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2010年05月号 「熱烈歓迎」

■ようこそ、DCへ

 4月に赴任になったお父さん。ようこそ、DCへ。ご家族の皆さんは、夏にいらっしゃるんでしょうか?それとも近々、いらっしゃるのでしょうか?生活が立ち上がるまでは、兎に角大変ですね。わかります、わかります。私だって、経験者ですから!海外生活が初めてという御家庭であれば、それこそ毎日が激動の日々!ってかんじですよね。お疲れさまです。でも、がんばって!!

 一時的な海外生活をする日本人の一番の悩みは、『子供の教育のこと』といわれます。当地はVA州にしてもMD州にしても、「多くの日本人が住む地域」であれば全米でもTOPクラスの教育レベルの高い地域です。公立であっても、抜群の教育環境!とも言われます。前任者の方や不動産屋から「お子さんが居るなら、ここがお勧め!」と言われるままに。。。そして「せっかくのアメリカ生活だから。。。」と、いろーーーんな事を、お考えになっていらっしゃる御家庭が多いと思います。ここで、新しく赴任になった御家庭にむけて、これまでお話ししてきたことをダイジェスト版で書き並べてみたいと思います。生活の立ち上げ時に、ちょっとだけお考え頂きたいことがありますから。。。  

■何はともあれ。。。

 まずは「帰国後の進路設計」を考えてみましょう。「え?来たばっかりなのに?」と驚かれる御家庭も多いかもしれません。でも、ご帰国されるときに「中学受験」なのか、「高校編入」に期待しているのかで、話は全く違ってしまいます。受験資格が得られるのかどうか。その受験がどんな受験なのかによって、「子供達の具体的準備」が違います。受験が「日本の受験生と同様の準備が必要」なのか、それとも、たぶん多くの御家庭が思っていらっしゃる「帰国枠優遇措置♪」が使える受験なのか。まず、その現実を調べてください。これらは、ある程度のことはインターネット経由で調べられますし、enaの「無料学習相談」をご利用いただければ大抵のことはご理解いただけると思います。その現実から、今やるべき事・優先順位で高いことが分かります。  

■ニホンゴ、ムズカシイ

 英語が簡単、ということでは決してありません。言葉を学習するというのは、一部の御家庭がお考えのような「放っておけば、自然に吸収するのよ」というようなものではありません。お子さまの年齢、性別によって、様々です。

 半年から1年かかって、現地校の生活が普通に送れるようになったとしましょう。小さい学年であれば、英語習得に反比例して日本語力が低下しています。日本を出たときの日本語で、止まっているはずです。言葉は文化です。日本にいたときの文化が英語に変わって身に付いているのであれば問題は少ないのですが、普通そうとはなりません。よって、幼少期の常識が欠けた状態になっています。「あっかんべー」が言えなくても生活に支障はありませんが、何かの時に基準になるのが「常識」です。それが中途半端であるということ。私たちがいう「下からずっとアメリカの教育を受け続けるならわかる」とお話ししてきたのも、ここに理由があるわけです。一説に、バイリンガル教育が実現できるのは7歳までといわれます。それ以降は、どうしても第二外国語としてしか身に付かないといわれます。

 さて、それでは7歳までに「きちんとした」バイリンガル教育を受ければ良いのですが、多くの方はそうなりません。まず滞在期間が短い。3年程度では文化は背負うことが出来ません。結局、異文化を「ちょっとかじった」程度の状態になり、どちらの言語も中途半端になる「ハーフリンガル」といわれる状態になります。

 母国語が完成した中学生以降に渡米された場合、「理解したつもり」という「ごまかし」が出てくる場合があります。会話の場合、間違っていれば逐次訂正していくことが出来ますが、試験などの場合は出来ないことの方が多い。読み違えなど、典型的です。それは母国語であっても起こる。つまり、そういうミスを日本語でもしてきた子供にバイリンガル環境を与えることは、2つの言語を共倒れにする危険性があることを、周りの大人は注意していなければなりません。簡単に言えば、日本語(国語)の読解問題の成績が悪いのに、英語の成績は良いという場合は間違いなく「英語の成績もやがて落ちる」と覚悟する必要があるということです。これは間違いなく「ハーフリンガル状態」です。高校後半あたりからは、こうした語学力は使い物になりません。

 厳しい言い方をすれば「腰掛けの滞在」であることの現実をしっかり見据えて下さい。2〜3年程度の滞在では、帰国枠中学入試で要求される英語の力さえ満たないという事実を受け入れてください。  

■親の欲張りで子供が犠牲者になる

 「せっかくのアメリカ生活だから!」と気合いを入れている御家庭。そして無茶なスケジュール。習い事のオンパレードで、子供は分単位の生活。それでは「ああ、アメリカ生活、楽しかったなあ」とはなりません。子供達は「旅行が楽しかった」というでしょう。「友達と○○をしたこと」と作文に書くかもしれません。でも、実はそれ、日本にいても同じ事を書いていたかもしれません。

 アメリカならではの、貴重な体験って、なんでしょう?お隣のマイケル君と遊ぶことですか?言葉が通じなくても遊んだことが、貴重な体験なのでしょうか?それは海外ならではの体験なのでしょうか?現地校の素晴らしい授業を受けたことが貴重な体験なのでしょうか?受験・進学を考えることより大切な、我が家にとって貴重な体験・経験って、いったいなんでしょうか。該当学年の学習単元と引き替えにすることも仕方がないと思えるほどのことでしょうか?

 受験屋としてもっといわせていただければ、それは「他の海外生には体験できないような、海外ならではの体験」なのでしょうか?言葉に苦労したという話は、帰国枠入試ご担当の先生であれば、嫌と言うほどお聞きになっています。「海外で頑張ったことをバネにして、日本でも頑張ります」なんていいかたは、何十年も前から使われていること。それを作文に書いて「おもしろい」と思ってもらえるのでしょうか?アメリカ生活に、あまりにも大きすぎる幻想をお持ちではないでしょうか?

 「我が家は我が家」とおっしゃるなら、それで結構です。もちろん、人様の御家庭に指図するような権限は、私たちにはコレっぽっちもありません。ただ、現実、日本にお帰りになって苦労されている子供達がいる事実を、皆様にお話ししたいだけです。例えば「帰国したら、また頑張れば良いじゃない」という「お気楽な」ご両親では、子供が可愛そうだと申し上げているだけです。大人の社会では通じる「国際化」「助け合い」も、子供達の世界では通用しません。誰がアメリカ人にはイジメが存在しないといったのですか?何をして「大丈夫!」といえるのでしょうか?子供達の環境の方が、大人よりよっぽど過酷です。

 さらに、日本に帰ったら帰ったで、「自分とは違うものを受け入れない」という日本人社会で戦い抜かないといけない子供達。その状態も想像できないで、「せっかくのアメリカ生活だから」とお気楽に「欲張り生活」をさせては、子供が潰れてしまうのは明白です。  

■噂を信じちゃ、いけないよ

 私たちは「塾」ですから、大げさに言っています。煽っています。きっと、不快な思いをされていらっしゃる御家庭も多々あるかと思います。でも、「無責任な噂を信じ込んでしまった御家庭のために、犠牲になったのは子供達」なのです。そのことを、ずっとお話ししてきました。  

☆補習校に通うことは義務ではありません。  

☆現地校の成績が良ければ受かりやすいという噂は、間違っています。  

☆放っておけば、英語は上達するというのも事実ではありません。  

☆帰国先は首都圏ではない地方の学校だから、焦る必要が無いというのも違う。

 ちまたで言われることが全て嘘で、enaの言うことだけ聞いていなさいということではありません。大切なのは、「海外生活は、個々で違う」ということ。背景が家庭によって全く異なっていると言うこと。それなのに「ひとくくり」にして「こうしたらいい、ああしなきゃだめ」というのはおかしいのです。

 もちろん、「何が一番大切か」といえば、当然ですが「子供の笑顔」であるに決まっています。ただ、それ「だけ」となってしまえば、進学に不利になったり、言語運用能力に支障が出たり、日本へのソフトランディングが不可能になったりします。日本に帰らないという御家庭であれば、今までお話ししてきたことは、全て不要です。意味がありません。でも、日本に帰るということであれば、何かしら考えておかなければならないことがあったはずです。では、そこで「ご自分に都合の良い噂」を「さらに都合良く解釈して」、それを「これが我が家の方針だから」としていないか、もう一度だけ考えて頂きたいのです。そこで、想像して頂きたいことは、ご帰国され、日本の学校に通っているお子さまの姿です。どんな顔で学校生活を送られていますか?その姿が、どんなふうに映っていらっしゃいますか?その姿と、そこにたどり着くまでに必要なことと、現在と、どの程度のギャップがありますか?

 理想と現実。「それみたことか」といわれても「へへーん、だ」ということは、大人には簡単なのでしょうけれど、主人公の子供達は、果たして、どう思っているのでしょうね。  

■視点の違い

 決して現地校を否定しているつもりはありません。愚息も現地校に通う子供です。私は、その親です。現地校で何を学んでいるのか、分かっているつもりです。ただ受験屋としては、「ちょっと待ったぁ!」と叫びたいことがあるのです。

 「現地校では、数学・算数は褒められています」は、当たり前。3学年以上先取りをして、日本語もバッチリという生徒であれば、分かります。小3以下なら分かります。でも小4以上では、疑問詞が付く。この言葉を口にされ、入塾試験を受験された多くの生徒は、偏差値40にも満たなかった。日本の勉強はムズカシイ。それが現実。でも、認めないですよねぇ。「それは習っていない」「日本の教科書には載っていなかったから」とか。これだけ学力低下・教科書内容陳腐化がいわれているなかで「教科書に載っていないから勉強していません」というのなら、「次の学年に進学できないかもしれないミニマムスタンダードで結構です」といっているようなものでしょ?その事実にさえ気が付こうとされないのであれば、子供は不幸です。

 「日本語は補習校にいってたから大丈夫」「漢字検定の勉強をしていたから、国語は好き」とおっしゃる御家庭も多い。でも、偏差値は下手をすると40を切ってしまう子供も居ます。知識分野が苦手になるのは、海外生であれば仕方のないこと。それは帰国枠入試を実施する学校だって分かっている。そうじゃないんです。思考訓練が出来ていない。つまり「読解」が出来ていない。実は言語を変えても同じ結果が出ることが多い。調べてみると、そういう生徒は現地校でも、発言もあまりせず、ただただニコニコと座っているだけ。分かるところもあるけど、分からないところもある。その状態で思考訓練などできるはずがありません。つまり英語でも日本語でも、考えるという行動ができない。パターンも覚えられていない。語彙も少ない。日本語も、英語も。じゃあ、何が出来るのでしょう?  その状態では、帰国後日本の学校で学ぶには厳しいわけです。ある大学が帰国枠を廃止したのは帰国枠で入学した生徒の多くが「日本語の本も読めず、日本語でレポートも書けないから」とのこと。中途半端な日本語・英語であれば、年齢にふさわしい言語活動ができない。上の学年に進学するにふさわしくないとなってしまうわけです。学校側からは、何の魅力もない生徒にしか見えない。まあ、アメリカ人になってしまっているのであれば、当地で生き残るためにはどうしたら良いのか、それこそ明白であるはずです。APやオーナーは当然として、ミドルの頃からGT・マグネットでバリバリに鍛え上げてきたかどうかが問われるわけです。ESOLを卒業できそうもないというお子さまに、帰国枠英語受験突破は無理です。「英語に命賭けてます!」という、滞在年数5年、6年の子供達が受験するのですから。さらにGTって何?マグネットって何?とおっしゃる御家庭ならば、無理してアメリカを向かなくても良いのではないかしらと思うのです。その状態が、まさに中途半端なのですから。日本にも、アメリカにも向いていない状態なんです。そのことにも気がつかれていない。「知らないんだもの、仕方がないでしょ」とおっしゃいますか?でもね。昔と違って、いまは調べようと思ったら、大抵のことは調べられるのです。日本を出る前に、相当のことを調べることが出来たんです。でも、調べ切れていない。それは、既に出遅れたということです。日本だろうが、アメリカだろうが、情報戦。見る位置を定めるために、情報を駆使するのは当然のこと。そこにさえ、いかなかったということです。だったら、無理する必要はありません。日本に帰る時を想像して、どうありたいか、から逆算してください。欲張らず、ひとつのことを考えてください。それは、一つの場所から、お子さまをご覧になって下さいと言うことです。

 視点。どこに置くのか。これ、とてもとても大事です。  

■一応、最後に広告を

 95年4月にDC校を開校してから15年が経ちます。私自身、前任地のNYから当地に赴任したのが10年前。色々な生徒が居ました。色々な御家庭とお話しさせて頂きました。東大に進んだ卒業生もいます。医学部で学んでいる卒業生もいます。海外に飛び立っていった卒業生もいるし、お父様の跡を継いだ卒業生もいます。みんな私たちの宝。自慢です。

 私たちは簡単に大丈夫、とは言いません。決して「大丈夫」ではないから。今の状況に苦しんでいる子供もいる、もがいている御家庭もある。そんな状況で『大丈夫」と声をかけることは、無神経。まずは子供達の声を聞きたい。御家庭の考えをお聞きしたい。そして、私たちの知っていることをお伝えしたい。そこから、頑張る子供達を応援したい。二足のわらじを履かなければならない子供達に、逃げ道ではなく、きちんとした道を照らしてあげたい。キツイのは分かっているけど、「現地校が忙しかったから宿題出来ませんでした」などという言い訳などさせたくない。逃げてはいけないんだ、ということを教えたい。御家庭の手探りの進路設計に、少しでもお役に立ちたい。ena海外校舎は、みな、同じ事を考えて、子供達とともに歩んでいます。

 2010年。今年もまた、ここから日本の学校へ羽ばたこうとしている受験生が居ます。彼らを全力で応援します。日本の学校への受験・進学であれば、信頼と実績のenaに、ぜひ、お任せ下さい。 

 

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