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2003年5月号 「親が小学生の勉強を見るとき。その考え方と方法を押さえよう!」

■プロローグ■

 学校や塾で成績向上には何が一番効果的なのか、という話題になると「家庭の協力が不可欠よ!」ともいわれます。この「協力」とは何でしょうか?もちろん、それは家庭学習をさせて欲しいと言うことではあります。しかし、親が子供に教える勉強とはどういうことなのでしょうか?学校や塾で、他人から習うものとどう違うのでしょうか。特に中学受験は、帰国枠受験であっても、「親の受験」といわれます。「親次第」とさえもいわれます。そうなると、親が子供にどんな勉強をさせるべきか、また、してはいけないことは何なのか、把握しておく必要がありそうです。  

■なぜ、家庭学習が必要なのだろう?■

 塾に通っていても家庭学習が大切といわれますが、どういうことでしょう?普段は学校や塾で勉強して、週末は家庭学習というのでは「一日中勉強ばかりじゃないか」と文句を言う子供もいることでしょう。また親の気持ちとしては、高い授業料を払っているのに家庭学習までしなければならないとはどういうことなのか、学校や塾では何をしているんだと言いたくなりますね。
 しかし現実問題として、家庭学習をしっかりやっている子供は、確かに成績もいいし、望みの学校に進学している例が多いのです。結論を言ってしまえば、正しい家庭学習方法に基づいて学習していれば、成績が伸びることは確かなのです。
 では、何がポイントなのか。どんなことが必要なのでしょうか?
 これは塾などの学習カリキュラム・シラバス・レベル設定によるところが大きいのです。というのは、教える側が家庭に期待することが、まちまちなのです。難関中学受験を考える生徒にとってのポイントと帰国枠受験を考える生徒にとってのポイントは異なるはずです。ですから「これさえやればカンペキ」とか「ここまでやれば十分」という一般論は作りにくいと言うわけです。そうはいっても家庭としては「やらなくてはイケナイのに何をして良いか分からない」と思われることでしょう。
 家庭学習は、スポーツでいう自主トレのようなものです。この自主トレのテーマは2つ。理解と訓練です。学校の授業からドリル的な時間が減らされているのはご存じのはずです。ましてや海外にいるのであれば、週日は現地校に追われ、週末は日本の勉強を「とりあえず」やるので精一杯。訓練する時間など無いとおっしゃるご家庭も多いかと思います。しかし、日々の生活に流されていたとしても、日本に帰国し私国立中学に進学することを考えるのであれば、この訓練こそが家庭学習の中心になるはずです。自主トレもなく、いきなり試合に出場できますか?シーズン本番前にしっかりと体をつくり、弱かったところを鍛え直しておく。新たな技術を身につけておく。体を壊さないようなメニューの組み方が大切です。他人より一歩前進する為には、こうした自主トレの仕方が肝心なのです。  

■最も一般的な訓練のこと『漢字練習と計算練習』について■

 これは、学校でも塾でも家庭に任せたい事柄の筆頭です。理由は簡単。これらの練習には時間がかかるからです。授業料に見合う授業を心がけている塾などでは、訓練に時間をかけることを避ける場合もあります。学力向上を考える学校であれば、週5日制になったことから授業時間が不足してるので時間のかかる練習は家庭学習にお願いするようにしているわけです。
 余談ですが、学校での学習時間が減って漢字練習や計算練習が授業から追い出されて家庭学習のテーマになった時期と、通塾率が上がった時期が重なっていると分析する専門家もいます。要するに、学習の家庭負担が増えたことから塾通いを始めたという家庭が多いわけです。しかし塾でも漢字練習は家庭に任せたいというから、皮肉な話ですね。

■よく言われる家庭学習の中心軸『復習』について■

 これも家庭学習の定番です。習ったところをもう一度見直すというものです。教える側としては、学習内容を定着させる手段として、有効かつ効果的な学習方法なのです。もっとも大切な勉強方法とでも言いましょうか。しかし、実際に子供達に復習をやらせると、そう簡単ではありません。なにをどうしたらよいか分からない。そういう子供が大勢います。また、同じ問題を解くのが嫌だという生徒も多く見られます。そのくせ数字を入れ替えただけの問題であるはずなのに、サッパリ手が出せないと言うこともあります。授業前後では「わかった」けれども翌週には「お手上げ状態」ということが多いのであれば、まさに復習(つまりは定着力)不足ということです。
 子供達に復習をさせるには、それに対しての具体的な方法と教材が提示されない限り、家庭学習で効果を上げることは実は難しいと思います。  

■勘違いされやすい、勉強したつもりになりやすい『予習』について■

 これは、もっともやっかいな家庭学習内容です。そもそも、予習ができる位なら、塾などいらないと思います。まだ習っていない事柄を子供達自身で学習できるのであれば、塾も学校さえもいりません。知的好奇心のカタマリならば、放っておいてでも勉強していきます。もし仮に子供が「きちんとした予習」ができるようになったのであれば、子供自身が勉強好きであるか、指導者の力量がかなりあり子供の意欲を引き出す能力に長けた人物のどちらかです。  

■家庭学習といえば結局は『宿題』なのです■

 これもやっかいなテーマです。しかし、その内容が正しければ、宿題をやること自体が予習や復習、漢字練習や計算練習などの訓練になっていることも多いのです。
 つまり指導者の力量が十分であれば、実は宿題こそが、家庭学習の全内容になるはずなのです。「宿題しかやらないのですが」というご家庭からの声は多くありますが、それでも成果を出せるのであれば、指導者に力があるということでもあり得るのです。  

■具体的な練習方法■

 では、実際の学習方法に迫ってみます。まず、受験の有無にかかわらず、海外にいても「最も大切」といわれる漢字練習と計算練習についてまとめてみましょう。
 漢字練習は、塾の先生が家庭の指導状況を見る『定規』にもなっているのです。ご存じでしたか?指導者の力量という言い方をここまでしてきましたが、『親の、学習に対する力量』というものも存在するわけです。要するに子供を上手にコントロールできるかどうかが親の能力でもある、というわけです。
 私の経験でも、確かにお父さん・お母さんの指導能力には差があると思います。子供が親の言うことを聞くかどうかで、家庭学習のさせ方は変わります。例えば小5あたりの生徒ともなれば1人の人間として自立し始めます。「最近親の言うことを聞かなくなって、先生の言うことは良く聞くようですから、先生、何か言ってやってください」というようなものです。これは親の能力というものだけではなく、子供のキャラクターとも関係しています。自立心が強い子供の場合、往々にして親がコントロールしにくいようです。これでは家庭学習など軌道に乗りません。
 ところがです。漢字練習と計算練習だけは、どんな状況においてもコントロールできる唯一の家庭学習だとも言えるのです。なぜなら、勉強方法は簡潔であって、また、学習の成果が目に見えるからです。それを親が簡単に評価できるし、子供もそれを納得しやすいからです。親としては「覚えていないから、練習しなさい」とさえ言えばいいわけですし、子供としてもその言葉に納得せざるを得ないわけです。また子供としては「意味が分からない」ということはあり得ません。つまり努力が得点に結びつくだけの話なのです。  

■正しい練習方法とは???■

 漢字練習・計算練習の方法は、様々です。子供の性格によって異なるかもしれませんが、どんな方法にしても、はずしてはならないポイントは次の通りです。
 まず、漢字練習は、学校や塾で決められた教材を使うこと。複数の教材を使用すると混乱を来します。また、手当たり次第にやってもダメです。段階別に順を追ってこなしていくこと。現在漢字練習帳を持っていない場合は、学校教科書準拠のものを購入するのが安全策です。計算ドリルは「簡単すぎず、難しすぎず」です。これは非常に難しい。塾教師と相談の上で決めていくことが必要かもしれません。
 最近は、学校で漢字練習の方法を教えなくなったと言われます。そのため、暗記の仕方を全く知らない子供が目立つようになりました。塾でも「覚えること自体が苦手」という生徒が多くなってきたような気がします。親の世代からすると、かつて漢字の暗記など自分で工夫していたとお思いの方もあるかもしれません。しかし、現代っ子は、その工夫さえできないことがあるのです。ぼーっと見て覚える。これで100%記憶できれば問題ないのですが、往々にして中途半端です。またアッという間に忘れ去ります。
 お父さん・お母さんのご経験でも、友達の覚え方を真似してみたり、教師のちょっとしたアドバイスから身に付いたということはありませんでしたか?今の子供達には、そうしたチャンスが減っているのではないでしょうか。  

■漢字練習のコツを教えましょうか■

 それゆえ、漢字の覚え方については、より具体的に教えなければならないのです。しかも筆順や文字のバランスもある程度は意識してやる必要があります。
 例えば書いて覚えるときも、1つの漢字を何回も連続して書くことと10個なら10個の漢字をセットにして一通り書くことを織り交ぜてください。漢字テストで合格点が取れない生徒は、必ず親が採点してあげること。また「ハネ」「トメ」「ハライ」などは十分に気を付けること。「なぞり書き」をしないように、書き損じたら消しゴムでしっかり消してから書き直すこと。こうした習慣をきちんと付けさせることが肝心です。
 さて、漢字練習の頻度ですが、これは子供達の記憶力によって異なると言えましょう。極端に言えば、覚えてもすぐに忘れるタイプの子供なら、毎日繰り返して学習し、深く覚えさせる必要があります。記憶力が弱いのに、週に一度、詰め込み式にやっているだけなら効果はほとんど期待できません。海外生活の場合、週に2〜3日を利用して覚える時間を作ることが一般的な目安です。  

■計算練習の方法について■

 最近の問題集は、練習問題がほんのちょっとしか載っていないということがあります。教科書がそうですね。練習問題が相当減らされました。中学受験の場合は、算数が難しく、それでいて合否の中心になる場合があります。計算力がないと、理解さえできないという場合もあります。この視点から考えれば計算練習とは予習的な視点から取り組むべきという言い方もできるわけです。そこで必要なのが計算ドリルです。受験対応のものがベスト。とにかく中学受験準備においては、帰国枠であっても特に男子の場合は、的確に計算できる能力を養うことが必須といえるわけです。理想は、5年生用と6年生用の2冊を用意して、特に「小数・分数」に関する問題を多く解いておいてください。
 計算力も訓練ということですから、理想は毎日5分でも5題でもやることです。しかし、そこまではなかなかできないのが海外にいる生徒の現実。そうなると1回の学習時間が問題となります。長すぎても短すぎてもダメなのです。集中しての30分、できれば1時間が理想です。方法としては、1回に練習する量を決めて、それが終わるまでとか、また、正答率が上がるまで「繰り返して」やることです。単純な話、「公文式」がベストです。実際、日本国内で難関中学受験を考える場合、小4までに「小学校範囲の漢字と計算」を公文で終わらせておくということが現代中学受験準備の王道ともいわれるようですから。  

■復習って、何を、どうするの?■

 まず、使用する教材は塾などで使っているものを「そのまま」使用します。だから教材には直接書き込まずに使うのが常識です。また授業で使ったノートも大切です。テキストの例題には触れられていない「コツ」などを塾での講義で習っているでしょう?これが授業ノートには書かれているはずですから、これらをしっかり覚え込むわけです。「覚える」ということが、どの教科でも「復習」のテーマとなるわけです。
 とりあえずこの2つを材料に復習することが目標です。具体的に言えば、同じ問題を白紙のノートにやり直して、授業ノートに書かれているポイントをつかんでいるかどうか、チェックしていけばいいわけです。習ったことを完全に自分のものにしていく作業が復習です。このことを念頭に作業していけばよいわけです。特に「時間が経った時にも残っている学力」がポイント。半年経っても忘れていないということは、日頃から「忘れないように使っている」ということでもあるわけです。季節講習などで振り返りながら、知識を定着させていくわけです。これが「理解はどんな生徒にもできます。しかし使いこなすと言うことは、訓練している生徒でなければできません。」という意味です。
 ところが算数については、これだけでは何とも言えないのです。概していえば中学受験用の教材は難しい問題も多く、手に負えない問題を目の前にして親子で途方に暮れてしまうこともあり得るわけです。
 このような場合は、まず計算や漢字ができるかどうかを見極めてください。「計算や漢字だけはできた」という実感を子供達につかませることが大切です。読解力は子供達の心理発達と大きく関係しています。それ故、早熟でないと理解し得ない読解問題が存在します。これは何も国語に限ったことではないのです。算数の文章問題でも同じことが起こり得るのです。このことは家庭学習で手に負えるものではありません。子供達の精神的成長を待つしかないのです。しかし、計算練習や漢字練習にはこうした制限がありません。まずはこれを制覇させ、自信を持たせ、向上心を持たせることが正しい復習方法の第一歩というわけです。
 このレベルとテキストの復習というレベルの狭間で苦しむ場合。場合によっては他の問題集から似たような問題を探してきて、たくさん解いてみるなどという方法を考えなければなりません。そういうときに塾教師が頼りになるか、見極めてください。「○○について練習不足だから補助プリントを作って欲しい」と頼んでも「忙しいから」と無視する教師や、「手持ちの教材がない」という教師や、求めるレベルと全く見当違いのものを渡す教師などとは、復習計画に支障が出ますから早めに見切りを付けましょう。  

・・・来月号に続く・・・

 来月は予習、宿題への取り組み、親が教える勉強、算数のコツ、親子学習のポイントについてまとめてみます。

 

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