まえのページにもどる> <もくじにもどる

2001年3月号 「日本の勉強、大丈夫ですか?」

□ 日本の勉強、大丈夫ですか?

  現地校が忙しいから。英語の勉強が大変だから。よく考えると、それらを「いいわけ」にしていませんか?もちろん、海外生活体験は貴重であり、大切なものです。当然、現地校生活を大切にすることは言うまでもありません。しかし、将来日本の学校に進学することを考えているのであれば、「いま、やるべきこと」は決まってきます。

  帰国生のみの「国際学級」以外、一般の生徒といっしょに授業を受けるということを知っていますか?日本語の力は書く力から落ちてくるのを知っていますか?進学後の学習環境に対応するために、学年相当の学力・日本語語彙・読解力がありますか?そのための勉強方法を確立していますか?中学入試と大学入試の帰国枠のメリットは多少あるけれど、高校入試の帰国枠のメリットはさほど無いという事実を知っていますか?その大学入試だって、小論文試験が国語化していることを知っていますか?編入試験は、限られた学校しか受け付けていないことを知っていますか?

  帰国に備えての「最低限のこと」をやっておくとは、こうした将来のビジョンがあって初めて決まってくると私たちは考えています。本当に、今、「最低限のこと」をやっていますか?それはあなたの「将来の進学・進路設計」にあわせた「最低限」ですか?日々の生活に追われて、また、そのせいにして入試や編入のハードルの高さ、日本の学校の勉強方法に目をつむっているところはありませんか?

  お父さん、お母さん、子供は無限の可能性を持っています。勉強方法を間違わなければ子供にストレスを感じさせないで、勉強を習慣化させることは可能なのです。意図せずして、彼らの勉強に対する「意欲」という芽を摘んでしまってはいませんか?

  私たちは海外15校舎、日本国内60数校舎をもつ「日本の進学塾」です。お子様の現在の成績を、日本国内の子供達も参加する模擬試験等で「相対的に」比較し、彼らが今どのレベルにいるかを常に把握しながら授業を進めています。そして、受験の際試験場で自己表現が出来る、勉強自体を楽しめる子供を育てていきたいと考えています。

  初の北米校としてニューヨーク校を開校して以来14年。ワシントンDCに開校して6年目。これまでも、そしてこれからも「日本の勉強を真剣に考える」子供達を全力で応援していきたいのです。

 

□ 帰国枠受験の現状

  私たちの目指すもの。。。それは進学塾として当たり前のものでしかありません。「志望校に合格させる。進級に必要な学力を付けさせる」この2点です。

  このDCエリアの日本人生徒にとっては、現地校に行くしか選択肢がありません。(全日制の)日本人学校があれば、自然と日本への勉強への心構えを意識付けられるでしょう。ところが、現地校生であっても、帰国子女用教育機関の充実により、日本の受験生並に学力を付けている現地校生が増えてきているのです。事実、成蹊中学や慶應女子高などの入学試験では、帰国生であっても得点が上がってきている傾向がみられます。「現地校の生活だけでのびのびと育ってきた生徒では、なかなか合格できない。」と学校関係者は語っています。また、帰国枠を利用して入学した元現地校生が、日本の授業についていけず留年、あるいは退学といったことも過去数件ありました。

  少子化に伴って受験は容易になった、と思われるご父兄もいらっしゃるでしょう。中学受験、高校受験問わず、いわゆる中堅の学校は確かに入りやすくなっています。しかし、人気の集中する一部の学校においては、競争倍率はやはり高く、当日の点数の出来具合によって合否が決まってしまっています。ましてや帰国枠受験は元々募集定員数が限られています。人気校に受験希望者が集中することは変わりありません。つまり人気校は依然難しさを保っているのです。

 

□ 帰国枠受験に備えて(中学入試編)

  中学入試算数の場合、小5終了時に小6までの計算事項が完成できているかが鍵となります。受験まで、それらを繰り返し訓練できるかどうかです。速くて正確に出来ることが当然と感じられるようになるか。これは日本の中学受験生と何ら変わりはありません。また、いわゆる基本的な特殊算や受験必須の図形問題を6年生夏までに解き終えられているかも重要です。夏期講習あたりから過去問で問題研究が出来るようになることが、帰国枠といえども必要最低限事項だと思います。

  国語も同じように、ことばの知識の習得を5年生終了時までに完成させましょう。漢字・四字熟語・ことわざ・故事成語・文法など、これら基礎知識を習得していなければ、長文読解もままなりません。文章問題の正解率を上げたいのであれば、ことばの知識の充実が必要不可欠です。この点で、日常生活において日本語に触れる機会が圧倒的に少ない海外生は、絶対的に不利です。家庭や補習校のみの日本語環境では、受験に必要な国語力は低下することはあっても、向上することはあり得ません。だからこそ、日々「勉強として」やり続けるしか方法はないのです。受験当日まで新聞に毎日目を通すなどして、語彙力の増強を習慣化しましょう。また、同時に時事問題にも精通することにもなり、それが帰国枠受験に生かされます。中学受験で現地校の成績が生きるということはありません。英語の力を重視する中学は存在します。しかしそれは「日本の学校英文法の力」が要求される入試であり、生活英語の力だけではありません。現地校での生活には困らないからといって、日本の学校が要求している英語の力があるとは限らないのです。事実、英語入試を受ける生徒の中には小6であっても英検準1級保持者がいます。

 

□ 帰国枠受験に備えて(高校入試編)

  高校入試の場合、すべての教科で夏までに中3までの内容を終わらせること、これに尽きます。これは、日本国内の進学塾と全く同じ考えです。高校受験で現地校の成績を入試の要にする学校は全体の二割にも満たないからです。ほとんどの高校入試では帰国枠といっても一般の高校入試の問題と同じものを同じ日に解くことになるのです。

  在米生活で、子供達は日本に住む生徒より高い英語力を確実に身につけることが可能です。このことは受験において非常に有利です。日本の英語の力が保持できれば、近年の日本国内の英語力低下とあわせて入試の際の得点源となります。国語はもともと点数の差がつきにくい教科です。そうなると、数学ができるかどうかにかかってきます。難関私立高校の数学は算数の発想から高校数学の技術まで要求されるので、かなり奥深い内容まで網羅していかなければなりません。こうしたことから「早めの準備」が功を奏すといえます。

  「中堅校で十分だ」ということであれば、無理をすることはありません。現地校の勉強をしっかりやって、海外生活を楽しみましょう。もし、難関校を第一志望とするのであれば、現実は厳しいものがあります。日本国内においても「試験当日にどのくらい得点できるか」つまり試験の王道に戻っているのが現在の私立高校入試なのです。10thで受験するのか、9thの途中で受験を迎えるのか。出願資格も考えなければなりません。難関校を第一志望とするならば、是非進路を意識した準備をさせて下さい。

 

□ 不安を取り除くために

  「塾が煽っているのではないか」と疑問を持たれるご家庭も多いかもしれません。そんなときは是非私どもの「入試結果報告会」や「保護者会」をご利用下さい。合格した生徒の話だけではなく、不合格になった生徒の話まで「生きた情報」をお届けします。入塾を勧誘することはありません。生きた情報を持つ塾などを「上手に利用」する事。これが不安を取り除く一番の解決方法です。

 

TOPへもどる