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2006年2月号 「計算力をつけよう・その1」

■計算力を付けるには■

 どの学年でも1学期の始めに計算関係の単元を学習しますよね。内容的には単調になりやすく、どうしても軽視しがちです。習うことは限られていて、場合によっては例題を見れば習うまでもない!ということもあります。授業を受けるまでもないな、と侮ってしまうこともあります。でも、計算は全ての基本。ena海外校舎でも「計算は速くて正確だというのが、普通であると思え」と指導しています。計算力をキッチリ身につけていないと、後々の成績の伸び具合に大きな影響を与えてしまうのです。特に小6受験生&中3受験生にとっては、夏休み以降、他にやるべき事がたくさんあるはず。そのことを考えると、是非とも今のうちに計算力を付けてしまいたいものです。もちろん、非受験生でも、今から計算力を身につけておくことにこしたことはありません。特に帰国枠中学受験では、受験における基礎学力をチェックされるわけですから計算と漢字は必須です。絶対条件ということです。

 今月と来月の2回にわたり、効率よく計算力を付けるにはどうすれば良いのかを、具体例を交えながら考えていきます。計算力アップのヒントがあるかも知れません。それでは見てみましょう。  

 

■たかが計算、されど計算■

 近年の一般中学入試では、一昔前の『解法パターンだけで解ける問題』は姿を消し、より深い思考力や柔軟な応用力を問う問題が増えています。これに対して帰国枠中学入試では、いまだに「パターン化された問題」も多く出題されており、きちんとした準備によって高得点が望めると思われます。高得点=易しい問題と考えたら、厳しい受験になります。帰国枠で有名な某私立中学校の入試担当の先生は、「海外に塾もできて、日本お勉強がしやすくなったせいか、合格者の平均点が軒並み上がっている」と証言しています。つまり「ケアレスミスが致命傷」ということ。普段は現地校の勉強に追われている海外生が、日本の勉強で初逸事心が漏れるのが計算問題。それに対してこのレベルの気体をされるとなると、これは驚異です。

 要になる計算力。実は、某中学校の帰国枠では算数の試験が計算問題だけなどということもあるのです。帰国枠のメリットがあまり無い高校入試においては、計算問題は入試問題に含まれます。公立高校入試問題の第一問目は必ず計算問題。今まで計算問題が省略されていた某難関私立校の試験でも、第一問目に計算問題が復活しました。これは昨今言われている「学力低下」に対する学校側のメッセージだと思います。学校の教科書には載っていない、ちょっと難しい応用計算問題を、きちんと筋道立てて、丁寧にできりかを見るためのチェック。進学後の「伸び具合」をはかろうとしてるわけです。

 さて、入試問題が「思考力重視」といわれ、ひらめく力さえ身に付いていれば良いと豪語する受験生もチラホラ見られる時代となりました。帰国枠であっても「思考力重視」といわれます。「計算練習は適当に」という生徒もいますが、それで良いのでしょうか。。。  

<例>  小6のA君は、算数が好き。不得意分野は特に無く、難しい問題もじっくり考えれば解けるという自信がありました。6年生の秋。志望校判定試験のときのことです。試験が始まり、最初の3分間は問題一通りに目を通そうと思ってみてみると。。。難しい問題ではありますが、少し考えれば解けそうな感じがしました。文章を式化するところまでは難なくクリアできました。ところが普段から計算練習を軽視していたことが裏目に出て、せっかく立てた式を解くのに時間がかかってしまい、結局時間切れ。満足な点数はとれませんでした。  

<例>  高校生のB君。小学校の頃から算数が得意で、現地校ではどんどん先に進んでいました。小学校の頃から文章問題でも「算数」ではなく「数学」を多用していました。面積図や線分図など面倒だ。方程式で一発だよ。当時の彼の口癖でした。ところがSATの問題を解くときに、「てんびん」「逆比」「分配法則」などの技術を使えば数秒で解ける問題さえも方程式で解こうとしてしまった為、かえって時間がかかってしまいました。当然、満足のいく点数はとれませんでした。  

<例>  中3のCさんは文章問題が苦手です。塾の授業では先生の説明もきちんと聞き、ノートにとり、家に帰って解き直しをしています。でも、理解は出来ても、いざテストとなるとなかなか点数に結びつきません。先生には「計算のケアレスミスが多い」と言われます。事実、模擬試験の見直しをすると、ほとんどの問題で、最後の計算が間違っているなどということがあります。  

 以上はほんの例ですが、算数・数学という教科が数を扱う教科である以上、計算力は全ての土台になっていることが明らかです。しかも入試で要求されるのは「速さと正確さ」の両方ということであることもわかります。このことは、優遇措置がとられているといえども、帰国枠入試にもあてはまります。片方だけでは合格レベルまで達しません。  

 

■まず基本から■

 長い計算式になると間違えることが多くなるというケースの場合、計算のルールが身に付いていないと言うことがあります。    

@計算のルール   

・左から計算する   ・かっこは小さい順に→教科書レベルでは()しかありませんが、入試では{}も[ ]も使います。・乗除は加減よりも先にする  

A等式(等式の性質)   

・等式の両側(両辺)に同じ数を足したり、引いたりしても等式は変わらない。また同じ数をかけても、0以外の同じ数で割っても等式は変わらない。  

B計算の工夫   

・交換のきまり 加乗だけの式は前後の数を入れ替えても和積は変わらない。   ・結合のきまり 加乗だけの式はどの2つを先に組み合わせて計算しても和積は変わらない。   ・分配のきまり かっこの外の数とかっこの内の和(差)との積は、それぞれの積の和(差)と等しい。逆も可能。    

これらが基本です。言葉で説明すると難しそうですが、実際はそれほどでもありません。enaでは小3あたりから徐々に使いこなしていきます。慣れたら意外と簡単なのです。これらは整数だけではなく、小数や分数の計算にも使えます。もちろん中学生の方程式などにも利用可能ですし、因数分解などにも利用できます。実は、これらに対しての拒絶反応を起こす生徒がいます。自己流で計算訓練を積み重ね、ある程度のレベルまで達した生徒に多く見られます。公○式で訓練してきた生徒にも多く見られます。小5以降の「入試問題演習」において、突っ走るだけで解ける問題は限りがあります。問題のテーマを考え、パターンを考え、確実に解いていく必要があります。それを「こんな事考えないで、とにかく片っ端からやれば良いんだよ」「考えているだけ無駄な時間を費やす」とやっていると。。。自分で自分の首を絞めてしまうことにもなります。問題作成者は、上記のような工夫を使えとメッセージを送っているのです。それを無視するとなると、余程の切り返しができなければ、太刀打ちできないものばかりです。入試と練習問題とは大きな隔たりがあるということを、彼らは知らないわけです。これでは受かるものも受かりません。  

 

■工夫次第でドンドン楽になる■

 計算練習のポイントは、いかに楽をして速く正確に解くか、にあります。そう、「楽な方法は?」と常に意識して練習することが大切であるということです。決して「まじめに」ということではないのです。計算力が頭打ちになる生徒の常套句は「そんな工夫を考えている時間があったら、左からやった方が速いよ」というもの。計算の工夫は組み合わせることによって、ドンドン楽に計算することが出来ます。そのレベルにたどり着けるように、日々訓練していくしかありません。訓練すると、驚くべき速さで解けるようになります。しかも副産物として、見直ししてしまうという癖も付いてしまいます。有名難関中学に合格する生徒の多くは、enaの授業内での計算小テスト(だいたい10分程度)で満点を取り続けます。しかも、制限時間ギリギリまで難度も見直しをします。この「見直し時間を確保すること」が、計算力アップの副産物なのです。これは受験においてはとても大きいものです。どの受験マニュアルにも、試験時間から5分を引くとあります。その5分を見直しに使えと書かれています。計算力の無い生徒は、見直しをしません。「終わったよ」というものの、採点してみると7割程度の出来具合。しかも、そのことに対して「悔しい」とか「今度こそ」というような危機感がありません。これではいつになっても成績は向上しません。

 さて、コツはあるのでしょうか。実はありません。(笑)これは、一人一人で、苦手な計算パターンが違うため、ひとくくりにできないからです。あえていうなら、大きな数や小数など、面倒で間違いやすい計算を、出来るだけ最後にまとめていく、というのが唯一のコツでしょうか。また以下のような工夫も利用価値は高いでしょう。  

@足し算と引き算の混合   足す数の和から、引く数の和を引く   <例> 46-23+54-27=(46+54)-(23+27)

Aかけ算とわり算の混合   かける数、わる数の順序を入れ替えても答えは変わらない   <例> 36×4÷3÷12=36÷12÷3×4

B分配のきまりを利用   等式のきまりや書き換えを使うと楽になる   <例> 3.14×72-47×3.14=3.14×(72-47)=3.14×25=3.14×100÷4

C円周率が3.14の場合   よく出てくる答えを覚えてしまう。   <例> 3.14×4=12.56  

 

■計算の救世主「分数」■

 enaではよくこう言います。「小5以降、答えは分数で」。これは小数で計算を続けるには限界が来たよ、という意味です。アメリカの算数は、日常生活に生かせる数学を目指します。そこで小数を中心に考えさせます。「およそ」という答えもよく使われます。ところが日本の算数は、どんどん「正確な答え」という視点に変わっていきます。小3で初めて習った分数が、小5では相当なレベルまで発展していきます。

 計算問題を解くに際して、分数の利点は「約分」ができること。これを使えば数を小さくし、暗算しやすい形に出来るわけです。こうした問題は、最初から分数で解くことを前提に作成されていますから、普通に前から計算していると時間切れになりやすいものです。また、一見普通の問題に見えて、わり算の部分が割り切れないものもあります。    

<例> (332-89)÷21×7=243÷21×7

  この場合など、×7を先にやり21でわるという様な工夫や、21分の7をかけるというような発想で取り組まないと解けません。

 その他、分数と小数の混じった計算では、どちらかに統一する必要があります。ここで武器になるのが暗記力です。  

 もちろん、全ての問題を分数で対処しろと言っているわけではありません。特に小数の計算では、多くの子どもが「余りのあるわり算」が苦手ですから、この部分もよく出題されるわけです。  

 

■途中の計算式を残しておく■

 計算が苦手な生徒のノートを見ると、最初の式と答えしか書かれていないものです。途中の式や筆算を他の紙に書いているか、またはノートに書いても消してしまっているか、のいずれかでしょう。これでは間違えたときに「何処を間違えたか」という「分析」ができません。計算ノートを持っていても、思いついた場所に、メモ用紙的に使うという書き方もダメです。正しいノートの書き方は、enaの授業の板書で示すような、行ごとに書かれた途中式が書かれていること。これを実現させるには、ノートを贅沢に使う癖を身につける必要があります。分数を1行の中に押し込んで書くのではなく、2行を使ってはっきりと書く。enaのノート指導は、こうしたところにも目を光らせているわけです。

  次回に続く  

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