10名ですから、基準にこだわっていることがうかがえます。あくまでも普通部のレベルを落とさない姿勢であるということです。

 合格している生徒に共通するのは小5の時から受験生をしていたということ。もちろん、日本国内の受験生の比ではありませんが、それでも現地校との両立を上手に行い、日本の勉強も国内生と互角に戦っていた生徒が多かったような気がします。また、算数だけとか国語だけという生徒は比較的合格率は低かったような気がします。どちらも上位レベルであることが合格の秘訣。とすると、海外生にとってはまだまだ難関校であるということです。決して「帰国枠は楽だから」と受験を決めるべきではない学校の一つです。

 

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攻玉社中学(男子・私立・東京都品川区)

☆私的学校感

 試験は、2科目受験か英語受験の選択ができます。両方とも両親のどちらか一人と受験生の面接があります。英語のレベルは英検2級程度ということですから、簡単とは言い切れません。

 多くの「混合クラス」制度の中で、国際学級であることが強みです。しかも基本的には3年間継続です。また、国際学級の中で秀でたものは「特別選抜クラス」に移籍することもあるそうです。まさに、進学校です。

 この5年の間に、受験者数を3ケタ確保する「帰国生の中での有名校」となりました。2001年入試を見てみると募集人数40名に対して、日本人学校からの応募者(多くは2科目受験者)が56名、現地校からの応募者(多くは英語受験)が68名でした。また、合格者は日本人学校出身者が29名、現地校出身者が49名でしたので、英語受験の方が合格率は高くなっています。

 編入も、欠員があれば実施。試験科目は3教科+親子面接だそうです。ただし帰国後1ケ月以内が出願資格ですので、海外にいるうちに受験を決めておかなければなりません。また、一度入学した生徒はその後の保護者転勤の場合、国内外を問わず高校1年終了までであれば、無試験で該当学年に編入できるそうです。これは帰る学校があるという点において、非常にうれしい措置です。小6の段階で帰国の予定が無くても、受けて合格すれば学籍が確保できるわけです。

 

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世田谷学園中学(男子・私立・東京都世田谷区)

☆私的学校感

 50分間の英語(英検2から3級程度)と30分の算数と30分の国語+保護者同伴面接です。あきらかに英語力重視ということです。ここ3年間の受験者を見ると日本人学校からの受験者はいません。昨年の例でいうと、定員20名の枠に対して応募者52名、合格者29名、入学者10名です。合格率は帰国枠入試の中では決して高い方ではないです。誰でも入れるということではありません。また、合格者29人のうち入学者は10名ですから、やはり学力を持った受験生が滑り止めとして使っているということが考えられます。よって、しっかりと準備をしなければなりません。

 卒業生の中で受験した生徒は二分され、一方は第一志望で入っていった生徒。彼らの共通する特徴は偏差値50程度で、現地校生活を満喫し、でも日本の勉強は重荷になっていた生徒が多かったように思えます。それでもご家庭が「公立だけは避けたい」とおっしゃっていたような気がします。もう一方は、受験日程の関係から滑り止めにした生徒。受験日が1月中旬ということで受けやすいということと、万が一の場合は大学受験でリベンジするという覚悟のできたご家庭が多かったような気がします。昔はマイナーな学校だったのですが、ここまで期待される学校になったということですね。今後の発展具合が見物です。

 

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富士見中学(女子・私立・東京都練馬区)

☆私的学校感

 具体的な帰国子女の考慮はありません。一般入試と同じです。が、最近の私立女子には珍しく、一般でも2科目受験校です。もしかすると近年、2科目・4科目選択に切り替えるかもしれません。

 帰国生に対しては海外滞在期間に応じて得点に一定の点数を加算するそうです。具体的には海外在籍期間から帰国後の期間を引いた数を係数として点数化して、得点に加算するそうです。海外から受験する場合は在米期間=係数となるわけですから優遇されているはずです。また英検2級以上を取得していれば優遇することもあるそうです。ただしこの場合は、単願推薦(第一希望の受験者)に限るそうです。高校でも帰国枠の出願資格が帰国後3年以内と、出願資格に関しては余裕のある学校です。

 通っている生徒に話を聞くと、数学は先取り授業なので結構辛いとのこと。帰国するのなら、やはり日本の勉強はしっかりしておかないといけなかったと痛感しているそうです。

 私が日本で指導していたときも人気校の一つで、特に高校の英語コースは定評がありました。

 

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那須高原海城中学(男子・私立・栃木県那須郡那須町)

☆私的学校感

 平成8年開校の全寮制の学校です。普通、家族が共に帰国する=家族の元から通学するというのが基本ですが、全寮制のため身元引受人がいれば大丈夫という学校です。もう少し、お父さんがアメリカに残るが、日本の学校教育の中で遅れたくはない、というご家庭のニーズを満たしてくれる学校とも言えます。

 試験科目は国語と算数と面接です。一般生とは別枠で10名を募集しますが、試験科目以外は一般生と全く同じです。また、編入は随時実施し、中1と中2で10名ずつ、また、中3で5名まで受け入れるそうです。編入は中2の夏がラストチャンスという常識の中で、中3まで受け入れてくれるのは朗報といえます。

 全寮制の学校を希望するというケースは珍しいですし、中学校で全寮制の学校というのはなかなかありません。過去、1人だけ卒業生が入学しましたが、その家庭も本人だけ帰国しての進学でした。ご家庭の求めるものがハッキリしていて、それが全寮制の学校で実現されるのであればお勧めできる学校の一つです。

 

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立教池袋中学(男子・私立・東京都豊島区)

☆私的学校感

 2000年度から池袋と新座で、それぞれ中高一貫教育が始まりました。もともと立教池袋中には池袋に高校がなかったのです。(立教高校は埼玉県新座市にしかなかった)2000年からの池袋での一貫教育は高校募集の停止=中学からの6年間で生徒を育てるという方針に変わりました。

 学習院と並んで、試験日が12月初旬ということから滑り止めに利用する生徒がずいぶん見込まれます。その証拠に、昨年度の応募者54人中、合格者は20人、入学者は7人でした。やはり、学力のある生徒が滑り止めとして受けに来ていることがうかがえます。

 試験は一般入試が2科・4科の選択制に対して、帰国枠は2科+作文+面接です。作文のテーマは「僕が住んでいた国と日本」「異国での出会い」などの、書きやすい、準備しておきやすいものです。ただし、面接がグループ面接と個人面接と2回もあり、面接を重視していることがうかがえます。入試出題範囲は6年生の1学期頃までの基本的内容とのことですが、そのため、受験者の平均点が上がっています。つまり高得点型なので、ケアレスミスが致命傷になるということです。

 有名大学付属中のブームは下火になっていますが、それでも日本国内で立教中学を狙うとなると相当な努力が必要です。それを考えると、帰国枠のハードルの低さはありがたい措置です。

 

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立教新座中学(男子・私立・埼玉県新座市)

☆私的学校感

 池袋校が昨年度応募者54名を集めたのに対して、新座校は応募者9名、合格者3名、入学者1名と地味なものでした。場所的にも埼玉県新座市ということなので、地理的な要因から敬遠した受験者がいるのかもしれません。試験は国語と算数と本人面接のみで、1月下旬に行われます。

 新座校はハッキリと「進学校」に変革するといっています。大学付属の看板にこだわることなく、生徒を磨き上げていきたいと話をしていました。実際、一般入試では昨年度、140名の募集人数に対して受験者数が1780名ですから、有名校といいきって良いでしょう。ただ、合格者を723名出し、入学者が153名というところを見ると、やはり受験者の多くは第二志望以下なのか、と思われます。逆に言えば、そうした学力を持った生徒もが認める良い学校ということです。

 

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早稲田大学継続早稲田実業学校中学部(共学・私立・東京都国分寺市)

☆私的学校感

 2002年に移転・共学化しました。小学校も開校します。帰国枠中学入試ではハッキリとした学力主義の学校です。

 一般の受験生と同一問題で、同一日に実施します。一般受験生と同じレベルの合格点に達した生徒は即合格。達しなかった帰国生の上位5名以内を帰国生枠として合格させるという、まさに学力中心の入試です。よって、ここ3年、現地校から合格した生徒はいません。受験科目は4教科だからです。昨年を例に取ると、日本人学校出身者の応募者が11名、現地校出身者が1名応募しましたが、合格したのは日本人学校出身の8名だけでした。やはり、4教科で一般の受験生と同等の力を要求する学校となると、現実は厳しいものがあります。かつては2教科入試の時代がありましたが、それでもハードルは厳しく、算数の安定した学力と国語の読解力は相当な力がないと通用しませんでした。

 共学となって、特に女子の間では最難関校として捉えられています。女子学院と同じレベルというかんじです。

 

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跡見学園中学(女子・私立・東京都文京区)

☆私的学校感

 女子校不人気の為か、帰国枠があること自体も知られていないようなところがあります。それでも日本国内一般受験では1回目募集と2回目募集をあわせて1200人近くの受験者を集めていますから、人気校です。1875年開校の無宗教の学校であり日本で最も伝統のある女子校の一つです。

 これに対して帰国枠は昨年度は応募者12名、合格者10名と非常に入りやすい学校です。しかも試験は国語と算数と作文と保護者同伴面接というオーソドックスなものですから、準備もし易いはずです。

 編入試験は実施していません。過去、海外に来るために退学手続きをとってきた生徒がいました。もし帰国するときには「1学年落とすのならば受け入れる」といわれていたそうです。彼女は考えた末に埼玉県立のトップ女子校の編入試験を突破し、今は早稲田大学に通っています。この例から分かるように、非常に学力のある生徒を育てている学校と思われます。

 

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大妻中学(女子・私立・東京都千代田区)

☆私的学校感

 帰国枠入試の場合、国語と算数の基礎学力を見る試験で有名です。例えば算数などは計算や一行二行問題などを速く、確実に解けるか、を見ています。それでもやはり、日本人学校出身者の割合が多いようです。学校の発表によると3:7ぐらいの割合だそうです。英語の試験がない分、現地校の生徒は躊躇しているのかもしれません。保護者同伴の面接では15分もの時間をかけているそうです。英語の試験がない分、英検やTOEFLなどの資格は考慮に入れ、思考の柔軟さや学習意欲などをあわせて総合的に合否を決めているといいます。

 ここ3年間、受験者数は減少しています。99年から応募者数を見てみると63名、44名、27名と減少の一途です。これは女子校の不人気というところでしょうか?家から近いとか、クラブ活動が盛んだからというような理由で受験した生徒が多く見られました。また、やはり滑り止め的に使う生徒も多いと思います。特に昨年はそれが顕著でした。(合格者21名中入学者は10名)

 

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明星中学(別学・私立・東京都府中市)

☆私的学校感

 学校改革が盛んな東京中央線沿線にありながら、マイペースで学校を運営している大学附属中学です。大学はシェイクスピア研究で有名な大学です。試験日が多くの学校と重なる2月1日ですので、本命の生徒しか受験しないと言えます。96年は7名が受験して6名が合格入学していますがその後はあまり受験者を集めていません。中1と中2には4月と9月に編入を受け付けています。

 帰国枠入試は国語と算数でオーソドックスな問題です。判定の時に面接を配慮するそうです。編入の時には面接重視とはっきり言っています。

 日本国内で指導していたときに、何人か卒業生を送り出した学校ですが、進学校とも付属校とも言い難い、不思議な学校です。それでも学校が楽しいと良く聞きました。帰国生に対しても、朝夕の時間外に補習をするなど、アットホームな関係がそういわせるのかもしれません。

 

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学習院女子中等科(女子・私立・東京都新宿区)

☆私的学校感

 最大の特徴は帰国枠入試で算数+国語+作文を2つ、というところでしょうか。作文はAとBとに別れ、Aは英語、ドイツ語、フランス語、中国語、日本語のうち、自分の一番得意な言語を用いての作文です。作文Bは滞在先で習得した言語で書きます。(修得しなかった場合は日本語でも可能) 2科のレベルは一般入試よりも易しいとはいいながら、きちんとした学力がなければ突破できません。基本というのは受験のレベルにおいて基本だということを忘れずに。受かっている生徒を見ると、2科ともにバランスの取れた生徒が多かったような気がします。2科目の差が激しい生徒は合格しづらかったという意味です。

 作文対策はきちんとしておかなければなりません。エッセイも同じです。日本語の段落構成や句読点の使い方、また英語エッセイの文法などはきちんとしておきましょう。

 編入試験は受け付けていませんが、一度入学した生徒については、保護者の海外転勤のために退学しても再入学試験を受けて、復学することができるそうです。

 

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実践女子学園中学(女子・私立・東京都渋谷区)

☆私的学校感

 試験日程や試験科目は一般と同じ国語と算数です。2003年には高校での募集を停止するそうです。高校での推薦試験は全日制日本人学校からの出願を受け付けています。中学では1回目と2回目、それぞれ8人の帰国枠があります。やはり日本人学校出身者の出願率が高いようです。2回分をまとめて、この3年間を見てみると99年日本人学校から14名、現地校から1名、00年は順に7名と3名、01年は6名と2名でした。合格者はそれぞれ順に、3名と1名、2名と1名、1名と0名でした。決して受かりやすい学校とは言えません。これは学校側のいう「帰国生の合否は、諸事情を考慮して決定されるが、多少の遅れがあっても入学後の学習に支障がない程度かが問題になる」という点にネックがあると思われます。近年、大学でも、中学でも、こうした「帰国生に対する厳しい目」があります。

 過去、数名の卒業生をこの学校に送り出しましたが、どちらかというと皆大人しい生徒が多かったような気がします。

 

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頌栄女子学院中学(女子・私立・東京都港区)

☆私的学校感

 今や帰国枠英語入試の中では有名校となりました。12月には帰国生だけの入試があり、あわせて一般と同じ日程(1回と2回)に帰国枠入試があります。試験科目は英語1(リーディングとグラマーや語彙中心)、英語2(ライティング)がそれぞれ40分ずつ、更に英会話が10分間もあります。ライティングは字数制限無しです。内容を細かく見るそうです。当然、文法ミスや語彙なども見ているようです。また英会話ではネイティブの先生と会話の中から話す力がどれだけあるのかを見ているそうです。決して簡単なレベルではないといえます。

 出願は12月入試を含めて3回あるわけですが、過去、第一志望だった生徒は3回分の出願を用意したケースもありました。(実際には12月入試で合格しました)3年間の動きを見ると、3回分の合計で99年応募者128名、合格者63名、入学者42名、00年は順に151名、88名、54名、01年は137名、93名、57名でした。

 特徴的なのは、出願資格に帰国後の期限がないことです。普通は帰国後何年以内とあるのですが、この学校に関してはありません。帰国後も英語の力を維持していることが可能ならば、受験が可能です。ただし、前述のように英語の試験は決して簡単なものではありません。以前英語1の過去問をDCの生徒にやらせてみたことがありますが、在米3年程度の現地校生活には支障がない生徒であっても合格最低点の64点を取るのがやっとでした。

 近年は高校での大学合格実績があがっていて、進学校としての評価は安定しています。

 

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湘南白百合学園中学(女子・私立・神奈川県藤沢市)

☆私的学校感

 試験は国語と算数と英語と面接です。2科は帰国生用の問題で、多少易しいといっていますが、実際は数年前に一般入試で使われた問題を多少変更しているようです。そのテストで7割を取って欲しいというのですから、決して簡単ではありません。しかも学校側は「3教科の得点はある程度バランスが取れていることが大切」というのですから、英語だけできればいいということではないのです。出願資格の中にも「本校生と同一カリキュラムで学習できる資質を有するもの」とあります。

 受験生を見てみると圧倒的に現地校出身者が多く見られます。昨年は日本人学校から4名、現地校から24名の受験者がいました。合格者は日本人学校出身者で1名、現地校出身者で13名です。現地校出身者でも半分は落ちていますから、決して入りやすい学校ではありません。過去数名が受験しましたが、やはり合否は半々というところでしょうか。国語の長文にしても、精神的に大人であることを要求しているようなところがあります。現地校の生徒にとって、この国語は難しいですね。きちんとした学習態度を元に、奥深くまで考える姿勢を持った生徒が受かっているような気がします。

 

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洗足学園中学(女子・私立・神奈川県川崎市)

☆私的学校感

 2000年の学校改革は完全5日制、70分授業、2学期制の導入で有名になりました。校舎も新しくなり、最新設備が整っています。

 帰国枠入試は英語60分のテスト+英語での面接か、2科+英語(一般入試の時に帰国生と申請すると考慮される)が選択できます。

 最大の特徴は滞在年数や帰国後の年数などの受験資格がいっさい無いという点です。出願には海外在住証明と海外で在籍した最終学校の成績証明(コピーでも可!)だけです。これらから、非常に受けやすい学校であるといえます。

 地元の評判は上昇しているとのことで、近年は上位校の滑り止めとしても使われ、それゆえ、力のある生徒も多く入学するようになったとのこと。これから数年後、これらの改革が例えば大学合格実績に結びつくことができたならば、更に人気上昇することと思います。帰国生の募集は20名で、昨年は62名の応募者、46名の合格者、31名の入学者がありました。

 

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桐朋女子中学(女子・私立・東京都調布市)

☆私的学校感

 一般入試であっても入試は口頭試問と言語及び理数分野の筆頭諮問という変わった入試の学校です。2日間かけて行います。帰国枠入試も、それに倣っています。

 特徴的なのは合格率の高さです。昨年は34名が受験し、29名が合格しています。また、編入受け入れもとても寛大です。毎年4月と9月に必ず行っています。普通は定員に空きがあると行うのが編入試験ですが、この学校では中3を含めて受け入れ枠を確保しています。

 高校での一般募集はなく、帰国生と国内転学者のみを受け付けています。

 帰国枠受け入れには歴史のある学校で、それゆえ、様々なケースに対応してくれます。過去の例でいえば、帰国まで1年以上あるが、籍を確保したいので受験し、合格し、入学式にさえ出席せずアメリカに戻り、のち復学したというケースもありました。また、普通の帰国枠高校入試では「海外で9年間に相当する教育を終了または終了予定の者」というのが基本ですが、この学校での高校入試は9年生の途中であっても受験することができます。

 女子帰国生にとっては非常に受けやすい学校の一つと思います。

 

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豊島岡女子学園中学(女子・私立・東京都豊島区)

☆私的学校感

 高校は理系大学合格実績に定評のある、いわゆる進学校です。中学から上がった生徒と高校から入った生徒は高校1年生では別クラスとなります。

 帰国枠はありません。一般入試と同じ問題を同じ日に受験します。ただし、入試得点に10点を加算してくれます。

 4科目受験ですから、決して受かりやすい、準備しやすい学校とは言えません。今は女子御三家レベルの滑り止めとしても有名な学校になっています。よって昔のイメージである「裁縫専門学校だろ」と思ってはいけません。(前身は明治25年創立の女子裁縫専門学校)池袋から徒歩7分、サンシャインビルの近くという交通の便の良いところにあります。

 大学進学のための私立中高であるというご家庭の考えの場合や、海外にいても日本の受験生と同じように4科目をしっかり準備する生徒にはとても良い学校と思います。卒業生で、帰国枠を利用して進学した生徒はほとんどいません。

 

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日本女子大学附属中学(女子・私立・神奈川県川崎市)

☆私的学校感

 試験科目は国語と算数と作文です。2科に関しては基本的な問題を使ってはいますが、国語の長文読解は海外生にとってはキツイかもしれません。塾や問題集などで慣れていればいいのですが、そうではない場合には面食らうのかもしれません。学校側も「本をたくさん読んでおくといいかもしれません」というのですが、海外で、日本の本をたくさん読むというのは現実難しいからです。勉強として長文読解問題対策を施しておかなければ、キツイと思うのです。また作文は原稿用紙2枚程度に「海外生活を中心とした」作文を書きます。

 学校敷地内に寮があり、希望する生徒は全員入寮できるとのことですから、海外赴任が多いご家庭にはありがたい学校と思います。

 

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三輪田学園中学(女子・私立東京都千代田区)

☆私的学校感

 試験科目は作文(日英どちらでも)と算数の基本問題+保護者同伴面接です。英語受験や2科目受験が主流である帰国枠入試の中では異色といえます。どの私立中学でもそうですが、数学の授業は進度が速く、それゆえ「算数の力は欲しい」とおっしゃる私立中の先生が少なくありません。それまでの帰国枠入試は2科目でしたが、こうしたことから算数を中心にしたのではと考えられます。

 海外にいるご家庭にとってネームバリューはあまり高くはないかもしれませんが、昨年の一般+帰国枠入試では、募集定員172名に対して187名が入学しています。このことから人気校だということが分かります。ここのところ、定員オーバーなので、編入は受け付けたいができないとのことです。算数中心になって、受けやすくなったところはあるはずなのですが、現地校の生徒が離れた感があります。99年入試は日本人学校出身者32名の応募、現地校出身者21名の応募でしたが、昨年は順に、17名、1名の応募でした。(ちなみに、現地校の生徒は不合格でした)決して難解な算数の問題ではありませんが、基本問題(計算や1行問題など)を速く正確に処理する力が必要なので、受験対策をしていない生徒にとっては辛いのかもしれません。

 

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巣鴨中学(男子・私立・東京都豊島区)

☆私的学校感

 帰国枠もなく、具体的な配慮も提示されていません。試験は4科目です。とにかく「帰国生であっても学力がある生徒が欲しい」ということです。もともと中学も高校も進学校ですし、それだからかもしれませんが「入学後も特別な学習指導はしない」とのことです。本当に強気です。

 実はこうした学校は少なくありません。進学校といわれるところは帰国生に対しての敷居は高いのです。海外にいても本格的な進学校を考えるのであれば日本の受験生と全く同じように準備しなければ相手にされないということです。特に男子進学校ではこの傾向は顕著です。それでも、たぶん日本人学校出身者を中心に毎年1ケタの帰国受験者がいます。そのうち、約半分が合格しています。合格者達は海外にいても相当の準備をしたのでは無かろうかと考えられます。

 過去、1人だけ合格者を出しましたが、彼も4教科を小4の時からきちんと受けており、特に文系科目は安定した力がありました。彼を教えた経験からは「こうした日本にいても遜色ない生徒が受かる学校なのだ」と痛感しました。

 

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目白学園中学(女子・私立・東京都新宿区)

☆私的学校感

 短大も大学もある私学ですが、残念ながら一般入試でも定員割れをおこしています。女子校離れの顕著な学校といえます。昨年、一般での中学の募集定員は240名、これに対して入学したのは60名に過ぎません。

 こうした学校経営状況のためか、海外生に対しては様々な対応をしてくれます。まず帰国枠入試は日本語作文と保護者同伴面接だけです。この3年間、受験者は多くて3名でしたが全員合格しています。また編入試験は定期的に7月、12月、3月に実施し、それ以外にも対応してくれるとのことです。この学校の特徴はまず、二十数年前から5日制を実施していることと、中学校では珍しい英語特設学級があることです。この英語特設学級は週に8時間の英語の授業があります。

 帰国受験をする上では、合格しやすい学校の一つと思います。海外から合格者を出した経験はありませんが、日本国内で指導していたときには数名進学した者がおり、彼女たちは学校生活を十分に楽しんでいました。これから学校がどう変わっていくのかによって、人気が回復するのかもしれません。

 

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立教女学院中学(女子・私立・東京都杉並区)

☆私的学校感

 海外から入試に関する問い合わせをするとたらい回しにされたり、しばらく返事をいただけないことがあります。ところが、この学校の入試担当の先生はEメールでもすぐにお返事を下さり、とても良い印象を持ちました。(一部の学校ではEメールやFAXなどは無視されることもあります。)

 99年から合格率を見てみると受験者の半分ぐらいと思われます。学校側の話では、アジアからの帰国生が増え、そのために全日制日本人学校+塾という生徒が多いのではとのことです。ライバルが日本人学校+塾であれば、現地校出身の生徒はきついところがあります。一応、学校側も現地校の生徒を手厚くするようにはしているが、とはいっていますが、学力試験で差が付いてしまっては点を取っている日本人学校出身者を落とすわけにはいかないと思われます。というのは、後、高校では1学年170名のうち70人が立教大学へ推薦で進学、残りの100人は他の大学に進学しているからです。つまり進学校の要素が強い学校なのです。よって、学力を持つ生徒が欲しいのは当然のこととなります。

 

 

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暁星国際中学(共学・私立・千葉県木更津市)

☆私的学校感

 全寮制の学校です。朝7時半から授業が始まり日曜日以外休みはありません。帰国枠の場合書類審査+作文+英語文法試験というパターンか、4科か、2科の3つのパターンから選べます。

 特徴的なのは、アジアを中心に海外入試があることです。クアラルンプール、シンガポール、ジャカルタ、バンコク、台北、香港、上海にて、11月上旬に行われます。2001年入試を見てみると、募集定員120名のところ、応募者は59名、合格者は45名という受かりやすい学校です。しかし全寮制ということもネックになるのかもしれませんが、入学者は4人でした。高校になると、もうすこし入学者が増えるのですが、やはり中学生のうちから親元を離れてということに抵抗があるご家庭が多いのかもしれません。

 男子中の暁星中学とは方針が多少違いますが、進学校であることは間違いありません。様々な国からの出身者がおり、そういった意味では海外にいた特殊な背景というものが不利に働くということがないそうです。

 

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