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2004年3月号 「面接試験の色々・その2」

今月は、保護者面接を中心に考えます。中学入試であれば保護者面接が実施されているところもありますね。高校受験以上は関係ないかもしれませんが、例えば志望理由などについてなどは参考になることがあると思います。では!

■試されていることを忘れずに■

面接官:「お父様方はお仕事がお忙しいと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか」
父 A:はい。現在一番の興味が仕事でありますように、接待に追われる毎日でございます。特に予定がないときは子どもにはかわいそうですが、身体の休息に費やすことが多くあります。
父 B:私も平日子どもと接する時間はごくわずかです。そのため、休日はできるだけ一緒に過ごせるよう努力しています。現在は、朝のマラソンと朝食作りを、私と子どもの週一回の楽しみとしております。

<ここがポイント>
 父Aの返答では父親自身のことばかりであり、子どもとの関わりや、家族に対する思いやり、父親としての自覚などを伺うことができません。家庭の経済的基盤が安定していることは察することができますが、教育や躾に関する夫婦間の協力や家族を支える父親の役割という面においては評価しがたく、良い印象を与えることはできないでしょう。特に帰国子女の家庭では家族の結びつきの堅い家庭が多く見られ、父親も積極的に子どもの教育に参加しています。例えば帰国枠入試で父Aのように返答してしまうと、悪い意味で目立ってしまいます。  

■そつないことは良いことではありません■

面接官:お父様から息子さんへ、どんなことを伝えたいですか?
父 C:誰からも愛されるよう、優しく素直な心を持つ、ということです。
父 D:電車やバスに乗ったとき、「男は絶対に座らず立っている」ということです。
面接官:Dさん、それはどうしてですか?
父 D:はい。私は小さい頃から私の父にそういわれて参りました。今も実行していますが、揺れる乗り物の中でも体のバランスを崩さず、自分の足で立っているという気持ちが、色々な場面で役立つ気がします。小さい頃から身体で訓練しておくことはとても大切なことだと思います。

<ここがポイント>
 父Cは簡潔な答えであり、しかも親ならば誰もが願うような気持ちです。一見良いように思いますが、絶対にいけません。具体性に欠けるのです。無難に思える応答内容では、親の教育方針や人柄を強く印象づけることができません。面接は受験者の人柄を見るものです。おきまりの答えを聞く儀式ではありません。特に帰国枠入試の場合は一般入試の面接よりも長い時間実施されます。それだけ深く観察されるわけです。父Dの場合は何気ない話の中にも父親の人生観や生き方を除かせるものがあり、堂々としていて、頼もしくさえ感じることもできます。特に取り繕ったものではなく、日常生活の中で実践されておりそれを子どもに伝えていきたいと考える父親の人間性に学校は注目します。  

■テーマ面接「生命の尊さ」■

面接官:学校で小鳥を飼っていますが、お子さんが飼育当番の時に小鳥が死んでしまったら、どんなことをお子様にいわれますか?
父 E:「かわいそうなことをしたね。みんなで可愛がって、一生懸命お世話したんだろう。」と言い、小鳥や生き物たちは人間と違って口がきけないから良く気遣ってあげなければならないこと、折を見て餌の与え方、水の与え方など細かい点について取り上げ、話して聞かせます。子どもにも具体的ににどんな風に飼育をしていたか聞いて、その飼育法が適当であったかを確認します。
父 F:「かわいそうだったね。でも一生懸命育てたので小鳥も嬉しかったと思うよ。」と言って子どもを慰めてあげます。

<ここがポイント>
 小鳥が死んでしまってがっかりしている子供心を気遣う親の気持ちは皆同じですが、父Eは子どもに対して「生命の尊さ」を感じさせ、考えさせようとしています。こういった質問に対してまごついたり、感情の成り行きで判断することの無いようにしたいものです。その点において父Eは冷静で人間性の豊かさを感じさせるものがあります。一方父Fは「子どもがどんなに傷つくだろう」と我が子を慰めるための言葉がけにしか感じられません。何気ない返答から日頃の子どもへの接し方、父親の教育観などを推察されていることを忘れないでください。「生命の尊さ」などは近年、どの学年においても入試頻出重要テーマです。今年の男子立教池袋では「礼儀」が面接テーマになりましたし、男子の学習院では国語の作文テーマが「他の人にしてあげたいこと」というものでした。こうしたテーマは本来幼児期において親が繰り返し指導していくべき重要テーマです。そのことを念頭に置き、つね日頃から家族同士で話し合う機会を持つことが大切です。

■どの学年の入試にもありえる標準問題■

面接官:本校を志望した理由についてお話下さい。
父 G:貴校の教育方針に賛同いたしまして志望いたしました。
父 H:まず学校説明会において校長先生よりお話しいただきました教育目標が英才教育だけではなく調和の取れた人間教育であるという点に感銘いたしました。日頃から我が子に愛情豊かな心の広い人間に成長して欲しいと願い育てて参りましたので、大変心強く思いました。以上の点から入学を希望いたしました。

<ここがポイント>
 単に教育方針を鵜呑みにして答えても、これでは数多い学校の中から何故選んだのかという重要な点が不鮮明です。簡潔にといっても、受験者にとっては入学したい熱意を学校側に伝える絶好の機会です。海外にいると学校見学や説明会に参加できる機会は少ないですが、それでも学校案内などを参考に教育方針や校風に対しての理解を深めておくことが肝心です。また、在校生などで知り合いがいれば、こまめに話を聞いておくのも参考になります。今では海外にいてもインターネットの掲示板でも情報が集められますね。大切なのは、家庭の教育方針と照らし合わせて、どの点について共鳴したかという具体的な返答をすることです。「一貫校だから」「キリスト教だから」「英語教育が充実しているから」「家から近いから」程度ではあまりにもお粗末です。  

■忙しいお父さんに警告■

面接官:お子様が頼もしく思えたり、成長したと感じたりするのはどんなときですか。
父 I:仕事が忙しくて顔を合わせる機会がほとんど無いものですから、寝顔を見て顔つきがしっかりしてきたなあとか、たまに食事を一緒にしたときに食べっぷりが良くなったなあと感じますので、それが成長していることだと思います。
父 J:平日はゆっくり遊んだりする機会が少ないので、休日にはできるだけ一緒に過ごすように心がけています。そのような折りにはキャッチボールやサッカーの相手をしますが、受けたボールの速さや強さを手のひらで感じたときや意見や注意をしたときなどにハイと聞き入れていたのが、ある日自分の考えを言い返してきたときなどは身体だけではなく精神的にも成長していることを感じます。

<ここがポイント>
 父Iの場合は日常生活中でたまたまそのような子どもの姿を目にしたという印象が強く、父親が積極的に子どもとの関わりに努力している様子をうかがうことができません。子どもに関する質問に対して「仕事が。。。」と返答しているのは言い訳がましく、良い感じを与えません。それよりも子どもへの気持ちの向け方、関わり方を具体的な言葉で説明することが大切です。育児については母親任せではなく、父親としても協力し役割を担っているかどうかについても面接官は注目しています。父Jの場合、父親と母親の協力や役割分担がきちんとなされ、健全な家庭の様子が分かります。父親が子どもの興味や成長を注意深く観察し、対応していることなどから、努力を惜しまぬ父親の教育姿勢や家族のリーダーとしての父親の魅力を感じることができます。  

■帰国枠入試でも良く聞かれる例■

面接官:どんなことに気を付けて育ててこられましたか?
母 A:一人っ子なので、なるべく近所の友達と遊ぶ機会を作り、我慢すること、協力することを教えてきました。また、自分でできることは自分でさせるように年齢相応に注意して参りました。
母 B:祖父母と同居のため、家にいると甘やかされてばかりいますから、なるべくお稽古ごとなど、外に連れ出すようにしたことと、私だけは、我が儘は絶対に許さないといった態度を取って参りました。

<ここがポイント>
 海外生の場合は「海外で子どもを育てるときに気を付けたことは何ですか」というような質問になります。もちろん言葉の問題について気を付けていたということが中心になることが多く見られますが、それだけではあまりにもお粗末です。例えば母Aの場合、友達との遊びを通じて社会性を身につけること、自立心を養うために注意してきたこと、生活習慣の自立に気を配ってきたことなどが、母親らしくわかりやすい言葉で述べられています。日頃考えて実行していたことがそのまま言葉になって出てきたという感じがあり、母親のゆとりあるしつけ、明るい家庭環境を察することができます。慣れない海外生活ではストレスばかりがたまり、しかも日本の勉強と現地校の勉強に追われる毎日ではゆとりを持った教育など難しいなどといってはいけません。母Bからは母親の主体性の無さを感じさせ、祖父母同居を悲観的にしか捕らえることのできない、母親としての無能さを見せつけるような結果になっています。海外生活に対しての考え方も、長所短所を冷静に受け止め、長所は取り入れ短所は家族で補っていくようにしたいものです。  

■親の人生観を探ろうとしている例■

面接官:ご自分の時間はどのように過ごされていますか?
母 C:家事に追われていますので、自分のためにゆっくり過ごすことは殆どありませんが、強いていえばお菓子作りや時には編み物などをして過ごしております。
母 D:下の子どもがまだ小さいですので、殆ど子どもが眠ってから自分の時間になるのですが、新聞を読んだり、本を読んだりしております。また学生時代からボランティア活動を続けておりますので、月に何回か老人ホームや身障者の方々の施設を訪問しております。

<ここがポイント>
 この質問で学校が知ろうとしているのは、母親の人生観です。実際問題として母Cのように子供を持つ母親は育児にその殆どの時間を費やされてしまうことでしょう。しかし、その中で女性として、社会人としての意識をもって日々の生活に努力が傾けられているかを面接官は探ろうとしているわけです。決して立派な子育て論を論ずる必要はありません。親の賢明な生き方を示すことが重要なのです。このような点を心得、時々両親が自分たちの時間の過ごし方について話し合う機会を持つようにして欲しいものです。母Dの返答の中からは、多忙な中、社会にも目を向けて行動的な母親の姿勢が感じられます。例えばボランティア活動に参加してその様子を家庭で話し合ったりすることにより、責任感や思いやりの心を子どもに伝え、育てることができると考えられませんか?このように、母親が視野を広く持って社会に貢献していることから、母親の豊かな人間性、理想的な家庭像が浮かび上がってくるのです。  

■最近注目の「家庭での躾」■

面接官:お子様は食べ物の好き嫌いがありますか?
母 E:多少ございますが、上の子がなんでもよく食べるのでそれを見習って頑張っております。嫌いなものを避けたり、特別の配慮をしなくても何でもよく食べてくれます。
母 F:肉料理などは喜んで食べるのですが、野菜、それも生野菜が嫌いです。もっとも主人が小さい頃、野菜類は嫌いだったそうなので似たのだと思います。ただジューサーにかけて野菜ジュースにしたり、細かく刻んでハンバーグに入れたりして工夫しておりますので、必要な栄養はとれているはずです。

<ここがポイント>
 母Eからの返答からは、子どもの躾に対する自信を伺うことができます。過保護にしたり、甘やかしたりすることが無く、一貫した態度で子育てを行い、兄弟とも健康でのびのびと育っていることが感じられます。このような質問を通して、母親の家族に対する健康管理、子どもへの躾、教育方針などが観察されます。また母Fの家庭のように、子どもが食べ物の好き嫌いのある場合、要因は色々考えられます。家族そろって食事をする機会はどのくらいあるのか。楽しい雰囲気で食事をしているのか。子どもの運動量はどうなのか。これらの様々な条件を考え、日常生活に改善、工夫が必要です。母Fのように、子ども中心のメニューを考え、彩りよく盛りつけるなど目先のことばかりに囚われていては、益々子どもの我が儘を認めることになってしまいます。このようなことから、母Fの躾に対する基本姿勢を問われることになるのです。  

■両親の間で意見が違う???■

面接官:ご主人と何か意見の食い違ったときは、どう対処なさいますか?
母 G:私どもでは、仕事においては主人、家庭内のことや子どもについては主に私が責任を持ち生活しております。仕事のことに口出しはしないようにしておりますし、家の中のことは私に任せてくれております。ですから、食い違いが生じた場合にはお互いの言い分を申すようになると思います。もちろん主人の意見も聞きたいと思います。
母 H:はい。私どもでは日頃から会話を多くするように心がけております。時々意見の食い違いはございますが、突き詰めて考えてみますと同じ視点に立っていることが多いようでございます。今後も色々なことで、食い違いは起きると思いますが、主人はいつも私の考えを理解するよう務めてくれていますし、私も主人の考えを尊重しています。何よりも積極的に話し合い解決するという方針でおります。

<ここがポイント>
 母Gは家庭における役割分担が良くできていて、一見理想的なように見えますが、家庭をリードする父親の力不足、自己主張の大変強い母親という印象が強く、夫婦間の協力を感じ取ることができません。実際に母Gのような役割分担のある家庭も多いかもしてませんが、そんな場合でも、父親を立てる母親の謙虚な姿勢がよい印象を与えることになります。また、どんなことでも話し合える明るい家庭環境を心がけることも大切です。母Hの返答からは、円満な家庭であること、教育方針についてもしっかり確立していることが分かります。母親の意見、父親の意見を尊重試合、認め合おうという点では、両親の人柄のよさを感じます。このような両親であれば、子どもの情緒も安定していると推察でき、学校生活で何か起こっても、家庭の協力を得られると面接官は判断するのです。

 

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