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2004年2月号 「面接試験の色々・その1」

■面接試験って、何さ???■

 帰国枠入試では面接試験はとても大切!と聞きます。その割には対策が甘かったりします。模範解答付きの過去問というものも見たことがありません。「大事!大事!」と連呼されるだけで、実態がつかめない。そこで今月と来月で面接試験とは何かを探ってみたいと思います。  

■面接試験で何を知りたいのか・・・一般知識編■

 帰国枠入試を実施している学校では、よくこんな事を言います。「学科試験だけではなく、面接や小論文、現地校の成績などから、多角的に考えて合否を決めます。」一般入試でこんな事をやっていたら、相当な時間がかかってしまうでしょう。これに対して帰国枠の場合は受験者数に限りがありますから、長時間の面接をすることも可能なわけです。大学入試の中には60分というところもありますが、中学入試・高校入試の多くは5分から15分が多いようです。形式も様々で、本人面接のみ・両親同伴面接・保護者のみの面接・受験生の集団面接などというように、様々なスタイルがあります。
 さて、面接試験を行う理由は一般的には「本人や両親と会って、その人たちの人柄を知りたいから」です。特に海外で生活したという特殊体験を持つ帰国生の場合、日本国内でずっと生活してきた人とは違うところがあるはずです。それを見てみようというわけです。具体的に見てみましょうか。受験生に対しては以下の点を見たりします。

 1・話す力や聞く力
 「質問内容が落ち着いて正しく聞き取れているか。また質問に対してハキハキと的確な言葉で応答ができるかどうか。」

 2・理解力
 「相手の話を聞き取り理解する能力はあるのか。自分の考えを相手に伝える能力は、年齢相当に発達しているかどうか。」

 3・態度
 「行儀、挨拶、言葉遣いなどは日頃から気を付けているかどうか。小さい学年であればしつけがきちんと行き届いているかどうか。」

 4・基本的生活習慣
 「服装や身だしなみなどから、望ましい生活習慣が身につけられているかどうか。」    

 

 もし保護者面接がある場合、以下のような点を見られます。

 

 1・家庭の教育方針
 「学校の教育方針との間に違和感はないか。家庭の方針はしっかり確立されているか。両親面接の場合、両親で意見が違っていないかどうか。」

 2・家庭環境
 「いろいろな質問に対する返答の内容、応答の仕方、態度から家庭の雰囲気を探る。」

 3・しつけの仕方
 「子どもに対する接し方や応答内容から日頃子どもにどのように接しているかを見る。」

 4・志望理由
 「学校の教育方針や校風や宗教のことなどに関して、どの程度研究しているか。志望理由は確固たる信念のあるものかどうかを見る。」    

 

 保護者面接での2や4は、高学年の場合、本人面接で聞かれます。

 面接試験は偏差値のような統計的な数字では評価できません。気になる反面「何とかなるさ」とも思えてしまいます。面接だけで合格が決まるとはいいませんが、合否の重要要素になっていることは確かです。慎重な準備をしたいものです。さて、面接の心構えなどは市販の「面接のための心得」などを参照していただくとして、ここでは「どんな点に注目されているのか」「それがどう評価されるのか」を中心に考えてみます。  

■面接官の質問に細心の注意を払う■

面接官:「住所と電話番号を教えてください」
A 君:はい。住所は東京都杉並区阿佐谷南3−1・Aハイツ101です。電話番号は03-3456-7890です。
B 君:桜台っていうところで。。。Aマンションの4階で。。。あと知りません。

<ここがポイント>
 小さい学年であれば万が一の場合に対する日頃のご両親の配慮がうかがえるというものです。中学受験以上の場合、大切なのは「2項目同時に質問されている」という点です。面接官は2つの答えを求めているのです。その2つに対して返答しなければなりません。それがポイントなのです。
 さて、内容的なことですが、帰国してすぐの場合中学生であっても正確な住所を覚えられていない場合もあります。そんなときは「桜台です。O駅のすぐ近くです。住所と電話番号はまだ覚えていません。」と答えられたなら、面接官の受ける印象はだいぶ違っていたでしょう。  

■中学入試で見られる家庭のしつけ■

面接官:どんなときにお母さんに叱られますか?
C 子:はい。お約束を守らなかったときです。
面接官:それはどんなお約束ですか?
C 子:はい。お食事の時にはテーブルにひじをつかないことと、テレビは近くで見ないことです。
面接官:D子ちゃんはどうですか?
D 子:はい。ピアノの練習をしていて間違えたときです。

<ここがポイント>
 このような質問を通して、面接官は親の子どもに対する接し方、考え方を見ているわけです。女子中の入試などで良く聞かれる内容です。C子ちゃんの場合は、お母さんとの約束を大切なこととして素直な気持ちで受け止めている様子がよく分かります。しつけの基本となる食事のマナーや健康管理に関することなどは、低学年において完成しておくべき事です。子ども自身もどうして叱られるのかという理由をしっかり把握しており、親が感情に左右されず一貫した考えを持って子どもに接している様子が分かります。
 D子ちゃんの場合は、答え方より母親の教育姿勢に問題があります。試行錯誤を繰り返しながら学習していく幼児期・低学年期に、このような事で叱っていたのでは子どもの学習意欲は喪失し、好奇心は失せていきます。そして間違うことを恐れた消極的な子どもに育ってしまいます。面接官からは親の教育姿勢や日常の子どもへの接し方が不適当と判断されてしまうでしょう。こういうところにも注目されているのです。  

■近年注目されている「社会性」「協調性」■

面接官:どんなときに兄弟げんかになりますか?
E 君:はい。弟が僕のおもちゃを取ったときにケンカになります。
面接官:そんなとき、E君はどうしますか?
E 君:ほんとうは嫌だけど、弟はすぐ泣くので、貸してあげたりします。
面接官:F君はどうですか?
F 君:僕は。。。ケンカはしません。

<ここがポイント>
 E君の答えは子どもらしく正直に答えている点に好感が持てます。このように答えた後に「ケンカはどちらが勝ちますか」「そんなときお母さんは何と言いますか」などと解決方法について突っ込んだ質問をする場合が多いようです。日常の親の躾、本人の社会性や協調性がどうであるかを知りたいからです。兄弟のいる場合、どの家庭でもケンカの起きることは予想されます。F君の答えから親が「ケンカをしない子がよい子である」と子どもに言い聞かせ、子どもの言い分まで押さえつけていると感じませんか?ケンカをしていることを隠したり、取り繕ったりする必要は全くありません。ケンカをする中で、感情をコントロールしたり、悔しさや優しさを学ぶことが大切なのです。そして相手の気持ちも思いやり、対処できる子どもに育てることが親の役割でもあるわけです。近年の中学入試では、このパターンの質問をする学校が増えています。  

■入試テクニックの一例■

面接官:ハンカチを広げて見せてください。
G 子:。。。もたもた。(タオル地なのでなかなか出ない)
H 子:はい。(木綿の新しくはないがアイロンのかかったものをサッと出す)
面接官:どんなときに使いますか?
G 子:手を洗ったときに使います。
H 子:手を洗ったときや汗をかいたときや怪我をしたときに包帯のように使います。
面接官:はい、けっこうです。しまってください。
G 子:。。。もたもた。(たたんでも入らず、ポケットにギュウギュウ押し込む)
H 子:♪〜(たたんでサッとポケットに入れる。)

<ここがポイント>
 タオル地は水分を吸収し、ふき取りやすいという利点はあります。ところが入試には不向きです。小さなポケットからの出し入れに不便だからです。面接試験に対して便利であるかどうかを考えなかった失策です。入試におけるハンカチの用途をよく考えた上で大きさや布地を選ぶべきでした。もっとも、ハンカチを携帯させる習慣を付けさせておけば動揺もなく自然に振る舞えたのです。面接官は普段の様子も観察したいのですから、このような唐突な質問が出される場合もあります。特に女子中に多いです。  

■どの入試でも頻出のパターン■

面接官:好きな本は何ですか?どうして好きなのかも教えてください。
I 子:はい。シンデレラが好きです。カボチャが馬車にパっと変わるところがとても面白いと思うからです。
J 子:浦島太郎です。えーと。。。。えーと。(キョロキョロ)煙の箱のところ。

<ここがポイント>
 I子ちゃんは落ち着いて質問の内容をしっかりつかみ、きちんとした返答になっています。国語の筆記テストでもよく見られる「どうしてですか」「〜だから」という呼応がとれているということです。I子ちゃんの答えには、表現力豊かな、明るい性格であることも感じられます。言葉遣いも丁寧なのは更に評価を高めます。
 中学受験でも大学受験でも最近読んだ本についてという質問はありがちです。適当にごまかそうとしても面接官は奥まで突っ込んできます。娯楽としての読み方。学部研究の材料としての読み方。様々な読み方があると思います。決して字面を追うだけの作業にならないように気を付けたいものです。  

■帰国枠入試での流行の一例■

面接官:お友達の大切にしているおもちゃを壊してしまったとき、どうしますか?
K 君:同じおもちゃを買って返します。
L 君:お母さんにいいます。
M 君:お友達にごめんなさいって謝ってからお母さんにいいます。

<ここがポイント>
 K君の場合、自分のおもちゃでも壊れたりなくしたりした場合すぐに親が買って与えている様子が想像できます。面接官にはあまり好まれないタイプです。子どもが物を壊したり無くしたりするのは良くあること。こうした状況において、家庭が物の大切さを教え、我慢することも教えているかを試験管は見ようとしています。
 L君の場合、困ったときには「周囲に頼る」という主体性の無さや気持ちの弱さを感じさせてしまっています。帰国枠の面接官であれば最も嫌うタイプです。帰国枠入試を実施する学校が帰国生に求めるのは「日本の受験生にはない根性・ハングリー精神・自主性など」です。
 M君は子どもらしい答え方をしています。自分の非を素直に認め「ごめんなさい」の一言が自発的にいえることとと、壊してしまったおもちゃをどうするかを親と相談して解決しようとしていること、これらの発言の中からM君の親の日頃の躾や教育姿勢が伺い取れるというわけです。
 「おもちゃ」を例にしたのはちょっと「小学校入試」的でしたが、シチュエーション面接は中学入試ではもちろんのこと、高校入試でもよく見られる質問です。「いじめられている友達がいたらどうするか?」「ボールが散らかっているバスケットコートで何をするか」などが過去出題されています。日頃から様々なことに問題意識を持ち、それについて考えるという習慣が身に付いていなければ、太刀打ちできません。  

■注意力散漫な場合墓穴を掘る例■

面接官:お父さんとは、いつもどうやって遊びますか?
N 君:はい。腕相撲したりナゾナゾをしたりして遊びます。
面接官:腕相撲はどちらが強いですか。
N 君:お父さんの方が力持ちなので、強いです。
面接官:O君はどうやって遊んでいますか。
O 君:はい。海へ行って貝殻を拾ったり、山に入ってトンボを捕ったりして遊びます。
面接官:海や山にはよく行くのですか?
O 君:。。。。。タラーっ。。。

<ここがポイント>
 これもちょっと「小学校入試」的な例になってしまいました。しかし根本的な点を考えるには、良い例です。
 N君の答えからは父親と楽しく遊んでいることが自然に答えられています。帰国生の父親は多忙で不在がちということも多く見られます。それでも子どもが「こうして遊んでもらっている」「勉強を見てもらった」といえば、家族の絆はしっかり取れているのだと分かります。面接官は、こうした「家族のつながり」を見たいわけです。
 O君の場合は、まず受験者としての注意力に欠けています。面接官は「いつも」といったのです。こうした点を落としてしまうと間違いなく減点されます。この答え、とってつけたような気がしませんか?O君としては「来た来た!」と思ってしまったのでしょう。「父親との思い出」という事に対して予め答えを暗記していたようです。
 特別な答えを用意したり、教え込んだりしたとしても、信憑性の感じられない応答になる可能性がありえます。面接官は、薄っぺらな嘘はすぐに見抜きます。ましてや帰国枠受験の場合長い時間をかけて面接するわけですから、見抜くことは簡単なのです。

 要するに、どの角度から聞かれても返答できるように「日頃から考えるという習慣を付ける」べきだということです。「付け焼き刃では帰国枠入試における面接は突破できません」ということです。  

 ☆来月は「親に対する面接例」からポイントを考えてみます。お楽しみに。

 

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