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2007年7月号 「夏の過ごし方」

■はじめに■

 アメリカでは6月中旬から8月下旬まで(MD州の場合。VA州は8月一杯)長い夏休みに入ります。アメリカの教育制度の多くは、学年・年度の切れ目。9月新学期だからです。現地校の勉強は一息ついて、9月までの宿題は殆どありません。(公立の場合)

 この期間、一時帰国するご家庭やご旅行されるご家庭など、様々です。また4月に赴任したお父さんを追いかけて、家族が渡米する集中期でもあります。また、「そろそろ帰国も見えてきたし、日本の勉強もしなきゃな」と、意識が変わる時期でもあります。2ケ月もある「時間に余裕がある期間」を、どう過ごしたら良いのか。今回は、目前に迫った「夏」に焦点を当ててみました。(学年は全て、日本の学年です)  

■小学校1年生と小学校2年生  

☆この学年、日本では。。。

 中学受験を意識する学年は、以前では小3後半が圧倒的だったのですが、今は2年生ぐらいが多いそうです。小1・小2の生徒は、ずばり「お父さんやお母さんの構え方」によって、子供達の学習に対する姿勢が様々に別れています。計算だけはきちんとこなしてきた家庭。字だけは、きちんと書いてこさせてきた家庭。五歳冊だけはきちんとさせてきたご家庭。教室で個がぶつかり合うのは、こうした「だけ」という視点が各家庭で違うからです。そんな視点をもとにした夏を過ごす学年、でしょうか。しっかり勉強グセが付いている子供・ご家庭は、問題集をこなしたり、絵日記を書いたり、様々な学習体験を積み上げていきます。ご家庭によっては、学習体験よりも生活体験・体を作ることということが優先され、キャンプに参加したり旅行に行ったり。どちらも否定するものではありません。どちらでも、子供達には「得られるもの」があります。  

☆enaでは。。。

 通常授業において、早期英才教育をうたうenaでは、既に「磨き」をかけています。例えば小1の算数では、既に小1内容の多くは終了し、応用問題ばかりを繰り返しています。(Aクラス)小2の国語でも、文章を扱う問題を多くしていき、短文作りを習慣化させています。これ無くして、作文はありえません。「兎に角書かせて、書くうちにうまくなる」などということをいう指導者は、指導力・学習計画の無い証拠。enaで勉強することは難しくて大変なことだけど、楽しくてためになる。子供達が、そう感じてくれるように担当は熱誠指導を展開していきます。5日間しかない講習でも、このことは中心軸になります。  

■小学校3年生  

☆この学年、日本では。。。

 例えば四谷大塚予習シリーズも、小3から入試問題への取り組みを意識して作られています。他にも灘やラサールを受験する子供達のために「最高レベル問題集」があります。これらは小1からシリーズが作られています。小3からは中学受験に向けて「走り始める学年」ということになっています。それならば、という夏であるべきです。  

☆現地校に通う、いずれ帰国を考えている生徒は。。。

 計算が出来ても、日本の算数は出来ません。文章題、図形問題などがあるからです。「うちの子供は現地校でも算数は得意だから」とおっしゃるご家庭に限って、日本の勉強が伸びない。分かっていらっしゃるご家庭は、既に3年生から日本の勉強にしっかり取り組んで行かれる。国語学習の比重を重くして、その力で算数をこなしていく。先を見越した学習計画を立てられて、そんな夏を送られる。

☆enaでは。。。

 メイン教材を中学受験準備の教材で定評のある四谷大塚予習シリーズとし、徐々に受験モードに入っていきます。講習では前期の復習と後期の先取りという、他の上位学年にも共通するパターンでこなしていきます。例年見ていると、講習の10日間で「感覚」を養えた生徒が秋からグンと伸びています。算数のコツをつかむ生徒。国語の読解のきっかけがつかめた生徒。そんな生徒が居ます。  

■小学校4年生  

☆この学年、日本では。。。

 日本での4年生は知的好奇心の高低で大きく差が出る時期です。漢字にしろ算数の文章題にしろ興味を示す子供はグングン伸びていき、知的好奇心の薄い生徒はだんだん勉強に対しての苦手意識が産まれます。勉強嫌いが始まるのもこの時期が最初といえます。毎日の勉強習慣を付けられるかどうかが重要な鍵となるでしょう。また中学受験を考えるのであれば、この時期からスタートし、大量の暗記を効率よく行う力を付けるべきです。夏は、それが最も効率よくスタートできる時期ともいえます。  

☆現地校に通う、いずれ帰国を考えている生徒は。。。

 頭の柔らかい小学生にとって、海外体験は大きな影響力を持ちます。こうした貴重な体験は思考力に幅を持たせてくれます。中学受験を目指す子供にとってはもちろんのこと、受験を考えていない生徒にとっても精神的成長をなす一つの機会となります。現地のサマーキャンプなどには積極的に参加し、今しかできないことをさせてあげることも大切です。これと同時に日本語の力が落ちていくことを防ぐために、読書や日本語で物事を考える習慣も維持させておきましょう。

☆enaでは。。。

 具体的な受験問題に取り組みます。算数であれば基礎的な計算力の向上や、国語ならば正しい音読の仕方、問題文の解き方、漢字の覚え方などをミッチリ学習します。受験学年以外は、サマーキャンプに参加したり旅行に行ったりしても履修しやすいように前期と後期のどちらかをチョイスすれば良いように設定してあります。無理なく無駄なく効率的に過ごせる夏を目指します。  

■小学校5年生  

☆この学年、日本では。。。

 5年生の夏は「受験か否か」で、その過ごし方が大きく違ってきます。受験をしない生徒でも、難しくなる算数の総復習のために夏期講習だけ塾に通ったり、中学進学を考えての英語の準備を始めたりします。受験する生徒であれば夏期講習に通い、受験レベルでの基礎力育成、応用問題を解くための発想力を身につけ始めます。実際この時期にうまく流れを作れた生徒であれば、難関校合格率は圧倒的に高いといえます。  

☆現地校に通う、いずれ帰国を考えている生徒は。。。

 受験を考えている場合は何はともあれ夏期講習に参加し、受験レベルでの基礎力が完成するように勉強して下さい。あわせて、受験までの計画を親子でじっくりと練り、学校選びを念入りにして、弱点補強と得意分野を伸ばすこと。一時帰国を利用して学校見学をしておくこと。また、受験をしない生徒であれば、兎に角日本語能力が落ちていることを自覚し、その予防策を考えましょう。新聞が読めるように語彙を増やすことも大切です。また、算数のレベルも日本の5年生レベルになるように最低限のことはやっておきましょう。

☆enaでは。。。

 選抜科では、日本国内の塾と変わらない「先取り・要点を絞った全分野復習」を夏期講習で行います。特に算数に関しては、受験する上でこの時期に是非完成させておきたい「正確かつ素早い処理能力」を徹底指導します。また、受験をしない生徒には、本科において帰国枠を利用した受験が可能なレベルの読解力の育成や、計算練習などを中心に、「基礎学力を維持するために不可欠な学習内容」を繰り返し練習させていきます。この後、応用レベルまでこなし、中学進学を念頭に置いた指導をしていきます。  

■小学校6年生  

☆この学年、日本では。。。

 教育熱の高い地域では、受験をするしないに関わらず、多くの6年生が塾に通っていると言っていいでしょう。公立中学進学後、「内申点がどれだけ取れるかで勝負が決まる」とまでいわれる推薦入試準備が始まるからです。中1からの内申点が推薦入試に直接影響することは希ですが、スタートで躓いた状態では、入試に必要な「中2の2学期からの内申点」を高く揃えることは難しいといえます。それ故、受験を考えていない6年生であってもできるだけ高い目標で学習するのです。また、中学受験を希望する生徒であれば、夏に頑張った生徒の希望校合格率は確実に高まります。逆に怠けた生徒は秋以降必ず苦戦するといっても過言ではないでしょう。  

☆現地校に通う、いずれ帰国を考えている生徒は。。。

 受験をしない生徒に関しては、国語の力を向上させて下さい。国語は全ての教科の土台ともなります。新聞を読みこなせるだけの語彙力をつけたり、中学進学後に要求されていく記述力を伸ばすため作文を書いたりして、日本語文章になれていくことが大切です。受験生に関しては、帰国枠といえども入試レベルでの全分野において、少なくとも一通り理解し、暗記することが大切です。思考力は知識という土台があってこそ、成り立っているのです。また夏あたりから過去問に取り組み始めたり、実践力を意識しましょう。これらは中学受験だけではなく、進学後、大学受験までの勉強方法確立にもつながっていることを忘れずに。  

☆enaでは。。。

 受験生は日本国内と互していけるような、先取りや要点を絞った全分野総復習を夏期講習で行います。算数に関しては「発想・図の利用・立式」などがパターン別に演習され、受験での得点源でもある「計算問題・一行問題」の完全演習を行います。国語も中2レベル相当までの記述問題を目標とし、指導します。受験しない生徒でも、読解力育成や作文指導、計算力アップから文章題まで、中学進学がスムーズに移行できるカリキュラムを用意しています。  

■中学校1年生・中学校2年生  

☆この学年、日本では。。。

 推薦を取るために、内申点向上の努力をしています。特に中2であれば加えて私立高校受験用の勉強を始める時期といっても良いでしょう。狙っている高校がある生徒は既に受験勉強に取り組んでいます。応用レベルの問題集や塾のテキストと学校の教科書のレベル差に気が付いている人は、それなりの準備をしているものです。高校受験には「早すぎるスタート」というものは存在しないのです。  

☆現地校に通う、いずれ帰国を考えている生徒は。。。

 高校受験を考えているにせよ、編入を考えているにせよ、普段は時間がとれない「広い範囲の復習」を考えるべきです。ケアレスミスも実力のうちと考え、これまでの学習範囲を完成させることです。国語の語彙力は、他の学年同様、全ての教科の土台となるので手が抜けませんし、さらに中学生ともなると語彙レベルは数段上がっています。漢字・ことわざ・故事成語・慣用句などは問題文の鍵となることも多いので、手が抜けません。記述力も英語の力と反比例して落ちていることに気づいて下さい。地道な努力をするしかない時期なのです。  

☆enaでは。。。

 土曜日選抜科の授業カリキュラムは中2末で中学3年間の内容が終了するように組まれています。夏期講習もこれに準じて、入試を意識した内容になっています。中1は夏期呼応州で中1内容の殆どが終了します。どちらの学年も、早めに該当学年の学習単元を終了させ、入試問題演習に取り組む時間を多くしようとしているわけです。秋からの学習をスムーズに移行させるためにも、夏は必須です。  

■中学校3年生  

☆この学年、日本では。。。

 難関校志望者であれば、ひたすら入試問題をベースとした「実戦訓練」が中心となります。夏期講習はもちろんのこと、勉強合宿まで参加する生徒が多くいます。夏を征するものは受験を征するとまで言われるくらいですから、ここまでクラブ活動で忙しかった生徒も本気になる時期です。  

☆現地校に通う、いずれ帰国を考えている生徒は。。。

 日本の受験生と同じことをしなければなりません。帰国枠と言ってもほとんどの高校受験の場合は一般受験と同じ問題を解かなければならないからです。国私立高校志望の場合は過去問で傾向と対策を練りましょう。公立高校志望の場合は教科書レベルの問題は全教科・全範囲でケアレスミスがない状態に。  

☆enaでは。。。

 受験生に対しては25日間の夏期講習を用意しています。実践力育成を目指したテスト演習と、テーマ別の授業とで難関校校合格に必要なだけの応用力完成を目指します。普段の生活ではなかなか手の回らない中1・中2の復習も同時進行させます。てんこ盛りの夏。先輩達は皆、この夏を乗り越え、志望校に合格していきました。彼らに続いてください。

 

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