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2010年01月号 「入試直前!」

■不安  

 帰国枠中学受験は11月の下旬から始まっています。帰国枠高校受験も、一部の学校で、海外入試が11月末から始まっています。中学受験は2月上旬までの、高校受験なら3月上旬までの、まさに『ロングラン入試』が始まっているわけです。この時期の子どもたち・ご家庭は、当たり前ですが不安がいっぱい。既に日本にお帰りになったご家庭からもご相談メールが毎日のように入ったりします。そこから、ちょっと考えてみましょう。  

■狼狽

 『あと△日後に■■中学の入試です!』そんなメールが来ます。続けて『でも国語の成績が安定しないんです!どうしましょう!』なんて声も届きます。『数学は、当たりはずれが大きいよ!どうしよう、先生!!』ということも。それぞれ事情は違いますが、切迫した様子のメールは1月に入って非常に多いです。

 皆さん、一杯いっぱいのところで踏ん張っているので、ちょっとしたことや気になることがあると、やっぱり慌てる。それは当然です。さて、そこからどうするのか?  

■苦渋

 土壇場になって、新しい方法を試す。一般的には危険な方法とされます。合格体験記などでは「直前は薄ものをサーっとやっただけ」「いままで使ったプリントを繰り返しただけ」などとかかれています。でも、それらは「成功した人」の方法。今現在「とっちらかって」「のたうちまわって」いる受験生には「雲の上の方法」としか感じられません。決戦を控えた今、「過去を悔やむな」といわれることは想定内。でも、でも、です。  

■反省

 過ぎた時間は返ってこない。そう。だから、直前の今であれば、反省はもう少し「後で」、すれば良い。残された時間で「やれること」を「1分1秒を惜しんで」、やる。ただただそれだけです。

 例えば得意科目について。得意の『はず』の科目について。得意のはずでも実は乱高下している。苦手な範囲に当たると目も当てられない。これは、「英語」でも当てはめられること。当然、過去問は最低5年分はやりつくしていることでしょうから、そこから考えるだけです。

 過去問で○×がついている。得意、不得意が「はっきり・くっきり」している。だったら、そのうち「×」になったもので「取れたはずの問題」は、どれであったかを選別しましょう。先ずは「その問題」ができるようになること。つまり「得点源を増やす」ことが先決。

 また、入試報告会や教育相談会などで、お話ししてきた「入試実践テクニック」や、保護者面談でお話ししてきた「各自における入試実践テクニック」を駆使して、『できる問題』『取らなければならない問題』の『時間配分』がどうあるべきかを検証しておくべきでしょう。

 今年の入試で大きく傾向が変わるかもしれませんが、それは神のみぞ知ること。条件は皆同じ。それだったら、過去問を見てある程度の目安をつけておくべきでしょう。  そうすると、合格最低点を目安に、「取らなければならない問題の選別とその時間配分」が決まります。帰国枠入試過去問は市販されていないことが多いので、塾などに通っていない生徒は、手探りになります。情報戦において、これは負けを意味します。近年の入試は、情報戦。早めに塾に通い、情報を得ていたご家庭が笑うのです。その情報を元に、帰国枠入試過去問5年分をもう一度見直せば、いろいろなことが「ハッキリ」「すっきり」するでしょう。  

■理由

 帰国枠入試、特に中学入試では、入試頻出単元が決まっていることがあります。一般入試では絶滅した「○○算」などが、受験用問題集の例題とソックリに出題されることが、まだまだ、あります。そこに「だけ」注目した塾などが、問題の難易度にかかわらず、単元で山をはって、特定単元『だけ』を習得する「直前講習」を実施することがあります。

 1校しか受験しないのであれば、その塾のクラスが、その1校のことだけを考えているのであれば、それでも良いでしょう。ということは、この方法は一般的には良くないとなります。複数校、受験しますよね。

 もちろん、頻出単元の攻略は必要です。でも、その上で、「この単元はもう一度見直そう」「過去問には出ていないけれど、やっておこう」という単元、問題もあるはずです。当然、それらをも攻略しておく。でも、そこでも「問題の難易度にかかわらず」ではなく、取らなければならない問題を優先することが大切です。時間が余れば、さらにその先にと進めていく。でも順番は「取らなければならない問題から」です。当たり前です。入試直前の、1点でも多く得点をする方法を探っている時なのですから。

 そのためにも、過去問の検証で、これは取らないといけないという問題を選別する必要があるわけです。いや、あったわけ、です。私たちが「過去問こそ、最良の問題集」といってきた理由が、ここにもあるわけです。  

■目測

 入試の怖いところは、普段はできる問題が問題量と難問を見て圧倒されて、勢いに押されて「自滅する」ということもありえる、ということ。それは多くの子どもに襲い掛かります。しかも日米間のカルチャーショックをマトモに受けた場合、立ち直れないほどに叩きつぶされます。慣れない電車。聞こえてくる、苦手な日本語。教室では既帰国生を中心に、さも自信ありげな「さっきの問題さあ・・・」的会話。友達も居ない控え室。こういう状況であれば、できる問題を簡単に次々と落としてしまう。いくらこれまで勉強してきたとしても、できる問題を次々と前半で3問も落としていては、勝負になりません。特に帰国枠受験において、一般生と違う問題を出題する学校であれば、ケアレスミスは致命傷です。6割取れば合格ということは、ありません。某中学校の算数など、合格者の平均点が9割ということもありました。「受験における基本」を出題する学校で、6割しか得点できないのなら、それがケアレスミスであっても、基礎学力がないと評価されてしまうわけです。それを回避するための入試実践テクニック、そのための時間配分と問題選択なのです。

 得意な科目であれば、ただ単なるやり直しではなく、時間配分と問題選択を検証するやり直しが第1の「すべきこと」。そして第2は、その中で取らなければならない問題がなぜ取れなかったのかをハッキリさせ、 すぐに取れるようにすること。頻出単元のできる問題、取らなければならない問題から取り組み、時間がある限り進むこと。  

■取捨

 例えば数学・算数の図形問題などで、色々な解法が考えられるのに、一問に付き1つの解法しか覚えていない。それを歯がゆく思う保護者の方がいらっしゃいます。

 でも、それは、『今』、言うことではないのです。今は1問につき1つの答え方でいい。今はその1つを暗記してでもできるようにする。その方が大切なのです。理想論を語ってはダメです。落ちます。視点は、あくまでも合格点を越すことにあるのです。だから問題を見たときに、これは「なにの問題」と認識できないという方が問題です。つまり「暗記不足」が問題。受験勉強が悪者にされるとき、必ずバッシングされる「暗記」。でも、そもそも入試とは、「これ知ってますか?」と聞かれているわけですから、まさに「暗記」しているものを問われているわけです。学校は学者を見いだしている訳ではないのです。合格後、我が校での勉強ができる子どもかどうかを見極めているだけです。似非教育者が「勉強することの楽しさを学んで」などと軽くいいますが、覚えるべき事柄をも覚えられない人間が、高等教育を受けられる資質をもてるはずがありません。

 受験の基本のレベルでも良い。解法が1つしか覚えられていない。それでも良いです。今から別解を考えるなど、現実的ではないのです。

 『でも、親としては不安なので、何とか1問に付きに2つか3つの解法を覚えさせたいのです』などとおっしゃるご家庭もあるでしょう。

 ハッキリ申し上げます。それは今回の入試が終わってからにしてください。その時間は無いです。現状から入試まで、どうやって『力』を最大限に発揮させるかを考えるだけで目一杯のはずです。そうではないと、1点をもぎ取ることなどできません。理想を言っても仕方がないのです。もっといえば、それは、ここにくるまでに取り組んでおくべきことだったわけです。過去を悔やむな、です。  

■記憶

 これまで「変えなければ、変わらない」と書いてきました。今まで右肩上がりの成績であれば、塾など考えていないはず。そうじゃないから、enaを考えたはず。だったら「変わる」という意識をしなければ、成績向上はありません。そう書いてきました。事実、塾に通い始めたにもかかわらず、今までの勉強方法を変えずに取り組んでいる生徒が居ます。成績は、全く変わっていません。

 受験直前に「このやり方で、二年以上やっている。いまさら変えられるか!」とおっしゃるご家庭があります。

 受験直前であれば、今までのやり方は変えないこと。変えて、試行錯誤をしている時間など、皆無です。寧ろ、その影響で、成績は更に下がります。

 ただ、今のやり方では、近い将来、問題が起こる可能性があると、わかっているはずです。目出度く、希望する学校に進学した後、再び「伸び悩み」に直面する「危機感」があるはずです。それは、受験後、考えてください。

 今は、やり方は変えずに、しくじる可能性のある部分を親子で声に出して確認しておく。その問題が出たら、さっき書いた「なにの問題か」を認識するために声に出すといいましたが、計算でさえも「おっ、これは忘れるやつだぞ!」とか、やり方は変えずに、頭に間違える可能性の部分を認識させることで乗り切ったらいいでしょう。  

■未来

 音読の効果についても、これまで書いてきました。海外に生活する子どもたちが、限られた日本語使用時間を濃くするためにも、日々の音読は重要と書いてきました。

 しかし、受験直前において、音読は意味はありません。今やることではない。

 これも算数と同じです。塾でやった過去問を見てみる。取れる問題と取らなければならない問題を選別する。時間のかけ方を検証する。選択はちゃんと消去法でやっていますか?2つの選択肢を残して、どちらかを選んでいますか。答えの正解不正解にかかわらず、消去法で残した残り2つの選択肢に正解があるかどうか。その検証はしてみたかどうか。やっていないならすぐにやる。記述は満点を目指して書いていないか?部分点は意識しているか?問題の選別はしているか?

 受験は、満点を目指すテストではないんです。部分点もある。しかも帰国枠入試においての国語であれば、受験生に求めるレベルは厳しくは無い。100字で書けといわれて、とりあえず100字を書くことを目指していないか?基本は字数制限の8割、つまり100字で書けなら、80字を満たしていれば、字数はOKというのはすでに指導されていると思いますが、80字を満たそうと余分なことを書いていないか、80字を満たすために、文のつながりがヘンテコな解答を書いていないか。

 例えばですが、100字で書けというならば、たいてい文中の別の2つの事柄をまとめて書く問題です。そのうち1つでも正確に書いていれば、半分の部分点があるわけです。解答を見て、この部分はあっているけど、ここが違うということがあると思いますが、 その場合も不確かなことは書かないというのも部分点をもらうためには必要なことです。全部をやろうとしないことが得点を積み重ねる上では大事なことです。

 過去問の利用。必要な点数をとるためには、どういう時間配分で、どの問題を選択して、どこまで時間をかけて解答を書くのかを検討すべき。1週間で読解力が急激に上がることは現実としてはあり得ません。答案をどう作るのかを検証することが大事だし、それを試すために入試演習をするのは良いことなのです。だからこそ、直前講習では、こうした「点数を取るためのテクニック」を教授していくわけです。決して頻出単元のおさらい、などとお茶を濁す訳ではないのです。(そんな塾に通っちゃ、ダメだよ!)

 くどいようですが、中学受験だろうが、高校受験だろうが、過去問を使って、どの問題をどのくらいの時間内で、どのくらいとって行けば、合格最低点になるのかを知ることが最優先です。それによって、単元の復習も別の入試演習も何をすればいいのか答えは自ずと出てきます。  

■我慢

 「母親の心の揺れが息子にかなり影響しているのではないかと心配です」というようなメールを頂くこともあります。例えば、お父様は海外に残り、子どもたちとお母様だけで受験に挑む場合。お忙しいお父様で、頻繁に相談電話ができない。そうなると、お母様のプレッシャーは大きくなります。

 今の動揺は、ここに来るまで、できる限りのことをすべてしてきたと「思えない」ということが原因です。しかし、過去は悔やんでも仕方がないことです。目の前の受験もそうですが、お子さんには受験後にもまだまだ続く道があるのです。動揺をとめるには、できる限りのことを目一杯やったと思う、その「気持ち」だけです。簡単にいえば、これから残された時間、死にもの狂いでやったら良いのです。子どもではありません。親が、です。つまり、必要であれば、お父様と寝ないで話をしてください。お母様ご自身が、お子さまに、死にものぐるいでサポートしてみてください。やれることはやった、さあ、頑張って来い!といえるようにするしか、不安を取り除く方法はないのです。

 過去問の不出来を見て、一番動揺しているのは受験生本人でしょう。点数を見て、大丈夫だよ!なんていうことが子どもの背中を押すことにも、応援することにもならない。(それにもまして、世間では『大丈夫』という言葉を簡単に使う輩が多すぎる!)現状を分析して、取れる問題をどれかを検証して、その問題にはどれくらいかかって、あとどの問題を取りに行くのかを過去問で検証する。その検証結果とこれからの勉強で、こうやって合格点を取るんだということをわからせてやる。今年出る入試問題はわからないわけですが、少なくとも、過去問では合格となるように手を打つことです。

 不安で震えたら、唇をしっかり噛んで震えを我慢し、この不安を止めるために残された時間に、お母さんのすべてを捧げてください。  

■笑顔

 いつも受験生に繰り返すのですが、大事なことは「後悔のない受験を」なのです。それは、受験生だけではなく、受験生を持つ親にも言いたい言葉、なのです。過去を悔やむな、今目の前のやれることをやる!それしかないのです。もうここまできたんです。やり尽くす!!そして、「お前が誰にも負けるはずがないだろう!」そう言って送り出してやってください。

 受験は結果が出て、良かった・悪かったが決まるのではありません。

 実は、子どもを試験会場に送り出したときに、その評価は「既に」決まっているのです。

 

 

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