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2008年12月号 「今の成績で合格するのか?」

 

■ライバルがいない受験生■

 保護者会などで「帰国枠受験といっても、夏に『受験生』になれなかったら合格は厳しい」とお話しします。優遇措置という「錯覚」で、現地校で頑張っていれば合格しちゃうなんて妄想を抱いていると、例えば12月の追い込み時でも「ゆっくりTVでも見て休憩♪」なんてことがあるわけです。

 やるべきことは既に完成していて、あとは受験日を待つだけというなら話は分かります。そういう生徒もみました。そりゃあ、よく出来る生徒でしたよ。模擬試験を受けたら安定して上位成績。秋以降の合否判定試験など「合格、間違いない!」と太鼓判。そんな生徒であるなら、今月の読み物は不要。これまで通りに毎日を過ごしてください。

 でも、ほとんどの生徒は違う。特に12月の時期に成績が乱高下している生徒や成績が目標校に及んでいない生徒に関しては、余裕があるはずがない。そんな生徒が「休憩だ♪」とホザいている場合、はっきり言いますが、タルんでいます。甘いです。例えば帰国枠優遇措置がほとんど期待できない高校受験の場合など、受かる学校は限られます。早慶レベルは無理ってもんです。中学受験でも、一般入試はもちろんのこと、男子帰国枠最難関の聖光なんで、雲の上のまた上。やっぱり受験は「勉強量に比例する」のが自然です。

 ここでいう勉強量とは、物理的な時間を指すものではありません。その受験校に必要な知識を、どのくらい「使いこなせるようになっているか」ということを指します。

 要するに、この時期の日本にいる受験生が見えていません。想像も出来ないんでしょうね。日本でなくても結構。NYやLAの受験生が想像できていない。毎日3時間の授業を受けて、毎日2時間は残って勉強している生徒。ザラですよ。お弁当を3つ持って、土曜日の朝から夜遅くまで塾に缶詰、なんて生徒も居ます。呼び出し授業・自習質問・補習・特別授業で夜遅くまで頑張っている生徒は、北米大陸にも沢山います。受験生とは、そういうものです。

 親子して、それを見ようとしていないのですね。見たくない。見ても見ぬ振り。サンクスギビングに旅行に行く受験生なんて、何処にいますか?夏に受験生になりきっていれば、受験生を抱えるご家庭になっていれば、こうしたことはあり得ません。  

 

■クチは達者■

 どう考えても今のままの成績では、志望校の合格は望めないと思われる生徒が居たとします。塾も家庭教師もやめてしまい、でも本人は「絶対合格する!!」「自分の力でやる!!」と立派なことを「のたまふ」生徒であったとします。

 そうはいったものの、毎日の生活では現地校の生活が中心。それはそれは楽しい毎日を送り、日本の受験勉強は週末に2時間程度、ちょろっとやるだけ。そういう生徒が居たとします。模擬試験を受けても、その通り結果。志望校判定では、60%合格判定で五分五分。夏前だったら「まだまだ本気のエンジンがかかってないようですねえ」で済まされるかも知れませんが、12月のこの時期、かかっていないエンジンは「粗大ゴミ」と同じ。話になりません。受験生の足元にも及びません。

 受験学年以前を遊びすぎたため、積み上げの算数・数学が苦手。英語も「全体条件」にはならず、かといって国語が得点源にはなっていない。アートやスポーツで州大会優勝以上の成績を持っているわけでもなく、野球も楽しむ程度。「プロ並みじゃあ!」というには程遠い状態。これといって趣味もない。

 そんな我が子を見ていて、親は焦る。周りの大人は「こんな状態で受かるはずがない!」と思い、突然個別授業を申し込んでみたり、家庭教師をつけてみたり、お勧めの問題集を買ったり、「あがき」に入る。でも、当の本人は、変わらず。。。

 こんな生徒が居たとしましょう。  

 

■最初にハッキリ申し上げますと。。。■

 志望校合格には、厳しい状況であることは明白。たぶんご家庭でも「無理なんじゃないかなあ」とは思われている。それでもご家庭にしてみたら「大丈夫ですよ」と言ってくれる人を求めている。そうかもしれませんね。または「やってみなきゃ、わかんないでしょ」「受けるだけ、受けてみさせます」ということなのかもしれません。

 まず子供について。「絶対合格する!!」「自分の力でやる!!」と言葉は立派なのですが、毎日勉強している様子もなく、という状況。「言葉」と「行動」が伴っていない状況。これは非常にたちが悪い。そして、志望校合格を「ほぼ100%」達成できないのが、このタイプだと言い切りましょう。

 まだ続きがあります。問題はここからです。本来、不合格になってしまうことは子供たちにとってみれば、とてもショックなことです。しかし、このタイプの子はあまり凹んだりしません。プライドを傷つけられた!と逆ギレに近い状態に陥り、そこからはい上がれても、次の受験でまた同じ失敗を繰り返します。お受験でも同じ事をした。中学受験でも、高校受験でも、大学受験でも、と続きます。

 次に親について。受からないだろうな、と思いながら受験させるのは、お叱り受けるのを覚悟で言わせて頂ければ、単なる「親の見栄」です。負けにいく受験をして、何を得ようとしているのでしょうか?「勉強しなかったから落ちたんだ」ということを自覚させたいのなら、それも「あり」かも知れません。でも、違うでしょ?「もしかしたら?」と思うところがありますよね。それは間違っています。その「隙間」があるから、子供達が逃げ込んでしまう。もし、その教育法を使うのであれば、毎日の怠惰な生活はあり得ない。「ここまで頑張ったんだから、結果にはこだわらない」と言えますか?そこまで言い切れるのなら、高望みもありです。そうではないなら、子供を潰しますよ。

 また、親からすると目の前の受験について心配なのは十分承知しているとおっしゃるでしょう。でも、上記の通り、本当はさらに続いて心配しなければならないことがあるということです。「反省が無ければ、子供は同じ事を繰り返す」のです。既に繰り返し書けているということであれば、ゾッする話かもしれません。『失敗をしても、反省せずに同じ失敗を繰り返す子だって存在する』ということは、常に頭に入れておいて欲しいことです。

 もちろん、何かのきっかけで気付けば、変わります。でも、それはいつになるかはわかりません。誰にも予測できません。周りの大人が仕組んでも、全く効果がないことも多々あります。一時的に脱却したように見えて、数ヶ月後に戻ることもあります。対処法は存在しないのです。だからこそ、刺激を与え続けなければならないのです。それが「先人の務め」というものです。その務めを与えるのに、毎日継続的に、しかも様子を見ながら与えることが出来るのは、唯一「親」なのです。他人の、週に数時間しか接点を持たない、例えば学校の先生や塾講師や仲間などの「ひと言」は、「劇薬」にはなりえます。ただ、一時的に回復することはあっても、再発する可能性が高い。ポイントは「漢方薬」のごとく、です。毎日継続して、体の調子を見ながら配合していくことができれば、完治することも可能だと思うのです。それを、親は知っておくべきです。

 『何が、いつ、きっかけになるか分からない。だから与え続けないと変えられない。』そこで大事なことは『変えないと、変わらない。』ということです。面談などをしていると「うちの子は親の言うことに聞く耳をもたいない」という声を聞きますが、それは「これまで言うことを聞かせるチャンスを逃してきた」ということに他なりません。「先生の言うことは素直に聞くのだけれど、親の言うことは聞かなくて。。。」という声を聞きますが、それは聞かせる機会を逃してきた結果。要するに親が「白旗」を振ってしまっているというわけです。親が仕掛けた刺激を受け取ってくれるのは、低学年からが理想。学年が上がれば、大人の思惑を見抜きます。自我が確立し、成長期が訪れ、親から距離を置くようになる小5あたりで、バリアは完成します。特に女子では、親に対して堅いガードを持つようになります。男子でも、こと勉強に関しては内容が大人っぽくなる(抽象概念が中心となる)といわれる5年生が山場。私たちがよくお話しする「小5あたりで自学自習ができるように」というのが、これ。小1あたりから上手に「聞かせていく」ということをし、周りの大人が上手にレールを敷き、小4あたりでしっかり支えて歩かせていけば、「ふーんだ!」という姿勢にはなりにくかったはずです。先月の読み物にも書きましたが優秀なお父さん・お母さんであればあるほど、「わからない」という子供達の気持ちに気が付きにくい。そこで「なんでわからないんだ!!」と感情に走ってしまっているなら、到達できるはずがありません。子供は萎縮し、難しいことに取り組むことはいっさい拒絶していきます。刺激を与えるどころではなく、劇薬を無理矢理飲ませようとしていたわけです。

 「親の自分では、志望校突破は無理だと感じているが、子供が自覚しない」と感じていらっしゃるお父さん・お母さんも多いのですが、逆に言えば、子供とは「そんなもの」です。ある意味では、よくある普通の状態なのです。問題なのは、「親がダメだとわかっていることを子供に伝えられていない」ということです。海外にいると親子の絆が強くなると言われがちですが、こと受験に関して言うと親子で感覚のずれが生じることも多々あります。

 「今の勉強では、次のテスト結果は良くないはず」と思うのならば、お子さんにテスト前に宣言しましょう。「失敗するよ」って。そのひと言で良いのです。もし、カリキュラムテストのために、もしくは、お子さんの学力には見合わないテストの場合は、良い結果が出てしまうかもしれません。その場合、親のミスチョイスです。良くあるのは、算数は得意だから上の学年のテストを受けさせて、国語は苦手だから下の学年の試験を受けさせて、という方法。良い結果が出るに決まってます!!!そういう受け方なのですから。「よくできたね!偉いね!」というテストの使い方をするならば、これで良いのですが「勉強方法が間違っているぞ」と軌道修正するために使うなら、使い方が違うのです。バラバラの受験ではなく、セットで受けさせるべきです。上記の例の場合、算数にあわせるなら「ほら、国語は追いついていないよね」「理社は、まだまだ厳しいよね」となるでしょうし、国語にあわせるならば、「算数しか出来ていないよね」ということなどが、子供にも分かります。

 成績が悪かった場合。得意げに「それ、見ろ!」などと言う必要はありません。あくまで、親は子供の味方なのです。あらかじめ宣言するときに、「もし、お母さんの言う通りになれば、入試も今の勉強のやり方では難しいということよ」と付け加えておくだけのことです。そして、残念ながら、親の予言が当たってしまったときには、すぐに勉強方法の見直しをさせます。もちろん、親も反省します。方法論を変えます。ここが大切です。『悪かった結果に対して、これまでと同じ勉強方法で続けるなら、改善は絶対にされない』ということです。このことも何度もお話ししてきました。それでも「ボクは、この勉強方法でしか覚えられない」とぬかす生徒が居るのです。彼らは、絶対に覚えられません。数字がそれを物語ったのですから、本来事実を認めるしかないのです。それを「いや、これはテストが悪い」「たまたま調子が悪かった」「どんまいどんまい」と逃げている。いや、周りの大人が「逃がした」というべきでしょう。

 いずれにしても、変えないと変わらない。ビジネスであれば、当然のことです。クレームに対して旧態依然であれば、対処していないということ。あり得ません。口先だけの「対処しました」では同じ結果が繰り返されるのは必至。

 まだまだ受験が先のご家庭であれば、親子で「賭け」をしてくださいということです。刺激をストレートに出せば飲み込まない学年・年齢になったのなら、こうした工夫で子供を「はめる」ことが必要なのです。そうやって軌道修正をかけていかないと、走っている子供を変えることは不可能なのです。

 では、今現在受験生で、受験目前なのに「口先だけ」の場合は、どうしたら良いのでしょうか?正直に申し上げます。12月です。手遅れです。ほぼ、間に合いません。それが現実です。偏差値が10も離れているのであれば、まぐれ当たりに頼るしかありません。宝くじを買う訳じゃありませんから、それに期待するのも変な話です。つまり、今回の受験の「合否結果」は諦めてください。そのかわり、今から受験までの持っていき方で、今回の受験が今後に生きる、つまり「刺激」「漢方薬」になることはあります。私たちが受験生の面談でお話しする最も大切なことは「後悔のない受験をしてください」というもの。しかし、こうした「怠惰な、受験生になっていない受験生」である場合、既にご家庭では後悔が始まっているはずです。それを子供にも広げていきましょう。ここから受験までの数十日。どこまで出来るのか。睡眠時間を削って、覚えることを必至に覚えて。それが今までの人生の中で最高の量・質まで上げられたら、結果はどうであれ、プラスに使えます。希望する学校に全て失敗したとしても、反省が出来ます。精神的に弱かったとしても、相性が悪かっただけの話であっても、残りの時間を必死に出来なかった生徒は、やはり同じ事を繰り返します。同じ事を繰り返す生徒は、脱却していない。やはり失敗を繰り返すのです。それが現実。さあ、どうしますか?  

 

■追い込み■

 12月ですから、各自で過去問を中心に勉強を進めているはずです。使用注意は、これまでの読み物でも取り上げてきました。採点は厳しく。基本的には自分でしない。塾など全くの他人にしてもらうのがベスト。一般入試だと過去10年分くらいを3回は繰り返すと良いといわれます。帰国枠入試専用問題がある場合、過去3年分を3回繰り返すこと。そして一般の問題も過去5年分くらい、合格点には到達しなくても良いから、3回は繰り返しやっておくこと。

 ドリルみたいな簡単なものだけでは、普通はダメです。かといって1000頁もあるような問題集を新しく買ってきて今から始めるのもダメです。志望校のレベルにあわせた問題集、勉強方法が存在します。合格するには、合格する勉強方法があるわけです。もし指導者がいるなら(塾の先生、補習校の先生、家庭教師の先生、通信教育の先生などなど)、どのようにすべきなのか聞くこと。残りの時間を、どう使うべきか聞いてください。経験が豊富な指導者であれば、過去の例と比較して「お前の成績は、アイツの成績ににているし、性格はアノコに似ているから、こんな方法でいくと良いんじゃないかな」と具体的なアドバイスを受けられたら、それを信じて続けること。世間で言われる「直前は薄ものを繰り返せばよい」というのは、この時期に既に完成している人にだけ言えることであり、まだまだ勉強不足の人には当てはまりません。それでも、この時期に何を使って勉強したら良いのか分からない人のために、、、  

6割の問題は、既に解けるレベルであること。  

2割の問題は、少し時間をかけて解くレベルであること。  

2割の問題は、誰かに習わないとできないレベルであること。

という問題集・テキスト・プリントを使って勉強してください。そのくらいのバランスだと、自信喪失感は少ないでしょう。じっくり腰を据えて考える訓練も含まれています。また人から教わって、新しい知識を身につけていくことも可能です。もし近くに受験参考書が沢山おいてある書店があって、立ち読みすることが可能ならば、こうしたことを念頭に選ぶと良いでしょう。しかし、大半の人は海外在住中。そうなると、手持ちの教材の中から上記のような視点で選択するしかありません。くれぐれも、偏らないように。

 子供やご家庭の背景を知らない人間から「がんばれ」「大丈夫」などという「無責任な言葉」を聞きたくはありませんが、知っている人間が具体的に指南してくれた上で「これを、こうやって、あとはその線でガンバレ」といってくれたり、「それを、そうやって、その後はそのままやれば、こういう意味で大丈夫」といってくれるなら、信じて良いのです。それは経験上では正しいアドバイスだからです。何も知らない人から「がんばって」「大丈夫」といわれても、それは単なる「かけごえ」に過ぎません。場合によっては、その言葉でこの時期とってはいけない「安心感」をとってしまう。無駄なひと言。危険な言葉になるのです。

 受験生。出番です。帰国枠受験は、既に始まりました。いってらっしゃい。何はともあれ、「後悔のない受験を!」です。

 

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