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2008年5月号 「興味を持たせるには」

■親の気持ち・子供の気持ち■

 海外生活をしていると、親は必要以上に子供に「浪漫」を求めてしまいがちです。「せっかくアメリカにいるんだから」という考えのもと、貴重な経験は一つでも多くさせたいと過密スケジュールにしてしまうご家庭もちらほら。さらには「子供がもっと、色々なことに興味を持ってくれたらな〜」とおっしゃる保護者の方もいたりして。。。面談をしていると「うちの子、もっと欲が出てくれたら良いのですけどねぇ」とおっしゃる。

 そりゃあ、私も人の子の親。子供が色々なことに対して「欲」を出してくれたら嬉しいですよ。勉強以外についても「色々なことに興味を持ってくれたら」とは思います。昔から言われていることですから、多くの親の願い、ですよね。  特に勉強に関しての興味であれば「 少しでも興味があれば、勉強に取り組む姿勢なども変わるだろう。」と期待してしまう。それが親ですよね。 もっと、貪欲に頑張れば、成果だってすぐに出るはず。そう思うのは、全国の親、古今東西の親の共通点です。

 でも、無理強いしていることに「興味を持て!」なんていっても、そりゃあ無理っていうもの。親の浪漫は「片思い」であることがたいていです。海外生活は子供達に無理を強いています。でも子供達は、他に術がないことも分かっている。逃げようにも逃げられない状況。遊びに行こうにも自転車で出かけることも出来ない。独りで電車に乗って、なんてこともできない。そんな自分の状況を分かっているからか、お父さん・お母さんの勧めるままに「やるよ」と素直に従う子供も少なくはありません。でも、全てをこなしていると言い切れるケースは。。。残念ながら、私が見る範囲では少ないと思われます。手を広げれば広げるほど、体力も勉強時間・練習時間が必要です。秒単位のスケジュールでヘロヘロになっている子供もみられます。現地校が軌道に乗ってきたね!と喜ぶのも束の間、親から「じゃあ、これ、やってみようか!」と過密スケジュールを強制されて。。。物理的な時間を確保できるまでもなく、どれもが「とりあえず」状態になっていく。当然、イッパシには程遠い状態です。  

■負けん気が強い子が受験に向く■

 それでも、何かしら熱中できるものを持っている子供は、違いますね。原動力がある、というか。運動でも、趣味でも何でも良いのです。「好き!」という次元以上のものがあるとき、底知れぬパワーを感じたりもします。実際、受験においても、この「○○博士」「○○だけは人に負けない」ということがある生徒は、後半戦からの盛り返しがある気がします。「無趣味」「別にが口癖」の生徒の多くは、受験直前での失速が多く見られます。あくまでも私の感覚ですけどね。でも、そう感じてなりません。「ヲタク」までいくには、それなりの努力が必要ですもの。努力の仕方を分かっている、といえるかもしれませんね。そして「好きだから更に知識吸収貪欲になる」というわけ。何十回も同じ本を読み、一字一句まで覚えてしまう。同じ趣味の人がいようものなら、負けずと頑張っちゃう。「え?そうなの?知らなかった!」では済まされない。家に飛んで帰ってwebで調べまくり!なんてこともある。くっそお!負けるもんか!ゲームなら隠れキャラやら、イースターエッグ(プログラム中に隠された本当にヲタクな技)など、必死に探したりします。なんでも構いませんが、お子さん、そこまでしていますか?している。だったら。。。

 興味を持っているものへの取り組む姿を見ているからこそ、「これが勉強だったら」と思わずにはいられません。例えば昔から保護者面談で出る話題としてファミコン・プレステ・wiiなどの「ゲーム」です。「うちの子、朝起きてゲーム、学校から帰ってすぐゲームなんです。」と熱心にゲームに取り組む様子を説明しながら、呆れ顔ではありますが、1つの確信もあるようです。「興味があるゲームなら上達も早い!だから勉強に興味を持てば、成績だってすぐに上がるハズだ!」そうそう。それは異議なし。私も思うわけです。でも、問題はここからなのです。興味を持てば上達も早い。そこで、保護者の方の中には、ゲームから勉強へ子供の興味を転換するために、「じゃあ、ゲームを中止にしよう!」という強行策を取る方がいらっしゃいます。子供は、ゲームがなくなりゃ、ちっとは勉強に興味持つか?? この作戦は、あえなく、撃沈します。子供が今、興味があるものを強引に奪っても、別のものや与えられたものに興味を持つわけではありません。ご想像通り、この場合、想像を絶する抵抗に合うことになります。だから、「大切なのは、どうやって興味を持たせるか?」ということなのですね。  

■きっかけは、どうするか■

 興味を持たせる方法は、いろいろとあります。例えば、勉強。勉強は「できるようになった!」という達成感を感じさせることで、その単元または教科にまで興味を持つコトだってあります。どう達成感を感じさせるか、この導き方が「技」なんですね。ただ、今回はそういった勉強の時間内での「技」ではなく、あくまで勉強に取りかかる前の段階の話です。そのため、まずは点数に結びつくことでなく、単元または教科に興味を持たせるための方法について考えるものであるとご理解下さい。ただし、これは受験学年には使えません。ご想像の通り、そんなことをしていたら帰国枠を使っても「時間切れ」になります。中学受験であれば小4まで、高校受験であれば中2の6月ごろまでが限界点であると思ってください。「うちの子、受験学年なんだけど!」とおっしゃいますか?すみません。次のレベルに行かないと無理です。今回の読み物はお読みにならない方がよろしいかと思います。現実的な話ではない、ということです。

 さて、みなさんはお子様に興味を持たせるため、どんなことされてますか?特に、まだ未就学や小学校低学年であれば、遊びに行くときの「場所選び」も、何かキッカケになればと選んだりするご家庭も多いでしょう。動物園に行く。水族館や博物館、歴史資料館やプラネタリウムなど。特にDC近郊は、こうしたものが多くて良いですよね。しかもアメリカは、こうしたものの入場料が凄い。無料とか、タダ同然の値段とか。日本では考えられない値段だったりします。また、大自然が目の前にあるグレーターDCですから、川遊びや山登り、スキーやキャンプなども楽しめますよね。  

■やる気は与えるものではない■

 「子供に興味を持たせるため、いろいろ体験させる」間違いのない常識だと思います。事実、子供達はいろいろな体験から興味を持ちます。でも、こういう体験を「勉強への興味」へと結びつけることは、なかなか難易度が高いんです。ある先生の息子さんの話。色々なものに興味もたせようと、電車に乗っていろいろな所に連れて行ってたら、息子さんが電車マニアになっちゃった。博物館での知識吸収ではなく、博物館に行くときに乗った電車について博学になってしまったというわけです。心当たり、ありますか?前述の「これだけは、人に負けない」というものがあるお子さんは、まさに、こうしたきっかけを持っていたのではないでしょうか?それはそれとて、親が仕組んだとおりにはなかなかならない。なかなか親の思い通りには、いかないものですよね。(笑)

 そこで、今回は、より「勉強への興味」へと結びつける方法を紹介します。もちろん、100%ではありませんが、親がガンバルことで更に高い確率で興味を持たせることができる方法です。この方法は、子供の習性を考えてのこと。実は、勉強でなければ、さらに高い確率で、子供に興味を持たせることができる。もったいぶらずに、サッといきましょう!それは、「親自身が興味を持ち、その姿を見せる」ということです。

 例えば前述の例です。電車に興味を持つキッカケとして圧倒的に強いのは、親自身が「電車好き」だからです。新幹線の500系と300系の違いが気になったりする。その違いを自分で調べたり、密かにJRにも直接問い合わせたりしている。また、新幹線のレールスターの車体には、何が使われているかなんかも当然知ってたり!電車の上についている電線に、いろんな種類があるのを瞬時に見分けたり。。。そんな親の背中を見ている子供ならば、ハマるのも時間の問題ではないでしょうか?これはスポーツでも同じでしょう?親が見るテレビはいつも野球だけとか。そうなれば、口にするのは野球の話の比重が多くなる。親の姿や普段の生活で出る言葉が子供に大きな影響を与えているわけです。実は愚息も「車好き」であり「武道好き」なんですね。これ、親の私の背中を見ているから、です。

 勉強でいえば「親が理系であれば、子も理系」なんてよくあります。これは、環境の影響であると考えています。親が、一生懸命に医学専門書を読んでいたら、気づいてみたらお子さんがそばで読むようになっていたなんてことをお医者様のお父様からお聞きしたことがあります。医学専門書なんていうもの自体がない家庭の人が聞けば、「スゲェ〜」と思うかもしれませんが、そのご家庭からすれば、普通のことなんですね。

 電車の話でも、聞く人が聞けば、「スゲェ〜」話です。同じ事です。これらの話は、特に「スゲェ〜」話ではなく、「人の真似をする」という子供の習性から考えれば、十分納得のいく話です。小さい子供が親のスリッパやゾウリを履きたがるのも同じ種類の話です。子供に一番影響力を持つ親が「おもしろそうに何かに取り組む姿」や「語る姿」を見れば、子供だってやってみたくなるのです。もし、お子さんに興味を持たせないならば、親がそのことに興味を示すのが一番良い環境であるということです。

 これは、勉強にもあてはまります。「私と同じで、算数が嫌いで困ってます。どうしたらいいでしょうか?」というご相談を受けます。これには、まず親自身が算数に興味を持てばいいのだとアドバイスしています。子供のとき、算数は嫌いだった親の方には、特に大人になった今、実際にやってみてほしいのです。大人になってやる算数は、子供のときとは明らかに違った感じ方や別のおもしろさを感じたりします。ここで注意ですが、子供達の視線でやることです。中学受験の問題を積分を使って解いたとしても、何も面白くありません。答えを出すことに対してだけの興味では意味がないのです。例題を見てください。これを子供達が、どう解釈しているのか。この日本語で、子供達はどこまで理解できているのか。まずは親がテキストにあるように解いてみる。それが大事です。理科だって、社会だって、たとえば新聞を読んでいる親にとっては、当然知っている知識もある。それは子供が知り得ない話なのか。それとも実は知っていることなのか。では何故繋がらないのか。日本語の力?子供の日本語力が落ちている?色々なことが分かります。感じられます。  

■主人公は子供達■

 ぜひお子さんがやっている勉強を親自身が「やってみてください」と、お話ししたいわけです。更に言えば、実は親が解けるようになる必要はありません。受験に勝ち残ってきたお父さん・お母さんですが、寧ろ子供の前では四苦八苦して欲しいのです。それが「狙い」でもあるのです。解答を片手に、問題が解けるようになって、それを子供に教えて。。。なんてことは無用です。子供の受けたテストを自分で解いてみる。果たして何点取れるのか?案外子供の方が「これね、こうすればいいじゃん!」なんてアドバイスをくれたりします。「えーー、父さん、これわかんないの?」なんていう子供の言葉を引き出せれば、しめたもの。「来週は、ここを教えてよ!」なんて親が言えば、学校や塾の授業をしっかり聞いて帰るようになったりします。「お母さんより、オレの方が算数は得意だ!」なんてなれば、言うことなし。子供達の勉強への興味が中途半端な状態だと、公式暗記さえも「いい加減な覚え方」になります。そのまま覚えればよいだけなのに、へんてこりんな覚え方をする。分数の計算にも見られたりする。そうなると、決して「親に教える」なんて芸当は出来ません。「あれ?あれ?」なんて言い始めたら、要注意。混乱以前の問題。要するに「必死さ」も足りないし、「記憶」もしていないわけです。それを親の背中を見せることで、「そこまですりゃあいいのか」とガイドラインを引いてあげるわけです。

 実は、この方法論は以前にもご紹介した「兄弟共に某有名難関国立附属中学に進学させた、あるご家庭」の家庭勉強法のひとつなのです。

 子供に興味を持たせるため、いろいろ体験させようと頑張っている親の皆さんの労力はかわりません。まずは、親自身が興味を持つことからはじめてみては如何でしょうか?決して「おしえなきゃ!」と力むことなく、また「管理しなきゃ!」ときばることもなく。子供達に「ノリ」をつかませるために、アカデミー賞並みの演技で、下心もって、取り組んで下さい。(笑)これまでの「勉強しなさい!」から180度転換です。迫真の演技でお願いします。それで軌道に乗ったら、自学自習なんて、完成しちゃっています。家庭学習は何よりも大事、というのは海外生活の場合はより強く言えます。限られた時間でより濃い学習を目指すのであれば、集中力・記憶力を土台にして「記述力」「分析力」「表現力」を高めなければなりません。そのためのきっかけが、この方法であるわけです。(だからすでに受験生であるお子さんには時間切れになってしまっているため、この方法は向かないというわけです)

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