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2007年9月号 「実りの秋のきっかけに」

■キッチンタイマーの意味■

 以前行ったアンケートで、「子供の勉強をそばで見ていますか?」という質問に対して「見ている」と答えられたご家庭が9割以上にも上りました。また、このうち、勉強を見ている8割がお母さん。さらにその中で7割近くの方が「1時間以上見ている」と答えられています。海外において、お父さん先生・お母さん先生は必然とも言えます。現地校の宿題も、日本の勉強も、です。特に「日本語」に関しては、ご家庭での日本語環境構築以外に有効な学習方法はありません。

 ただ、「子供の成績は上がっているか?」と問えば、途端に雲行きは怪しくなるのが事実です。第一に、実は「子供の成績を客観的に追いかけているご家庭が少ない」ということもあります。模擬試験を受けても悪い成績を取ったら自信をなくしてしまうのではないか。そうおっしゃって、受験をためらわれているご家庭が多くあります。通信教育を受けていても、模試は受けないとか。塾に通っていても、模試は受けないとか。受験するかどうか分からないから、とおっしゃるご家庭もありますね。

 模試を受験されているご家庭からは「親がそばで見ているからこそ、現状維持になっているんだ!」とおっしゃるご家庭もあることでしょう。しかし、せっかくそばについて、時間と手間を費やしていらっしゃるのですから、なんとか「成績を上げる!」までは到達していただきたいです。また、「そばにつくと、子どもが嫌がる!」→「勉強があまり進まない!」というご相談も、面談などでよくお聞きしたものです。

 そこで、それら「成績が上がらない」「子供が嫌がって勉強が進まない」の原因の1つとなっているのが「親が子供に勉強を教えているから!」と言えば、どうでしょう?同意してくださいますか?実はこの話題も、何度も取り上げてきたことなのです。「子供の勉強をみる」=「子供に勉強を教える」となっていることが、成績に伸び悩みや子供が嫌がる大きな原因になっていると思います。中には、親が勉強を教えて成績が上がっているご家庭だってあります。もちろん、そうであれば問題ございません。

 以前、補助教育機関について取り上げたことがありました。例えば「教育に情熱を持っている先生」であれば、補習校だって素晴らしい授業ができるという言い方があります。ところが進路指導はどうでしょうか?本業の片手間、あるいは主婦業の片手間において、進路研究はどこまでされているのでしょうか。入試追い込みの時期。子供を学校に送り出した昼間、過去問を広げて入試問題集と格闘するお母様がどこまでいらっしゃるのでしょう。enaの職員は、これら過去問や入試頻出の問題、赤本などについて、指導方法・指導内容の勉強を日々しています。教える側にとっては、それが仕事ですからできて当然。しかし、補習校の先生がそこまでできるのでしょうか?毎日の生活に追われているお母さんに、そこまでできるのでしょうか?そこまでできれば、理想の「スーパー親」です。そこまで、親が先生並みに勉強する覚悟がなければ、親が『教える』という意味は無いのです。

 小学校の低学年のときは見ていたが、学年が上がるにつれ、子供が嫌がるようになった方。日に日に親子バトルが激しくなる傾向がある方。成績がいっこうに上がる気配がない方。そのどれかに当てはまった方。そういう方にズバリ言います!お子さんの本音は、こうです。「親の解説では、よくわからな〜い」「だから早く答えだけを教えてよ」「面倒だから早く答えだけ教えてよ」「解答集ちょうだい」別にショックを受ける必要も、だからといって、親がムキになって勉強する必要もありません。それよりも、「塾の先生より、お母さんの方がわかりやすい!」と子供が言うことのほうが問題です。「お母さんのほうがわかりやすいんだ!うれしーぃ!」なんて、喜んでいる場合ではありません。そんな塾・補助教育機関は、すぐに辞めるべきだからです。

 子供に教えるのは、本当に難しいことです。何度も同じことを言う根気。絶対に諦めない気力と情熱...etc。だからこそ、私たちは思うのです。特別な情熱がない限り、はじめから先生など目指すべきではない、と。やってみた方はおわかりいただけると思いますが、親はなかなか先生にはなれません。感情が入ります。時として手も出ます。期待する気持ちが期待する以上にあるので、できない我が子を見ると非常に疲れます。教え終わった後、放心状態になったりします。

 では、親は子供のそばについて何をすべきか?どんな役割があるのか?これまでもいろいろお話ししてきましたね。もう一度、キッチンタイマーをお話しします。enaでも授業中に使用している、小技、です。

 私たちはこれまで、親がそばで子供の勉強を見る目的は、勉強の効率を上げるためとか、成果を出すためとか、いろいろお話ししてきました。一番大切なこと。それは、親が、メトロノームみたいに、勉強のリズムをつくてやることです。家庭学習でもっとも大切なのは、この『生活リズム』『学習習慣の確立』です。勉強をそばで見ている親は、勉強を教えません。その代わり、子供が問題を解く様子を見守りながら、リズムをつくって、今まで出したことのない、最高タイムをたたき「出させる」のです。例えば、計算問題。計算問題なら、目標タイムを決めてやってみる。その時間を達成するため、1問解き終わったあとにすぐに「ハイ、次!」とかけ声をかけます。合いの手です。たった、それだけです。なぜ、そんなことをするのでしょうか?

 子供は1問解くごとに一息つきたがります。実際にほとんどの子供が、問題と問題の間で一呼吸おく。1問終わってその次の問題にいくまでにちょっとした間が空くのです。「はあぁ」「よっこいしょ」「喉乾いたな」「ああぁ、疲れた」という具合です。これらは「ロスタイム」です。もし、その「一呼吸」を『たいした時間じゃない!』と思われた方は、受験においては既に『負け』なのです。「はあ」と一息ついていることを、たいていの子供は無意識にしています。「はあ」が無くなれば時間短縮が可能なのに、自分は「これがタイムアタックの限界点だ」、精一杯だと勘違いしている。「絶対に無理!と思いこんでいるからタチが悪い。そこをそばにいる親が「ハイ、次!」というかけ声をかけることで、気を抜かせずに、すぐに次の問題にとりかからせる。これで時間短縮をさせる。

 かけ声かけたら、子供が「ウルサイ!集中できないじゃないか!」と言うのではないか?!ならば、軽く机を叩いてみたら良いのです。問題が終ったら、ポン!と叩く。こうやって、親はキッチンタイマーとにらめっこしながら、目標タイムをクリアさせるワケです。子供からすると、急かされている感じがするため、抵抗することもありますが、まずは好タイムをはじき出すことを優先してみる。別に、大きな声である必要はありません。そばで、小さくかけ声を掛けるだけ。

 本当に、かけ声により最高タイムをたたき出すようになれば、そこで、「お〜、スゴイ!」とか「やるやる!」などと言って、好タイムを褒めちぎれば、「なかなか、やるでしょ」とばかりに得意気になって、子供は嫌がったりしないものです。これをenaでは日頃の小テストでも実施しているわけです。トライしてその成果が具体的に出ると、そのやり方を「やっている子供自身が」認めてくれるわけです。注意すべきは、かけ声をかけることでタイムを遅くする場合があること。特に大人しい性格の子供に多く見られます。ちょっとの躓きでパニックになってしまう子供にも不向きです。こういう子供たちには「それ、違うよ!」などという声かけは絶対に禁止。答え合わせまで我慢してください。これらは、計算に限ったことではありません。時間を決めてやる暗記や文章問題でも同じこと。文章題を子供がチンタラ読んでいるようだったら、「ハイ、次!」や「どんどん次にいく!」といったかけ声をかけてやります。

 いかがですか?すでに似たようなことをしていたにもかかわらず、成果がでない方。そういう方は、実は、時間設定や「やる問題の選択」について間違っているハズですから、いろいろと変えてトライしてみることをお勧めします。要するに、やらせる親も創意工夫だということです。試行錯誤です。我が子の成績が向上するにぴったり合う方法を探していくということです。

 この話を聞いても????な方。例えば、「塾で習ってきても、全部親が説明しないとできません!」「親がタイマーになってやらせる問題が全然ないんです!」という方は、今通っている塾、または習っている先生、コースについて検討すべきです。授業を受けて、新しく習った勉強について、まったく理解できていないわけですからね。それじゃあ、子供もおもしろくないし、さあ家で勉強をやろう!などと思わないですから。本来、どんな子供でも『理解する』というレベルまでには到達できます。問題は、そこからです。受験を考えるのであれば、「使えるレベル」まで引き上げる必要があります。教科書程度の内容で十分であれば必要ないですが、受験を考えるのであれば避けて通れないレベルなのです。そして、その解決方法は、各自が創意工夫して「自分の勉強方法」を確立していくしかないのです。私たちがお話ししてきた「自学自習」ができるようになること。親は、そのための道を造ってあげること。塾など、彼らの道をそ造る「ひとつの道具にすぎない」ということです。  

 

■試行錯誤■

 我が子との会話で、こんなことは、ありませんでしたか?  塾から宿題が出た。もう小学校高学年なので、あまり五月蠅く言わなかった。何回か「塾の宿題は大丈夫?」「うん、やってる」という会話があった。でも、それ以上は追求しなかった。これが大きな失敗。「終わった」という我が子に「じゃあ、点検するから見せて」と切り出したとたん、我が子はしどろもどろ。「このノートかな?」「こっちのノートにやったかな?」。。。結局、我が子は自分の得意な科目をほんのちょっぴりやっただけで、嫌いな科目にいたっては「まったくの」白紙。関西風に言うと「しばき倒して」、友達に宿題範囲を聞かせ(範囲すら忘れてしまっていた)夕食もとらせずに、宿題をさせた。もちろん、最後まで終わるはずもなく、翌日、親が一緒に塾に行き、先生に「私の監督不行き届きです」と頭を下げて謝った。その夜、問いただしてみると、塾で宿題をやっていないことを「ノートを忘れた」と言って乗り切るつもりだったという!最近、成績が下がっているし、宿題の空欄が目立つなとは思っていたが。。。

 どうですか?ご経験がありますか?そんなとき、お子さまになんとおっしゃいましたか?「たまにはこんなこともあるさ〜」と笑われましたか?それとも「やるべき事はやらなければ(やらさなければ)」と思われましたか?

 その前に、一つ考えていただきたいことがあります。廊下で塾の先生を捕まえて「ご相談が」とおっしゃるお母様もいらっしゃいますが、実はそれはNGです。「それほど深刻なことではなく、軽く現状を聞きたいから」とおっしゃいますが、その程度のことであればお聞きになる必要はありません。なぜなら、ことが深刻なら塾から連絡があるから、です。少なくともenaでは、各職員が授業前のミーティングで子供たちの様子を報告しあっています。何か問題があったら、その日のうちにご家庭にご連絡を差し上げています。廊下の立ち話はいつでも可能ですが、ご相談いただいても「こんな方法もあるし、あんな方法もある」といった一般的でかつ大まかなアドバイスでしかありません。事情もよくわからないし、推測でしか話ができません。また、提案した方法を実際にできるかどうかもわからない場合もあり得ます。一番良いのは、模擬試験も定期定期に受験いただき、志望校調査などにもご協力いただき、「あゆみ」のコメントなどもご記入いただくことです。これらにより、お子さまについての多角的なデータがそろい、それらをもとに指導をして、その結果をもとに、ご家庭にご提案を差し上げるというものです。

 さて、宿題をやっていない我が子に対して、「しばき倒して、友達に宿題範囲を聞かせ(範囲すら忘れてしまっていた)夕食もとらせずに、宿題をさせました。」とあります。でも、最後まで終わらなかった。そこで「翌日、一緒に行き、先生に頭を下げて謝りました。」とあります。『ちょっとやり過ぎでは!?』こう感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。「たまにはこんなこともあるさ〜」と笑ってやることも1つの方法としてあります。一般的なアドバイスでいえば、優先すべきは「次からのこと」。つまり、「笑って許すことで、次からをキッチリさせる」そうなれば、問題はないわけです。ただ、なかなかそう簡単にはいかないもの。なかなか子供も手ごわいです。子供たちは、大人の顔色を見ています。「これぐらい許されるかな?」いつも見ているわけです。同じことを繰り返す子供たちは、「たまにはこんなこともあるさ〜」と笑って済ますことが「これぐらい許されるんだな」との判断になってしまっているわけです。

 これらより考えると、仮に笑って許す一方で、  

■友達に宿題範囲を聞かせる  

■夕食もとらせずにすぐにさせる  

だけは、叱る、叱らないは別として、親の姿勢として最低限すべきことだと、私たちは考えています。まずカリキュラム的には週に1度の授業で、やらなければいけないことが山積みですから、訓練などはご家庭で昇華していただかないと、次のステップに移れないからです。

 また、躾の面でも考えるべきものです。やっていないことをやったと嘘をついてしまった子供に対して、嘘をついた理由を聞くよりも、ちゃんとやったという事実をつくってあげることが、大人の役目ではないかと思うからです。

 あとは、「しばき倒して」「頭を下げる」ということは、ご家庭の方針です。賛否両論です。ただこれら2つはセットであるべきです。子供を「しばく」のは簡単だと思います。でも、親自身が塾の先生に頭を下げることには、抵抗がある方が多いハズ。そこまでやらなくても、と。塾の先生だって、ビックリします!宿題をやらないのは、宿題をやらなくても許してくれる「子供を取り巻く環境」にも原因があるわけです。「子供」「塾」「親」のうちの「子供」「塾」に問題があれば、当然起こりうることなわけです。だからこそ、「親」の姿勢が大事!子供にとって怒られるのは予想はできる。でも、塾に謝りに行くことは『想定外』。このことで子供は、ことの重大さを知ることになります。一方、塾の先生だって「きちんとした熱心な親」のこうした行為によって、お父さん先生・お母さん先生との連携がより強くなったりします。ノートなども気をつけてみるようになるわけです。これが私たちの言う「それぞれの役割分担」ということなのです。

 本来、子供は親の期待に応えようとするものです。必要以上の期待は禁物ですけどね!期待に応えようとするときに湧いてくる「力」は受験には武器となります。親は子供にただ「期待」するだけでなく、塾の先生の「期待」に応えるよう子供をサポートするを忘れてはいけません。

 過去にエラーを出たことが問題ではありません。問題なのは、エラーが出たまま放っておいたり、エラーに対して、知らんぷりしてしまうこと。も私たちがお話ししてきた「子供たちの可能性をつぶしてしまうこと」のひとつです。解決していないエラーは再び必ず噴火します。そして、1つエラーを解決すれば、1つ上のステージのエラーがまた出る。またそれの解決に向けてトライする。ただただその繰り返し。どんなに成績が良い子の親でも、その段階に応じた悩みはあるのです。だから、他人をうらやんでも仕方がない。

 いつもの通りになります。主人公は子供たち。我が家の進学設計をきちんと組み立ててください。焦らず迷わず怠らず、一歩一歩進めていくこと。噂に惑わされず、きちんとした情報源から情報を得て、設計していきましょう。受験を考えるのか、首都圏に帰るのか。そんなことでも設計図は変わります。

 これ以上子供たちを犠牲者としないよう、周りの大人が毅然とした態度で道を照らしてあげましょう。

 

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