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2006年12月号 「両立」 難関校を突破した生徒の家庭に見られた共通点

 平日は現地校の宿題に追われ、それゆえ結局日本の勉強は週末にまとめてやる。渡米してから時間が経っていたとしても、こうした勉強方法をとられているご家庭が多いのではないでしょうか。普段の生活は現地校に追われる生活。いくら生活英語になれてきたからといって、宿題をチョチョイとできるまでにはなっていない。ましてや渡米後間もない場合は、とにかく現地校の生活に慣れることに精一杯の毎日。親も子も、毎日の生活で一杯一杯です。ようやっと週末になり、精神的にも体力的にも、やっと一息付ける時間を確保。おっと!日本の勉強をしなきゃ!ということで補習校へ。でも長時間の拘束でヘロヘロ。意外に宿題が出るのでクタクタ。しかも受験レベルとはちょっと違うので、結局自分の勉強は別のことを用意しなければならなかったり。。。

 現地校と日本の勉強の両立って、本当に苦労の連続ですよね。大変です。では、上位難関校に合格したアノ人たちは、いったいどうやって勉強していたのでしょうか?その謎に迫ってみましょう。

 まず、学習内容を分析してみましょう。例えば小1をみましょうか。この学年でいうと、現地校であっても日本の小学校であっても、コンを詰めなければ出来ないような宿題が出るわけではありません。日本語であれば、「ひらがな」がきちんと書けるかどうか、とか。算数でいうと「たしざんやひきざん」がきちんと出来るかどうか、とか。積み重ねが薄い分、次学年でどうにでも取り返せる内容だったりします。現地校でも同じです。語彙力アップの練習をさせられたりすることはありますが、公立の場合、ナーサリーなどできっちり訓練をしておけば「ボワリング」といっちゃうくらいの「繰り返し学習」に終始します。「Gで始まる言葉を、この中から探しましょう」「この数字の並び方は、どんなパターンですか?」を毎日繰り返す程度です。決して親子して「ねじり鉢巻き」を締めて取り組む問題ではありません。ましてやESOLであれば、内容的にはもっともっと薄いものばかりです。英語が苦手と言っても、学年が低い分、学習する言語ではなく吸収する言語となります。3ケ月もすると、それなりになっていきます。学校生活は、それなりになっていきます。だから焦りは禁物。精神的に追い込まれないように、周りの大人は笑顔を絶やさないことが何より大切です。

 そんな学習内容ゆえ、勉強時間は現地校の宿題にしても日本の勉強にしても毎日10分程度というご家庭もあります。日本の勉強は公文プリントを算国1枚ずつ。現地校の宿題も、同じようなもの。学校からもらったプリントをカラーリングして、オシマイ。あとは読書をしました、程度。もともと、6歳児が集中できる時間など、限られたものです。大人と同じように90分もジィーとしていられません。

 子どもの学習時間の目安として「学年×10分」というものがあります。その理論でいうと1年生=10分程度。これが、現地校の宿題に加えて日本の勉強をするとなると、単純にいって人の倍の勉強量をこなすことになります。小1の基準時間の10分が2倍の20分となります。2倍という時間が負担になるかどうか、です。小1であれば10分の現地校のお勉強。そして10分の日本のお勉強。どうですか?もっともっと勉強しているご家庭がたくさんあるでしょうね。でも例えば6年生だと60分が120分となります。毎日2時間の勉強時間を確保しなければなりません。毎日です。習い事をしていたり、運動をしていたりすると「毎日」は厳しいとおっしゃるご家庭もあるのではないでしょうか。子どもの性格上、30分程度しか集中できないというご家庭もあるのではないでしょうか。

 もちろん、個人差があります。「20分だから良い。10分はダメ。」とは言えません。「うちの子は1年生なのに毎日1時間は勉強しているから、偉いのだ!」という言い方をする必要性もありません。

 これまでの読み物でもお話ししてきましたが、大事なことは「習慣化されているか」ということです。つまり、毎日同じ時刻に同じ時間こなしているか、ということです。勉強習慣が身に付いているかどうかということです。これを「自学・自習が完成している状態」といいます。今日は10分で、昨日は90分などという方法は基本的にはダメです。勉強に対してだけではなく、全てのことに対して「ムラ」の多い子どもを作りかねません。自学・自習が5年生までに完成していると、中学受験だろうが高校受験だろうが、大丈夫です。きちんと勉強していくことが出来ます。

 前置きが長くなりました。本題に入りましょう。現地校と日本の勉強を計画に基づいて行う。その際、毎日両方をやるという方法と、日本の勉強は週末にまとめてやる方法との差異はあるのか。現地校と日本の勉強との両立において、上位難関校に合格していった先輩達には、共通するなにか「秘密」があるのでしょうか?

 まず「毎日両方させるべきだ」というのが私たちの答えです。難関校に合格していった生徒達を見ても、ここに秘密がありそうだと思います。「厳しくないか?」「低学年では混乱しないか?」というような声が聞こえてきそうですね。それでも私たちは「低学年だからこそ、毎日させるべきだ」と思います。「睡眠時間を割いてまで、毎日両方をやるべきなのか?」はい。その通りです。理由をお話しましょう。

 まず、大前提を念頭に置いてください。これから先のアドバイスは、これをお読みの全員の方に向けてのものでは無いと言うことを、しっかり意識してください。誰にでも当てはまるものではありません。だからあくまでも「一つの例として参考までに聞いておく情報」として扱ってください。決して飛びついて真似をしないことです。当然でしょう?渡米されてからの時間、ESOLの様子、日本の勉強のすすみ具合などによって、アドバイスは変わるはずです。あくまでも、現地校生活が軌道に乗り、余裕が出来た方に向けてのアドバイスであるということを念頭に置いて下さい。

 さて。enaに来てくださるご家庭は、たいていの場合、2派に分かれます。一つは日本にいるときから周到なリサーチをし、渡米当時から日本をしっかり向いて、帰国後に備えているご家庭。このタイプのご家庭であれば、多くの場合、渡米当初からすぐに塾通いされます。ご両親が現地校の宿題を手伝ったり、ESOLでも無理をしないように低めのレベルの授業を履修させたりという工夫をします。それによって、現地校の負担を最小限におさえるわけです。その分日本の勉強に力を入れることが可能になります。「せっかくアメリカに来ているのに、現地校ライフを楽しまないわけ?」と不思議に思うご家庭もあるでしょうね。でも、価値観は人それぞれ。現地校生活を満喫するよりも、受験を重視されるご家庭があっても、それを批判する権利は誰にもありません。

 日本を向いているご家庭は、毎日何かしらの「日本の勉強」をされています。国語(日本語)の読解問題はもとより、社会や日本の理科なども、しっかりこなされているご家庭が多いように感じます。それゆえ学力試験を受けても、国語(日本語)の力は日本国内の該当学年の子どもと同じような成績を保持でき、それを土台として受験問題へとつなげていくようです。実際、このDCエリアの卒業生で、この方法で上位難関校に合格した生徒が居ます。ただ、この方法が現地校と日本の勉強を「両立」しているという表現に当てはまるかは、定かではありません。私自身、「両立している!」と断言することが出来ません。

 2つ目は現地校の生活が軌道に乗るまで、じっくり待ったご家庭です。多くは、このケースに当てはまると思います。渡米して、1〜2年ぐらいのご家庭でしょうか。ようやっとお子様一人で宿題が出来るようになり、アメリカ人の友達も出来た。ESOLは卒業できていないけど、生活英語は問題が少なくなったという時期の場合です。ここまでくると、「では、帰国後のことを考えて。。。」と、塾に通わせることも考え始めるという具合です。ここで問題になるのが「どこまで日本の学力が落ちているのか」ということ。このことに目をつむって「いざ、難関校受験に!」と張り切ることは、危険です。5年生も終わりになって偏差値30程度しかない、勉強習慣は身に付いていない、という状況で「上位難関校を目指すぞ!」といっても、無謀としか言えません。無責任な指導者は「頑張れば、大丈夫」などといいますが、トンデモナイ。日本の受験生を見てください。毎日3時間の授業を受け、夜10時過ぎに酔っぱらいのお父さん達と一緒の電車で帰宅する。ベストセラーになっているものは一通り読み、新聞も隅々まで目を通す。スポーツ新聞まで読んでいたりする。方程式で解くのは美しくないといい、線分図を使った見事なとき方を常に意識して問題を読む。休み時間は仲間と解法について談義して。。。そんな彼らと同じことをしていると、言えますか?言えないのに、なぜ頑張れと言うのでしょう?英語受験など、帰国枠優遇措置を使える受験であればまだしも、上位難関校に見られる「日本の受験とほぼ変わりがない受験」という場合など、頑張れるレベルが違います。だからenaでは入塾試験をし、まず現状をしっかり見つめ、何が足りないのか、何処までやらなければいけないのかを考えて頂くところから、お話ししています。

 さてさて。これまで、「優秀な生徒は、何処へ行っても何をやらせても優秀」とお話ししてきました。このことは事実です。そんな優秀なお子さんがいらっしゃるご家庭に共通することを、ご紹介しましょう。

 例えば小さい学年においては「よく食べ、よく遊び、よく眠る」ことが何より大事です。成績優秀なお子様をお持ちのご家庭の多くが、先ず第一にお話しされることに、健康管理があります。食事のこととか、睡眠時間とか。もちろん勉強計画なども含めてです。きちんと管理されて居るんですね。「我が家は放任です」とおっしゃるご家庭もあったりするのですが、実は「勉強に関しては本人に任せています」というだけで、お子様が気持ちよく勉強できる環境を常に用意されていたんです。そう、これはご家庭がお子様を良い意味で管理されていたと言うことなのです。それ以上にビックリしたのは、どのご家庭でも『決まりならば、きちんと守るのが当然』とされているのです。「決めた予定はやるもんだ」ということを、家庭全体で実行されているのです。これなんですね。成績優秀のご家庭に見られる2つの特徴は、実はこの2つだったのです。      

■決めたことは絶対に守る     

■親が子どもを管理する  

 「旅行に行ったから宿題がたまってしまった」とか「先週は現地校が忙しかったから日本の勉強は出来なかった」という言い訳は、成績優秀なお子さんがいらっしゃるご家庭では聞かれないのです。「やれといわれたものは、期限までにきちんとこなす。これは当然のこと。」という姿勢が既に完成しているのです。それゆえ忙しくても塾の宿題は当然やっておく。やれるようにスケジュールを立てておく。無理のない計画を立てて、それを実行していく。こうした視点から言えば、低学年であっても、毎日、現地校と日本の勉強は両立させるべきとなります。健康管理は既にキチンとされていれば、子どもがどこで限界点に達するのか、見極められるお母様でいらっしゃることでしょう。しかも現地校に余裕が出来たところですから、毎日日本お勉強も組み込んで、土日のうち、一日は机から離れさせたいのです。え?「???」ですか?

 特に日本の受験を考えているなら、是非、一日は机に向かう勉強から離れて欲しいのです。高学年になると、子どもたちが興味を示す「自然」「植物」「生物」に接する機会が、物理的にも、時間的にもつくれなくなります。春の空気を吸ったり、トンボを捕まえたりすること。受験勉強ではなく、娯楽として乱読・多読を含めての娯楽としての読書をしてみる。解けるまで何時間もかけて方程式を解いてみる。そんなことをしている暇は一切なくなる。だから非受験学年であるうちに、体験する時間を増やしたい。身を持って接する機会や時間を土日のうちのどちらか1日でつくるためには、土日にやっていた日本の勉強を、平日に振り分けてやるしかないのです。

 「毎晩遅くまで現地校の宿題と取り組んでいるのに、これ以上は無理」「そうすれば睡眠時間が減ってしまう!」と心配になる方がいらっしゃるかも知れませんね。ここに、「決められたことは死守する」「健康管理はしっかりしている」という前提条件が必要である理由があるのです。

 現地校生活には余裕が出来た。そうなると日本の勉強計画の半分程度は頑張れる状態にあるかと思います。例えば小6の場合。現地校の宿題に60分。日本の勉強を60分させたい。ところが現状は、日本の勉強計画は半分しか実行できない。あと30分、なんとかしたい。布団に入る時間は9時半と設定した。さて、一般的には「30分足りないんだから、睡眠時間を30分削ればできるじゃないか」と考えられることでしょう。それが可能であれば、すればいい。でも、これを考え直してみましょう。発想の転換です。そこで、例えば、起床時刻を15分遅らせるのはどうでしょう?朝の準備を短縮させることができれば、減る睡眠時間は、30分−15分=15分となります。さらに現地校から帰ってきてから寝るまでの間に、あと15分勉強時間をどこかの時間でとることはできないか考えてみるのです。食事の時間を5分短くできないか?入浴の時間を5分縮められないか?息抜きの時間を減らすことは出来ないか?無駄な時間は本当にないのか?もし、ここで更に15分が確保できれば、睡眠時間を削る必要はなくなります。

 「細切れの時間を作ったところで、腰を据えた勉強ができるわけないだろう」とおっしゃるかもしれません。でも、計算や漢字などの作業はどうでしょうか?これらは土台ですよね。書いて覚える時間とか、単純作業の時間は、何も1時間もとる必要はないのです。「計算と漢字がそれぞれ10分程度で終わる量」というのが公文式などの基準量です。継続させるためには、その程度の質・量のもののほうが、学習効果が高いとされます。だらだら3時間も漢字練習をやることのほうが毒です。ダメです。無駄です。実は本人にとっては「さぼり」なのです。15分程度にすると、覚える気迫が違います。3時間もあるとダレますから結局覚えられないことの方が多い。(もともとドリルとは短時間で消化できるように作られているべきものです。)ならば、「計算の10分」と「漢字の10分」は、毎日のスケジュールのどこかに、「何かをする前後に」入れられないかを考えてみる。例えば食事の前の10分間で計算練習。寝る前の10分間に漢字練習という具合です。30分をまとめて確保しようとしたりするから難しいわけで、15分程度のユニットに分けてテーマごとにスケジュールを考えていけば、かなりのことが出来るのですね。現地校の宿題も、いっぺんにやろうとするからパニックを起こすわけです。実は同じように10分刻みにバラすことだって可能なのです。時間的には、こうした工夫で毎日の「日本の勉強と現地校の宿題とが両立できる」ということになります。これはお子さんと一緒になって話し合って考えてみたらいいですね。計画通りにいけば、土日に「机で勉強するもの以外の勉強」をする時間が増えるのです!遊ぶと言っても、体験学習のようなものです。買い物に一緒に行くだけでも、旬の野菜の話をすることが出来ます。そのきっかけを作ることが出来ます。公園で草花を観察しても良いでしょう。理科や社会の内容などは、実際に体験することで、定着度が増します。こういう「実体験」が受験で使われている抽象的な知識を、身近な知識として受け取ることが可能なのです。

 それでも、まだ反対ですか?睡眠時間を削るなんてトンデモナイ!っておっしゃいますか?「我が家は、出来る範囲でやればいいと思うから」とおっしゃいますか?子どもの健康は、最優先であるとは間違いありません。睡眠時間を15分削ることが、我が子に対しては大問題であるとおっしゃるご家庭に関しては、ここまでのアドバイスは全く意味がありません。でも、でも、「成績を上げたい!」「私立中学受験をマジメにかんがえたい!」「高校受験しなきゃ!」ということと、現地校のある生活を両立させることは大変なことなのです。何かを犠牲にしなければ、やっぱり成就できない大問題なんです。

 だからこそ、優先順位を決めることさえも大変な作業です。バランスを調整するのがとても難しくなります。まさに、「司令塔」が必要なのです。現地校の内容も勿論大変でしょうけれど、日本の義務教育レベルは世界に誇るレベルです。それを毎日の勉強に取り入れるには「工夫」が必要です。勉強時間を確保したり、ものを覚えようとするときに「工夫」せざるを得なくなります。なにしろ日本の同級生と比較すれば倍のことを消化しようとするのですからね。そして、勉強スケジュールは、ハタからみれば、ギュウギュウに見えるでしょうが、週末の楽しみを作ったり、時間の使い方を工夫したりする意識につながって、「受験勉強の副産物」を生み出していくわけです。つまり、私たちがずっと提唱している「自習・自学が出来るようになろう!」ということなのです。成績優秀のご家庭は、結局、この「自学・自習」ということの重大さを、お子様の年齢が早い時点にお気づきになり、上手にお子様に指導をされていたわけです。子ども達は「自学・自習」が出来るようになっていたのです。そして、それで終わりではなく、ご家庭は上手に「司令塔・管制塔」役をこなされて、塾を道具として使いこなしていらっしゃった。あらゆるものを「主人公はあくまでも子どもたち」とし、使えるものを上手に使っていった、ということなのです。

 如何でしたか?我が家の勉強方法を振り返るきっかけにしてみて下さいね。

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