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2010年06月号 「目標・目的を持って 今を生きる」

■ようこそ、DCへ

 お父さんの赴任が4月。追いかけて5月に家族が渡米。わくわくの現地校生活。どきどきの英語生活。はらはらの毎日。

 でも日本の勉強も忘れちゃいけないよね。補習校にしようかなあ?それとも家庭教師かなあ?英語の勉強を見てもらうのが先かな?enaに行った方がいいのかな?前任者に話を聞いたとはいえ、来てみると不安の毎日。迷いの毎日。同じ現地校に通う日本人から「みんなこうしているんだよ!」と聞けば「我が家の教育方針」やら「我が家のポリシー」なんていうものが霞んできてしまったり。。。

 enaに通うって考えたとき、知り合いの日本人から「あら!本気ね!」なんてからかわれたりしちゃった。「え?そんなに勉強しないといけないの?」なんて、チョット先の将来の自分に不安を感じたり・・・一方で、日本の受験事情と現状を冷静に比較してみれば「やらなきゃマズイよなあ」と思いつつも、毎日の生活に追われる現実にため息しか出なかったり。日本の友達とスカイプでチャットしている我が子。その口から「▲▲に行きたい!」なんて、無謀ともいえる難関校を受験すると言ったり。。。こうなると、ちょっと先の親子バトルを予感したりして。

 いつもながらの「子どもを犠牲者にしないで!」という趣旨ではあります。でも、新しく赴任された御家庭にもう一度、親はどう接していけばいいのか?を考えていただくきっかけを作っていただければと思って。。。

■不安がっている子どもへのコメント

 もし我が子が「トンでもない」ようなレベルの難関校を目標とすると豪語し始めたら、どうしますか?「無理無理」と諦めさせますか?  高校受験の優遇措置は首都圏でも全体の2割以下。編入も欠員募集で不安定。中学受験だって、すべての学校が枠を持っているわけではないし、英語が出来たら合格という学校は極端に少ない。地方によっては一般受験だけだから、日本の子どもと同じ事を準備しなければいけないのに、当地では「の〜んびり」と時間が過ぎ、日本の勉強は「とりあえず漢字は読めるしぃ」でオシマイ。

 まずは子どもが「不安がっているか」という点に注目しましょう。自信たっぷり、こちらの言うことにも耳を貸さず、やりたいことをまっすぐやっているというのなら、多少の苦言は必要。現実も見させないと失敗へまっしぐらということもあります。ただ不安がっているのであれば、事実を突きつけることが逆効果になる場合があるということを、親は知っておくべきです。つまり、怖気づいてしまって、頑張るのをやめる場合があるということです。親としては、日本の受験をするならば、覚悟をさせたい。厳しい現実を自覚させようと意図しただけのこと。でも、そこで脅かしすぎて、子ども自身が引いてしまっては、元も子もありません。

 つまり「不安がっている子供」であるならば、『選択肢を与えてやる』にとどめておくべきです。「日本への進学については、こんなやり方があるよ」「こんな方法もあるらしいよ」「今だったら、これをするか、これをするかだよ」というようなかんじです。

 もちろん一番大事な点は駐在期間。そして現在お子さまは何歳かということ。これらから「言語習得にかかる時間」や「日本への受験の種類」などが決まります。英語がモノになるのかどうか。そしてそれが受験に有利に働くのかなどということです。そしてこの2つの要素から「今」最も考えるべき事がある程度限定され、そしてそこから、御家庭が求める進路方向を見、そこに向かうルートのうちの幾つかを子どもに見せてあげる。それで十分です。不安なんだから、責め立てる必要はありません。あとは一歩一歩目標に到達していることが自覚できるようなシステムを構築してあげてください。それだけで、不安は解消できます。  

■子どもを誘導するということ

 先人のつとめ、とでも言いましょうか。大人の役割、とでも言いましょうか。子どもを正しい方向に導くのは『子育て』ということです。先日某学校の先生とお話ししているときにお聞きした「子育てとは子どもを社会に適応する人間にしつけること」という言葉が、とても心に響きました。そうであるならば、現在子ども達がおかれている特殊な環境を、まずは周りの大人が先入観無く、正確に把握しなければいけません。そして適切な選択肢を用意しなければなりません。日本という社会に戻るために、今、何をしておくべきか。その選択肢を。

 現地校をがんばる?日本の勉強をがんばる?不安に思っている子どもであるならば、まずは「何に対して不安なのか」を見極めなければいけません。

 「毎日の生活に不安」ということであれば、まず何よりも先に「英語の力を身につける」ということになります。友達との会話がキチンと出来るように。先生の指示がキチンと聞けるように。現地校の宿題が自分一人で出来るように。

 「日本への進学が不安」ということであれば、どんな受験なのかを考えさせましょう。中学受験、高校受験、大学受験の違い。一般受験と帰国枠受験の違い。そして、そこからどんな選択肢があり、その選択肢を選んだときには何をしなければいけないのかをキチンと説明してあげましょう。

 日本の勉強に不安があり、選択肢として「今からenaに通ってがんばる」と「とりあえず帰国3ヶ月前まではがんばらなくていい」という2つを用意したとします。不安がっている子どもの場合、当然「がんばらなくていい」という選択肢に魅力を感じます。「どうやったら、がんばらなくていいの?」などと、聞いてくるかもしれません。そうしたらそのときに、こう言うのです。『早い時期に、合格圏内に入れば良いんだよ』と。早めに余裕をもってしまったら、それ以降は頑張らなくても良いんだと教えてあげるわけです。

 ここでいう「早い時期」とは、少しあいまいな表現にしました。というのも、志望校と現状の差によって変わってくるからです。まだまだという状況で、「3ヵ月後に合格圏内に入るように」なんて、提示しようものなら。「じゃあ、無理だ!」と簡単に諦めてしまいます。これでは、意味がありません。ニュアンスとしては、日本の進学塾であれば常套句ですが「勉強に早すぎるスタートは無い」「日本の勉強は難しいから今だと思ったときが始めるとき」というような、「現状から、できるだけ早い時期」とお考え下さい。

 つまり、帰国直前・受験直前に焦って頑張るよりも、先に頑張っておけよと提示してやるだけのことです。  実際のところ、本当に直前に頑張らなくていいのか?それは、心配いりません。そのときは、そのときで頑張らせる訳ですから。ここで、親として大切なのは、将来を不安がる子どもに対して、『まずは、今やるべきことを頑張れよ!』とアドバイスすることなのです。

 ただし、この「選択肢を与える」のところで気をつけることがあります。それは『究極の選択』をさせないことです。1つは「今」となると、すぐに「何はともあれ現地校の勉強を」とされることがありますが、必ずしもそうではありません。場合によっては現地校の勉強をセーブさせ、日本の勉強にシフトしなければならないこともあります。それは色々な要素が絡んで決定することです。だから簡単に、究極の選択の一つである「ま、現地校の勉強をがんばろうや」としないことです。もう一つはすぐにカッとなって、「じゃあ、勉強するか、しないか。しないなら一生しなくても良い!!」と捨てセリフ状態での究極の選択肢を与えるケース。これは説明不要ですね。

 「選択肢を与える」という言葉の意味を理解した上で使ってください。そして「今を頑張る」ということも、これまで話をしてきた「刹那主義」というものとはレベルの違うものだと言うことも、理解してください。これを読まれている多くの方のお子さんは、永住する訳ではないでしょう。現地校の生活は一時的なものであるはずです。そうであれば、貴重な体験と日本への進学を天秤にかけなければならないこともあるはずです。ご家庭によって、日本への進学は貴重な体験より軽いとされる場合があるかもしれません。その場合は、enaは不要。選択肢も決まります。でも、日本への進学という選択肢をとったご家庭であるならば、「今」すべき事は決まっているし、そこから先の選択肢も決まっている。問題は、そこへ、子どもをどう誘導するかということだけのはずです。それを忘れずにいてください。そうすれば捨て台詞をはかずに済むはずです。  

■口先三寸

 さて、次は不安ではなく、逆に難関校を、しかも一般受験するとまで言い出した場合への対応です。一般受験だけではなく、編入も入れておきましょう。ポイントは「有名難関校」であること。帰国生に理解があり、受験者のほぼ全入がみられる学校は別。そうではなくて、帰国枠最難関校であったり、片手しか合格者が出ていない編入試験だったりという場合です。

 このケースの場合、たいてい以下の相談が多く届きます。「今から、間に合うでしょうか?」というかんじです。この相談は、非常に困ります。なぜなら、お子さまの現状(いまの学力とか)を私たちが知らないのに答えようがないですから。

 ただ、親としての「なんとかしてやりたい」と願う気持ちは、よくわかります。我が子が突然、「難関校に行きたい!」と言い出すことは、親にとってまんざら悪い気はしません。現状とのギャップはどうであれ、「上昇志向を持つ」のは、親にとってうれしいことです。

 でも、喜んでばかりはいられません。そうと決まれば、さっそく受験の準備に取りかかります。そもそも受験資格はあるのかどうか。帰国枠の有無。優遇措置なのか否か。過去問を見て、我が子が自力で対応できる問題なのか。親がかかりっきりになれば何とかなるものなのか。補助教育機関に頼るなら、どれが良いか。

 そして受験勉強が始まります。グングンと成長していく我が子を見れると、期待マンマンの親。一方、難関校の受験を宣言した本人はというと・・・  

 『まったく、やる気ナシ』

 難関校受験を宣言はしたものの、変化なし。これまでと同じようにゲームをし、まんがを読み、スカイプでチャットをする毎日。ちょっと小言を言おうものなら「現地校が忙しい」と反撃。両立は大変だと承知の上での難関校受験ではなかったのか?親からすれば、オレオレ詐欺に引っかかったような気分。

 親からすれば、「?!」とお思いになるかもしれませんが、子供の難関校受験宣言は、  

 『なんとなく、行きたいかなぁ〜』

 程度のものだったりします。ましてや海外の子ども達は日本の現状を知らずにいます。首都圏の小4の通塾状況。中学生の忙しさ。学校の教科書を使っての受験勉強が可能かどうか。その状態で「思っただけぇ〜」ということ。私たちからすると、子どもなんて、そんなモンです。

 ここで問題なのは、子どものいい加減な宣言ではなく、それを聞いて動いたお父さん・お母さんの対応です。親にとってうれしい発言だとしても、子どもの発言に舞い上がらないことです。もちろん、ステップアップするチャンスであることには違いありません。でも、例え子どもの気持ちが本気であっても、すぐに「塾探し」などと飛躍をしないことが大切なのです。ここでも、前半にお話した『選択肢を与えてやる』ということが、大切です。

 ここでの選択肢は、「難関校を目指す」と「難関校を目指さない」という選択肢になります。選択した場合、日々の生活がどう変わるのかを教えてあげないといけません。例えばenaの体験授業を受けて、宿題に取り組んで、実際にどうかを考えさせなければなりません。親として、トライさせたい気持ちがあれば、難関校の良さについて本人に伝えなけばなりません。そのとき向いている方向が日本であるかどうかも大事なところ。「現地校の勉強を一生懸命やれば合格するのよ」という「まやかし」を使ってはいけません。それは事実ではないから。そうではなく、苦しいけれど、やればこうなる。楽しいけれど、やればこうなる。そういうことをしっかり話してあげてください。その上で、お父さん・お母さんが思う「難関校の良さ」について、しっかり話してあげてください。

 すると、子供は、「難関校を目指す」という選択肢にグッと魅力を感じます。その上で、『条件を提示』してください。いくら子どもが熱烈に希望しているからといって、すぐに塾を探すのでなく、まず「あるハードル」をクリアしてからという条件にするのです。

 ハードルは何でも結構です。enaの学力診断テストを受けさせても良いでしょうし、 問題集を1ヶ月で仕上げるでも良いでしょう。大事な点は「頑張るかどうかわからない状態」でenaに入塾するのではなく、「頑張った上で入塾させること」に意味があるのです。その方が、本人だってその気になりますし、子どもの発言の真意についても、より正確に把握できるはずです。

 子どもにアドバイスする際に、親として大切なのは、

 『まずは、今やるべきことを頑張れよ!』

 ということなのです。これは、すでに塾に通っている方にもあてはまります。すでに塾に行っているお子さんの「難関校宣言」の場合も、親は喜び勇んでその発言に飛びついてはなりません。飛びつけば、すぐに「あんた、▲▲学校に行きたい!と宣言したわりには頑張ってないねえ〜」などと▲▲学校を基準にした発言をしてしまいがちです。もし子どもが軽い気持ちで口にしたことを基準に、話を進めていくと、その発言は子どもをどんどん潰していくことになりかねません。

 また、現状を認識できない子どもも居ます。偏差値40の子どもが御三家!といっているようなケース。偏差値30の子どもが「自分の成績って100人中でいえば、1番じゃないけど、10番には入っているかなあ」と本気で思っているケース。実はここにはお父さん・お母さんがおっしゃる「うちの子はバカではないと思うんです」「やれば出来る子なんです」というのも入ります。これらは全て「今やるべきことが出来ていない」状態です。客観的な成績把握が出来ていないし、それを認めようとしていない。ろくに勉強していないのにも関わらず、悪い成績は嫌だと思っている。最後は「どうやって勉強するか分からない」と暴れる。お父さん・お母さんは必死に教えたりしたけれど、実は子どもは一度も必死になったことは無い。そんなケースも、やるべきことが出来ていないケースです。  

■最後に

 「今」、やるべきこと。意識していますか?もう一度、我が家の方向性を考え直しれみてください。子ども達の選択肢を考えてみてください。

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