まえのページにもどる> <もくじにもどる

2001年8月号 「塾からの警告!怪しくなってきた帰国後の状況」

■ 「警告!怪しくなってきた帰国後の状況」

 かつて、学校側が帰国子女に対して抱いていたイメージは「異文化空間に突然放り込まれて、それでも努力し頑張った生徒が多い」というものでした。だからこそ70年代から「救済」という意味で「帰国枠」というシステムを整備してきたわけです。さらに80年代にはテレビタレントもそうでしたが「帰国生」=「国際人」という過度な期待をされました。「英語でコミュニケーションがとれる」というだけで、悪く言えば「ちやほや」されていた時代です。そして90年代に入ると状況は一変してきました。帰国枠のメリットが薄くなった、いわゆる「帰国子女バブル崩壊」です。

 さて、そんな状況の中、ここ数年で日本へ帰国した生徒たちは大きく2つのタイプに分かれます。まず、帰国子女として身に付いている本当の意味での「英語力」や現地で頑張った「日本の勉強」も含めての「学力」が、受験や進学に大変有利に働いたタイプの生徒。このタイプの生徒は、いわゆる難関私国立校に「帰国枠」などを上手に利用して入学しています。さらに入学後も在米中に身に付けた本当の意味での「英語力」をフルに活用し、現地で頑張ってきた努力をそのまま有利な状況に置きかえられる生徒です。ここでいう「英語力」とは本来の意味での「バイリンガル」というもので、日本語と英語の「互換性」が完成していることを言います。生活英語・TOEFLなどの英語力はもちろんのこと「日本の学校英文法」にも対応できる能力をも含めた力です。

 こうした生徒であればいわゆる「帰国子女らしさ」がにじみ出ているわけで、帰国後の日本の学習にもスムーズに適応している生徒が圧倒的に多くいます。

 しかし、もう一つの生徒のタイプとしては次のような例が挙げられます。

英語は確かに日本国内の生徒以上の力はあるけれど、あくまでも生活英語なので、コミュニケーションはとれても「日本の学校英文法」を中心とした日本の英語のテストには通用していない生徒。それ故受験や進学後の英語の授業、また英検などの資格試験等に生かし切れていないケース。

 このタイプの生徒は、帰国した時点から大変です。アメリカナイズされすぎたとでも言いましょうか。「そんなことはアメリカではいわない」という態度で英語の授業を受けるとなると、最悪の状況を招きます。内申点は取れないし、「外国はがし」的な扱いを受けることもしばしば見られます。さらにこうした生徒は一般に「日本の文法用語」は覚えようとしないので、オーラルの授業はできても文法の授業はついていけないことがあります。「ああ、そのことね」という態度で、日本語の「文法用語」は覚えようとせず、それゆえ試験などでは何をやって良いのか分からない、という悪循環に陥り始めます。

 さて、こうした生徒は努力(?)することによって日本国内の生徒と全く変わらなくなるケースがあります。例えばネイティブに近づいた発音が目立つため、わざわざ日本人発音にするという生徒もいます。テストでは英語がずば抜けているわけではない。かといって他の教科は普通。帰国子女の武器は無いという状態に陥りやすいのです。またせっかく身に付いた生活英語力であっても使っていなければサビ付いてきます。中学生の頃は滑らかに出てきた英語も大学受験の頃になるとなかなか出てこないということも多く見られます。上の学年に上がるにつれて英語での読解力・思考力というレベルになるとお手上げ状態というケースも実は多く見られます。さらに。。。

国語がまるで出来ず、帰国後の全ての入試で足を引っ張ってしまうケース

 このタイプの生徒がいわゆる「失敗した帰国生」の中に想像以上に沢山いると考えられます。

 日本語運用能力はアメリカで英語環境の生活になる以上、誰でもほぼ例外なく落ちていきます。ここで気を付けたいのは、生徒が学齢期にあるので有れば、帰国後に問題となるのは「読む力と書く力」だということです。母国語として日本語が入っていたのであれば、「話す力や聞く力」というのは落ちるとしても最後に落ちます。「補習校に週一度通っていたから、日本語の力はそれほど落ちていないだろう」とお考えの方は、一度お子さんの「音読」を聞いてみて下さい。例え高校生であってもです。言葉の知識はもちろんのこと、日本語のリズム感までもが落ちていることに気が付くはずです。

 こうした事実は、以前から私たちからだけではなく、帰国子女に関する情報誌で何度も警告されてきました。それが「何だかんだいっても、帰国枠を利用すれば有名校に入学しているじゃないか」と「結果しか見ない間違った」見方をされているご家庭が多いように思えます。また「うちの子は、やればできるから、今は現地校のことを中心に」と問題を先送りしている御家庭も多いように感じます。

 日本語読解力を落ちないような対策をほとんどしていない状態で、1,2年経過してしまうと学年相当の読解問題などできるはずもありません。これは「一般に海外にいる生徒の精神年齢が1,2才低くなる」という事実からも推測できることです。さらに「読解力」というもの自体が積み重ねであることから、遅れた場合は頑張っても2年から、遅い子供で5年近くかかって取り戻すのがやっとと聞きます。こうなると、日本への進学を前提にしたとき、「周りの良い結果に目を奪われ過ぎた楽観的な対策やレベル設定も考えないとりあえずの対策」などでは、ほとんど訳に立たない状況になります。相対的な学力も知らずに本来「競争」であるはずの入学試験にのぞむことはいかに危険なことか。子どもたちの持つ良い意味での「競争心」をつみ取って、かわりに何があるのか。相対的な評価を「競争を煽る悪者」にしたてて現実逃避をすることが、いかに危険なことか。今時、絶対評価中心の学校での評価を「実力」とお考えになる御家庭はないはずです。中学入試では、一般枠であっても「通知票などの内申書提出を廃止」した学校が増えています。

 では、帰国枠入試で良く見られる「面接や作文・小論文で何とか逃げられないか」。そう考えても無理なことです。まず第一に近年の帰国枠入試では「帰国子女であっても日本国内の生徒と同じ学力を要求する」という学校が増えているため「課題文から抽象的な論理をつかむ読解力」を要求されています。こうした課題に対しては「読解力の無い生徒」は「意見」や「独自の視点から見た論理の構築」など不可能です。第二にたとえ帰国枠を使って進学できたとしても、即落ちこぼれという可能性が大きいのです。帰国子女として成功していった生徒たちの中でも「海外では手がつけられなかった、理科や社会」に関しては「入学前から取り組んだが、やはり足を引っ張る」といっている程ですから、主要科目で十分な準備が出来ていない生徒に関しては、なおさらです。これは中学入試・高校入試・大学入試を問わず、起こっている現象です。さらに、こうしたことは日本の塾が根付いてしまったNYやLA等の地域では「当然予測されること」とされ、帰国前に十分な準備をしている生徒が多くいます。是非、危機感を持って下さい。そして学力低下問題は、今、この場所にも存在しているということを認識して下さい。

 こうした、いわゆる「帰国枠」を上手に使えない生徒が「帰国枠を上手に利用できた生徒」の裏側に、かなり多く見られるというのが、近年の帰国子女帰国後の進路・学習の現状と考えられます。  

 これらに対しては、「自覚的かつ継続的な準備をする」ことでしか解決方法は無さそうです。考えてみれば日本の受験構造も「健全な競争原理」が再機能し始めているような気がします。高校受験でもそうですし、大学受験も又変化し始めています。一日も早く意識し危機感を持ち具体的な準備を始めたものが陽の目を見る時代に入ってきたと言えます。そこで。。。

■ 「先を見越した指導体制で進学・受験に対応!」

 私たちは「進学塾」です。そして「受験だけで燃え尽きない生徒」を育てたいと考えています。「進学をまじめに考える生徒」を全力で応援したいと考えています。現地校で努力し、苦労したことを全て、帰国後の進学・学習に最大限生かして欲しいと考えています。例えば。。。

@中学生の英語コース
 苦労して身に付けた「生活英語」の能力を、そのまま「日本の学校英語」につなげられるように、文法・減点されない和訳の方法などをかぶせていく講座です。実際、このコースを受講している「生活英語力」のある生徒は、日本国内の生徒と競い合う模擬試験でも常に10位以内に入るような英語の力が身に付いています。

A受験コース
 受験にとっての基本とは、教科書レベルの基本と大きく違います。これらをおさえながら、さらに帰国後進学後の学習がスムーズに行われるように、特に読解力に力を入れて指導しています。公教育が2002年教育改革で危ぶまれている中、進学先がどんなレベルであってもしっかり対応でき、次のレベルへ続いていける力をミニマムスタンダードととらえ、受験する・しないに関わらず、また私立難関校に進学しても公立校に進学しても、その後の進学で困ることのない力を付けるように指導しています。

B個別授業コース・土曜本科コース・高校部編入対策コース
 個別と本科と受験科の連携で、どのレベルの生徒であっても現時点の実力からスタートし、更に上のレベルへと挑戦していくことが可能です。特に本科コースは、日本国内の公立校のスタンダードな基礎を身に付けるためにも、又同時に受験科への橋渡しとしての意味をも含めて開講しています。さらに小中学生には、現代っ子には苦手な「自学自習」を実現させるために、家庭学習を習慣化させられるように配慮しています。

 例えば高校受験を準備していた生徒であれば、高校生の授業を受講するようになっても「積み重ね」があるために少しの苦労で壁を乗り越えることが出来ます。その逆で、高校受験の準備をしなかった生徒が編入試験を前にいきなり「日本の高校の勉強」を始めてもなかなか軌道に乗りません。専門用語も知らず、計算方法も日米で違いましてや国語の読解問題など数年遅れてしまっているのが現状です。

 帰国枠受験やその後の進学は、準備してきた子供にとっては本当に有利な状況に運ぶことが可能であり、逆に準備の足りなかった、あるいは全くしていなかった子供にとっては厳しいものになります。

 現在のお子様の状況がどのようなものなのかを知ることが、何よりも大切であることとお分かり頂けたと思います。私どもでは無料で学力診断も行っておりますし、無料の教育進学相談も行っております。帰国後スムーズに進学・学習が進められるように、「今」何をすべきかを今一度ご確認いただければと思います。

 私たち職員は、日本での受験指導歴があり、現在の日本の受験に精通しています。帰国子女枠入試にも精通しています。現地採用のアルバイト職員は一人もおりません。授業中ざわついて「勉強したい」と思っている生徒が勉強できないような環境、つまりは学級崩壊ということも全くありません。ほめるときにはほめ、しかるときにはしっかりしかることが出来る教師が全力で御家庭の大切なお子様を責任を持って指導に当たらせて頂いております。

TOPへもどる