<まえのページにもどる> <もくじにもどる>
2008年1月号 「年の瀬に思うこと その2」
■決意■
2006年07月の報告から。
『先生からアドバイスいただいたように、その日の授業で習ったものは、その日に終えることを心がけてます。現地校の宿題に追われることもあり、塾がある日と現地校のプロジェクトが重なった日は、深夜まで机に向かうこともあります。でも、ここで「塾の勉強はあとで。。」とか「現地校の宿題はお母さんが変わってやってあげるから。。。」とは言わず、親子で頑張り抜く「気合い」を入れています。その分日曜日の午後は、ゆっくり過ごしています。』
子供の勉強時間はむやみに増やすのではなく、「成果のある勉強」が実感できたり、確認できてからが基本です。「いや、それでは宿題が終わらない!」としてもです。成果のない、もしくは成果の感じられない勉強を長時間させて間に合わせても、先には決してつながらないからです。それよりは「勉強はイヤだ!」「したくない!」という気持ちを助長させることになる。短時間で集中させて、狙って目標を達成することに邁進する。学校の勉強は、本来そういう姿勢で取り組むものです。ただ、海外にいる場合、理想通りに運ぶとは限りません。はっきり言えば、現地校は「借りの住まい」です。貴重な経験ではあるけれど、そこで身につけた学習内容が直接入試に使われるとは限りません。試験傾向・聞かれている内容などを考えると、日本の受験問題は現地校とは全く逆の方向にあるともいえます。両立させるには、「根気」「要領の良さ」「明確な優先順位」などが必要である。これまでの読み物で、そう、お話ししてきました。続きます。
■始動■
2006年08月末の報告。
『夏期講習が終わりました。成果判定試験も受験しました。本人が言うには「たぶん完璧」ですが、どうなっていることやら。。。「集中すると短時間で終わる」ということが、どうやら理解できてきたようです。短時間で済むと「今日は集中してた」と自分で自分を誉めるようになりました。もちろん親も誉めています。ただ毎回この集中力が発揮できる訳ではありません。だら〜っとしてしまって、どうしようもないこともあります。塾秘伝の「キッチンタイマー」を使ってゲームっぽくしてみたり、休憩を入れてみたりいろいろとしてみるのですが、なかなか難しいです。毎回集中力が発揮できるまでは、まだまだ親の工夫が必要なようです。もう1つ。「うちのお母さんは今日やるべきことは意地でもやらせるから、予定を終わらせない限り、好きなことができない」ということが理解できたようです。ぐずって抵抗しようが何しようが、反抗する我が子に「じゃ、やろうか」とにっこりと言うのは、かなり忍耐がいります。でも、親も本気です。その姿を見せたい、見せ続けたい。この方向性は、軌道に乗りつつあると思います。』
子供は相手を見てゴネる。これは、子供の「習性」「習慣」です。ゴネても無駄となれば、やるのが普通になる。普通になれば、親はシメシメと思うでしょう?そうなると、ついつい「頑張ったねえ!」と褒め言葉を挟みつつ、禁断の「もう1つやってみようか!」を言ってしまう。子供を乗せてもう1丁!をやるわけです。でも、子供はよくわかっていて、「褒め言葉」はもっとやらせようとするサインだって見抜くのです。こうなると、親の純粋な褒め言葉がだんだん効かなくなる。シレーっとした顔をするようになる。「うちのお母さんはサボらせてくれない」と「集中してやれば短時間で終わる」これはセットでやるから効果的なわけです。子供は「エビでタイを釣る」ようなわけにはいかないのです。それなのに、「エビでクジラを釣る」ような荒業を仕掛けておいて「子供が言うことを聞きません!」などとおっしゃるご家庭があります。無謀です。
■挑戦■
2006年09月の報告。
『模擬試験、受けました。今の学力ではキツいかな、とも思いましたが、「偏差値60を越えたらDSソフト」をお父さんと約束し、「やってやるっ」と燃えあがった状態で受験しました。自己採点の結果は「いいかんじ」というもの。覚えていないようなポカミスをしていなければ、そこそこいけるのかしら。でも偏差値は分布。他のお子さんも良くできていれば平均点並み。60は越えませんよね。次なる目標は偏差値60以上を3ケ月間維持することだと思ってます。』
1つ終われば、また次へ。常に目標を設定していく。向かっていく。このあたりの負荷をかけ続ける親の姿勢も大いに参考になるはずです。ここでは、「DSソフト」について、コメントしておきましょう。以前、「ご褒美はありか?」について書いたことがあります。「オトナでも無料奉仕は厳しいのに、子供に強いるのはナンセンス」「かといってエスカレートすれば、とんでもないことになる」、つまりバランスの問題であるとまとめました。問題は、今ではなく、学年が上がるとともに、どうなっていくか、なのです。学年が上がって最悪なのは、「○○買ってくれるなら、頑張る!」ということ。これを中学生にもなって続けていれば最悪です。これは子供が悪いのではなく、親の持っていき方がそうなっていたわけです。モチベーションは高く持たなければなりません。しかし、維持することは大変なこと。息抜きという感覚や、自分に対してのご褒美ということは大事です。でも「こうしないと、勉強しない」というマイナス方向を向いている場合は、まったく学習効果無しと言い切れます。例えば、高いレベルで勉強している方は、「成果」をご褒美にしてあげてください。「頑張ったら、解けるようになった!」というのが、次の勉強のやる気につながります。この「成果」というご褒美は、次へつながります。子供の要求がエスカレートすれば、どんどん出せばいい。そこには「誇り」もついてきます。子供は成果が出れば、自分に対して厳しくなります。「こんなもんじゃあない!」となります。成績が良い子がなぜ勉強を頑張れるのか?それは「己に対する厳しさと誇り」があるからです。誰に言われるわけではない誇りを今から少しずつ植えつけていく。「ボクは頑張ったから評価して」「自分なりに頑張ったから許して」という後ろ向きの子供であれば、成績向上は無理というものです。成果が出る勉強方法か、見直してください。狙って目標を達成していないかもしれません。すぐに点検してください。
■新たなる決意■
2006年12月の報告
『偏差値60以上を維持しています。本人も自信がついてきたようです。先取りをしたい気持ちが強い我が子ですが、理解しないままに突き進むことはしたくないので、1つ1つ確認しながら進めるつもりです。算数の中でも得意なもの、苦手なものが出てきました。苦手なものはそのままにしたくないので、繰り返し基本的な問題を解かせていく予定です。本人は「繰り返しがんばれば、いつかはできるようになる」ということがわかりかけているようなので、この芽をうまくのばしてやりたいと思ってます。』
喜んだときに足下を見つめる。これも「成績が良い子の親」が常にすることです。その姿勢は子供も見ています。子供が天狗になって上向いて歩いているのをよく見ますが、それは家庭で親がそうなっている場合がほとんどです。上向いて歩いていたら、必ず転げる。まあ、それを経験するのも悪くはないですけどね。「勝ち組」なんていう言葉がよく使われています。しかし、「勝ち組」なんて本当にあるのでしょか??だって「オレは勝ち組だ!」と思うようになった瞬間=そっくり返って歩くようになったときは、すでに「負け組」に片足を突っ込んでいるわけです。勝ちは負けの始まりで、負けは勝ちの始まりです。勝っても負けても、すぐに次がある。
成績を振り返る。勉強方法を振り返る。軌道修正をかける。進学設計の中でも、譲れないもの・変えていかざるを得ないものがあります。子供の成長・成績変化を常に把握しているご家庭は、強いです。enaワシントンDCでは、子供達の成績は「あゆみ」「模擬試験」などで管理が可能です。キチンとされているご家庭は、模擬試験も受験され、それを利用されている。「あゆみ」なども、反省材料の一つにされている。しかも、これらは「約1ヶ月ごと」に設定されています。定期的に振り返られるようになっているのです。どんなに現地校が忙しくても、月に一度は日本の勉強の学習程度を確認してみる。客観的に把握しておく。これは、重要なことです。
■そしてenaの挑戦■
2008年。enaワシントンDCは、さらなる進化をしていきます。進学塾として、当地の日本人子女に出来うる限りの教育サービスを提供してきました。新年度からは、新しい視点で、さらに「塾」した進学塾を目指していきます。
☆中学生対象の『基礎科』を設置!
学年を明確に分けず、遅れてしまった内容を取り戻す「キャッチアップ」のためのクラスです。このクラスの開講により、中学生も各学年複数クラス体制が可能となりました。「enaは成績優秀な人たちばかりいく塾だから。。。」と気後れしているアナタ!それでは、基礎科で奮闘努力してください。アナタの持っていた力は、そのままにしておくべきではありません。私たちに磨かせてください。もっともっと、成績を伸ばしましょう。
☆『帰国英語』『帰国作文』設置!
受講は小6生に限ります。選抜科と違って、この帰国クラスだけを履修することが可能です。つまり小6生では「本科だけ」「選抜と本科」「本科と帰国」帰国だけ」「選抜と本科と帰国」など、様々な組み合わせが可能となります。これまで秋から「補習」として実施してきた英語・作文・面接のクラスを年間授業として進めていきます。帰国クラスを受講することにより、英語受験・面接受験を確実なものとします。
☆『漢検対策講座』『英検対策講座』
無学年制・選択講座としてスタートします。6月、10月、2月の試験にあわせてカリキュラムを組み立てています。履修は期ごとではなく、試験日程に合わせて履修することが可能です。単独講座ですから、講習生と同様、この授業だけを履修すると言うことも可能です。
☆『模擬試験の必須受験』
個別授業履修生を含め、模擬試験をenaワシントンDC校に通塾する全ての生徒に対して必須受験としました。ただ漫然と授業を受け、小テストなどの絶対評価だけで満足して欲しくないため、受験をお願いすることになります。多くの進学塾では模擬試験は教材の一環として扱われています。海外校舎ではお稽古ごとなどとの関係で、特に本科クラスなどでは任意受験としてきましたが、進学塾として今まで以上にきちんとした保護者面談・生徒面談・進路指導をするために、今回から全生徒に対して必須受験をお願いすることになりました。ご理解・ご協力をお願いいたします。
生徒の成績向上のために全力をつくすこと。それが進学塾の第一の使命です。
新しいenaワシントンDCに、ご期待下さい。
<TOPへもどる>