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2003年12月号 「入試直前の学習方法例」

 冷たい北風と共に入試直前シーズン到来。首都圏でいえば「立教池袋中学」や「学習院中学」などは例年通り12月初旬に帰国枠入試があります。帰国枠高校入試でも1月中旬に実施されるところもありますから、まさに直前になってきたわけです。受験生の皆さん!追い込みはスムーズに進んでいますか?「この調子なら楽勝」「まだアンマリ自信が持てないなぁ」などなど。どちらのタイプでも、この時期は何となく落ち着かず、なかなか勉強しにくいという人もいるようです。特に海外にいると「ライバルが身近にいない」ということもあり、安穏としたり、逆に過敏になりすぎたりすることもあります。それを見ているお母さんも「本当に合格できるのかしら」とだんだん心配顔。。。
 そこで今月は直前の学習について考えてみました。今年受験生ではない「アナタ」にも成績向上のヒントが隠れているかもしれません。例えば来年のいつかに編入試験を受ける「キミ」にも、きっと役立つことがあると思いますよ。それでは!!  

■年末年始は弱点補強をがっちりと

 「帰国枠は楽だから」とお気楽に考えている受験生であっても、さすがに直前ともなると相当のプレッシャーを感じるようになるのが普通。そうではないと言い切るアナタ!準備不足で泣かないでね。というのも、毎年受験会場で青い顔になっている海外生を必ず見かけるといいます。入試に「完全な準備」は存在しません。だからこそ、入念な準備が必要なのです。
 さてさて。飛行機のチケットも用意できて、願書を含めた必要書類が準備できた時期。受験生にしてみると「もう時間がない」「これから何をやればいいの?」と、てんてこ舞いになったり混乱するケースも出てきます。混乱してくると諦めムードが濃くなってしまいがちです。ところが今からの「死にものぐるいの頑張り方」で逆転することは不可能ではありません。必死になれば、ですよ。念のため。
 まずは気持ちを落ち着かせて、これから入試までの流れを頭に入れていきましょう。まず、「学力試験結果を重視する中学を受験する場合」や「高校入試」の場合。受験生のたいていは「塾」や「通信教育」などを受講していると思います。単に「教科書内容」を追いかけているのではなく「受験における基礎練習」を繰り返し「入試必須単元の訓練」をし続けているはずです。
 え?していないって?うーん。それはちょっと厳しいですね。ええ?!現地校のことで精一杯?教科書しか見ていない?!うーん。困りました。
 日本の学校に行くわけですから、日本の学校に進学する者にふさわしい学力を身につけておかなければなりません。まずは自分の実力をチェックをしてください。希望する学校と、実力とのギャップがどのくらいあるかを客観的に見てみましょう。逆転可能な範囲にいるのか、全く手が届かないのか。これらを冷静に判断しましょう。次に受験校の組み合わせをしっかり考えること。滑り止めを必要とするのか、一発勝負なのかということです。高校受験の場合、最悪の場合、進学先が確保できないという事態を招きます。ですから滑り止めの選択は非常に大切なのです。逆に中学入試では、公立中学進学を念頭におくのであれば、例え高望みでも果敢に挑戦することが可能です。
 さて。いまに至るまで、何らかの方法で進学・受験を意識してきたアナタ。今頃は、いわゆる「総合問題の演習」をこなしている時期はずです。これまで身につけた単元・知識をフルに使って、実践的な解き方のトレーニングをしているはずです。そうなると、この中で「自分はどこが弱いのか」「どんな問題ができないのか」ということが具体的に浮かび上がってきているはずです。これらは本来、夏期講習であぶり出し、秋からこの時期までに潰しておくものでした。もし潰し切れていないのであれば、最後のチャンスです。冬期講習前である12月前半には、総合的な問題・融合的な問題にまだ慣れていない受験生がいます。知識の蓄えはあるけれども、得点には結びつけられていない生徒のことです。こうした生徒は、例えば居残り勉強や早勉・自習質問などで、見る見る成績を伸ばしていくことがあるのです。(ただし、土台作りが成功している生徒に限る)
 だいたい、受験生の弱点というのは多くの生徒に共通しています。例えば小6の算数では「図形と比」の問題が弱いとか「速さ」に関する様々な問題の解き方を忘れているとかです。これらを「きちんと」見直していくことができるかどうかで、合否は別れていくといえます。この時期は、受験生も親も過去問に心を奪われ勝ちですが、こうした「弱点補強」を決しておろそかにしてはいけません。
 さて、クリスマスもお正月もそこそこに、1月を迎えれば入試スタートです。小6受験生でも中3受験生でも、だいたい年明けに帰国する家庭が多いようです。
 このタイミングで本帰国の場合、相当なドタバタが予想されます。子どもたちにかかるカルチャーショックなどを考慮すると、基本的にはお勧めできません。それでも仕方がなくという場合には、自宅そばの図書館を利用するなり、塾の自習室を利用させるなり、学習環境に十分注意してください。住民票を入れたと同時に義務教育を受ける権利・受けさせる義務が発生しますから、地元の公立校に通い、学校生活にも慣れていかなければなりません。塾探しもスムーズにできればよいですが、帰国枠受験のノウハウをもっている塾が、近所にあるとは限りません。むしろ少ないのが普通です。そうなると、家庭が中心となって受験準備をしていかなければなりません。受験生本人にも、家庭にも体力的にも精神的にも、相当強いものを要求されると考えてください。
 受験のためだけに一時帰国する場合。ホテルを利用したりウイークリーマンションを利用したりする場合が考えられます。業者に、受験の旨を伝えておくと勉強机や学習スタンドなどをそろえてくれる場合もあります。大いに利用しましょう。また親類の家を基地にしてということもあり得るでしょう。これもまた学習環境構築を十分に考えてください。試験前日まで準備に手を抜いてはいけません。
 中学入試でも高校入試でも、学力試験結果を重視する学校であれば「年内に完成」を目指して準備しておきましょう。そして1月から入試日までの勉強方法は「見直し中心の勉強方法」に切り替えていくべきです。ケアレスミス対策、すばやい処理方法、語句の暗記、作文のネタ帳の見直し、面接の練習などを、過去問で出題傾向をおさらいしながらやってみましょう。いわば「直接の得点源確保」の作業です。逆に読解問題や凝った問題などへの取り組みは、軽く流す程度にとどめておきます。
 日本でもアメリカでも、この時期はインフルエンザ流行の季節です。体調には十二分に気を配ること。場合によっては予防接種を受けておいた方がよいかもしれません。また、日本に帰ったときの病院もしっかり調べておくこと。万が一風邪を引いてしまったら早めに通院することです。いまは風邪程度では「注射」をしない傾向にありますが、受験の旨を伝え適切な処置をしてもらうこと。連絡を取り合うためにも携帯電話は必要でしょうからレンタルするか、プリペイド式を購入するなど考えておきましょう。合格した場合のことを考えて、入学金などの準備も忘れずに。ああ、忙しい!!!  

■過去問の大切なとこ?

 「やるべき勉強」について、さらに具体的に見ていきましょう。ずばり「過去問」です。とはいえ「帰国枠」の過去問は入手することに限界があり、願書購入時に入手できるものがせいぜいで、市販はされていないのが普通です。場合によっては「去年実施分」のみしか入手できない場合もあります。それでも絶対に入手しておくこと。過去問の使い方は季節によって違います。小5以前は「入試問題があうかあわないか」という視点から眺めました。解いても解かなくても良かったわけです。小6夏までは「出題傾向のチェック」が中心でした。小6秋からは「入試傾向に慣れるため」という視点でした。これからはより実践的なやり方で使用ていきます。
 まずきちんと時間配分を考えていくこと。制限時間を守ってください。ケアレスミスをしない具体的な方法を考え、実践すること。例えば入試問題では最初の方の設問に「難問」が潜んでいることもあるわけです。ただ順番通りに解いていくのではマズイですね。試験開始直後の1分でどこから手を付けるか考えるなんていう方法は、とても古くからいわれていることですがやはり大切なことなんですね。こうしたテクニックを過去問を利用して鍛え上げていくわけです。
 また、どの問題を「捨てる」かという取捨選択も必要になってきます。これは有名難関私立高校入試攻略には絶対必要な訓練です。首都圏の帰国枠中学入試で、2科目の試験を実施しているのなら、一概にはいえませんが、だいたい6割から7割の正答率で合格圏にもっていくことが可能です。ですから難問にハマって時間をロスするのは得策とはいえません。
 こうした「時間の無駄遣いを極力避ける」という意識は、普段の勉強方法にも同じことがいえます。特に志望校のレベルが帰国枠入試であっても「一般入試と同じだけの力を要求する」ということであれば、1分1秒の無駄を省いていくことが大切です。ライバルは海外にいるのではなく、日本国内にいるわけです。良い意味での「緊張感」を受験当日まで維持してください。
 過去問を解いているとき、難問にあたったら次のように進むこと。この時期は、このステップを踏めるかどうかが大きな鍵になります。覚えてくださいね。いきますよ!
 「5分間考え」て、手を付けられなかったら「諦め」、すぐに解答&解説を「読み」ます。そして「納得する」まで読みこなして問題と共にその解答解法を「覚える」のです。
 また帰国枠受験の場合、受験科目数に限りがありますから、受験校すべてを5年分くらいやることは可能です。是非、チャレンジしてください。(国立・開成などを目指す5教科受験の中3であれば、時間的にも厳しいものがあると思います。5年分まではやらなくても良いという考え方もあります。このあたりの勉強量・室は、日頃指導してもらっている人からの指示を仰いだ方が良いと思われます。だからこそ、しっかりとした指導者を選んでおきたいですね。)
 いうまでもなく、過去問漬けになるよりも、第一志望の頻出分野・頻出単元をしっかり見直しする時間を作ることが最も大切です。また「ここは本当はできていたはず」というような、お気楽主義的な採点はやめましょう。厳しすぎるくらいの自己採点で十分です。何しろ入試は「選抜」試験です。基準点を取れば全員が合格できる、資格試験のようなものとは根本的に違います。ケアレスミスも実力のうちです。ミスをしても合格圏内に入れるように、どんな試験パターンであっても得点源が確保できるように入念な準備をしておきましょう。  

■新しいものには手を出さない

 過去問の他に「覚えて点になる分野」というものをチェックするのも大切な勉強です。覚えて点になる漢字や文法などは家庭学習でもきっちり押さえていくこと。塾に来るまでの車の中とか短い時間を有効に使うように心がけましょう。
 さて、残り時間の少ないこの時期、新しいものに手を付けてはならないとよく言われます。やはり、これまでの「見直し学習」に徹するべきなのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
 簡単な問題集を買い込んで、短い時間で終わらせる。これならばよいでしょうね。ただ、難しめの問題集を買い込んで、うなりながら必死に解くというのは考え物です。あれもこれもと新しく知識を仕入れるというのは、結局混乱を招くだけ。この時期は「知識」を「使いこなす」というレベルにもっていくことを第一に考えるべきです。そうなると新しい問題集を購入するのは、やはり良くないと言い切れそうです。塾で教わってきたテキスト、使い慣れた参考書などを繰り返すこと。特にお勧めなのが、夏期講習のテキスト。まとめがしっかりされているものが多いでしょう?これで重要知識・頻出問題・典型的な問題などをきちんと整理し直すわけです。また、基礎を確認するには、学校の教科書を利用することも可能です。例えば国語の説明文攻略のために社会の歴史教科書の「史料」に目を通しておく。また時事問題攻略のために社会の公民教科書に目を通しておく。作文のネタにも使えますね。理科の教科書も「科学的文章」を読解するときに役立ちそうですね。「直接の得点源」とは言い難いですが、十分役に立つ材料です。
 この時期になると「通う時間がもったいないから」と塾をやめてしまうケースもあります。しかし家で一人になって勉強するのはなかなか難しいこと。ましてや一時帰国先の日本で、まわりに帰国生が一人もいなく、不安な気持ちのまま過ごすことは決して良いとは思えません。例えば、ギリギリまで海外の校舎に通い、さらに帰国後は渋谷で行われる「帰国生直前講習会」などを利用してみるのはいかがでしょうか?  

■普段通りの雰囲気で応援する

 帰国枠受験の場合、多くのご家庭ではまさに文字通り「家族一丸」となって走って行きます。この光景は日本の比ではありません。このとき、家庭では何に気を付けたらよいのでしょうか?
 まず子どもの学力を良く分析することが大切です。そして子どもの「がんばり」を信頼してあげることも大切です。
 滑り止め校や保険校などを含め、受験校の最終決定は終わっているはずです。帰国枠入試の願書受付は一般より早めのところが多いですから、願書を入手していなかった場合は締め切りに間に合わない場合もあり得ます。いままでの模擬試験などの成績と、現地校での活躍、英語の力などを組み合わせて慎重に考えます。高望みはしていないのか?最悪、滑り止めに進学することになっても後悔はしないのか。こうしたことを客観的に、見極めてください。秋以降にどのくらい実力がアップしたのか「伸びの推移」も大きな判断材料になります。中学受験にしても、高校受験にしても、特に男子では最後の最後に右上がりになっていれば合格の可能性は無限大です。
 受験する学校数は、首都圏中学入試では4校ぐらいが、高校入試では3校くらいが一般的ですが、これらは地域の特徴によって変わります。これに対して首都圏における帰国枠高校受験の場合、願書提出だけは10校近くという生徒も毎年多く見られます。首都圏の中学入試でも願書だけは6校近く準備するご家庭も多く見られます。基本的に、帰国枠入試の場合は「可能な限り出願しておく」というのが原則です。(特に女子中学入試の場合)
 2月本命校前の入試で1校合格できているとホッとしますし、このままの調子で合格できるぞというムードになってくるものです。何校か受験するうちに集中力が上がってきて、意外なチャレンジ校に合格できたという体験なども結構良く聞かれるものです。こうした受験校の組み合わせは、子どもの性格・成績などを中心軸に様々な角度から検討してください。受験校の組み合わせというのは、第一希望校の合否が変わりえるといっても良いくらい、とても大事な要素です。
 合格を手にするまで、家庭の精神的なサポートも欠かせません。しかし、あまり大袈裟に気遣いするのも逆効果になりがち。このあたりのバランスが少々難しいところです。基本的には、家庭はできるだけ普段通りに接してください。家庭としても心配がピークに達している時期だとは思いますが、クリスマスまでには落ち着いた雰囲気を作っておかなければ2月からの受験には安心して望めません。子どもは親の信頼を心に感じて「良し、頑張ろう」とファイトが沸いてくるものです。叱る役目は塾に頼んで、家はしっかり「サンクチュアリ=聖域」になってあげましょう。
 もちろん、この時期は体調をベストにもっていくため、健康管理にも要注意。風邪を引きやすい時期ですから栄養のバランスを考えた食事や外出後のうがいなどに気を配ってください。

 親子で頑張ってきた受験も後わずかでフィナーレとなります。いままで努力をしてきたことを100%出し切って、是非「後悔のない受験」にして下さい。

 

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