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2003年3月号 「塾でグングン伸びる子供はこんなタイプだ!?」

■お父さん・お母さん注目!■

 この時期、日本では塾の広告をたくさん目にします。新聞紙面広告、新聞折り込みチラシ、口コミの情報などが主なものです。例えば塾などが多いNYやLAなどでは、日本にいたときと同じように「迷う」ことがあると思います。それだけ選択肢がありますからね。DCエリアでも少ないながらも選択肢はあります。家庭教師募集の公告とか、補習校の募集要項などが日系食料品店にあったりとかしますね。さて、これらの情報を集めて「よし、決めた!」とおっしゃる親御さんも多いかとは思いますが、ちょっと待ってください。塾選びにはハズしてはならないポイントがあるのをご存じでしょうか?
 「日本語サロン」としての役割を補助教育機関(塾)に求めるのであれば話は別です。そうではなく、成績向上を求めて塾を決めたいのであれば、「成績が上がるように」と塾に対しての期待は大きいはずです。しかし例え海外であっても、これだけ塾が進出している現在、ただ授業に出席していれば誰でも成績アップするわけでは決してありません。入塾してから本人がどれだけがんばるか、ここにすべてがかかっているのです。(ちょこちょこ欠席しているようでは成績向上などムリです。このことについては後述します。)
 今月は、塾通いを大成功させるタイプを紹介していきます。以前から塾に通っているベテラン(?!)生徒の皆さんも、初心に帰って読んでみてください。  

■小学生のタイプ1 ハッキリした目標のある子供■

 塾通いを始めると何が一番変わるのか。いうまでもなく「日本の」勉強時間が増えます。「だから塾に行かせたい」とお母さんは考えるわけですが、子供の方は楽ではありません。現地校の宿題もあるし、英語のチューターは来るし、お稽古ごともあるし。。。
 特に、今まであまり机に向かったことのない子供であれば、現地校と塾のダブル勉強に追われて「つらいナァ」「けっこう疲れる。。。」と負担気味に感じるのも仕方がないことです。そうしたハードな塾通いをパワフルに乗り切るには、ハッキリした目標・夢を持つことが大切です。これが何よりの特効薬となります。しかも「○○中学に行きたい」とか「模擬試験で○番以内に入ろう」など、より具体的な目標がある子供であることが理想です。そういうタイプの子供であれば辛くてもどんどんがんばっていけるものです。逆に、そういう目標を持たず、何となく過ごしていたのでは、なかなか良い結果にはつながりにくいわけです。「とりあえず」というような感じで塾に行かせてはいけませんと、これまで何度もお話ししてきました。
 ただし、塾通いの目標や夢を作るとき、それが「親の希望」になっては困りものです。例えば「お父さんが○○中学を出たから」「○○君はあんなに成績がいいんだから」などと、まわりと比較して目標を与えるのは禁物です。「○○を目指して」と親の意向で勉強させていると、最初のうちは何とかなっても後で息切れするケースがよく見られるのです。また主体性がない子供になりがちとも考えられます。塾通いでグングン伸びるには、子供本人の自然な目標でなくてはいけません。小5・小6なら、憧れの中学にさりげなく見学に行くとか、お仕着せでない「周りの大人の配慮」が必要になります。これが成功すると、例え受験をしなくても中学生になる頃にグングン伸びます。「自学・自習」が完成しているのですから強いのです。逆に、いつまでたっても親離れできない小5・小6生(つまり自学・自習が完成していない生徒)であれば、中学生になっても成績向上にはとてつもない時間がかかると思ってください。場合によっては手遅れになることもありえます。
 海外という特殊環境だからということで、子供達に手取り足取り指導をされる親御さんも多く見られますが、親御さんご自身をも上手にコントロールされることが大切です。勉強するのはあくまでも彼らなんですからね。  

■小学生のタイプ2 友達と楽しく勉強する子供■

 塾通いを続けていく上で大切なものに「友達関係」があります。この地域で日本人の友達とは貴重なものです。もちろん、現地校で日本人以外の友達を作ることは受験に有利であるということはいうまでもありません。(あくまでも塾の立場として定義してみました)
 さて、日本の勉強をするときに、塾仲間とのふれあいが成績アップにも大いにプラスとなるようです。このタイプの生徒は「○○君の解き方は良いな」と感心していたり、「○○さんはこういう意見だけど、私はこう思う」などと発言できたり、互いに刺激を与えあえるのです。このタイプの子供は、みんなと一緒にがんばれる子供ですから塾の授業が楽しく感じられるはず。自然と日本の勉強に力が入るようになりますね。
 しかし、「楽しい」といってもカン違いしないようにご注意!!休み時間にふざけあったり、授業中にもぺちゃくちゃしゃべっているようなエンジョイぶりとは別のものです。例えば授業中でも羽目を外すような時間はありますが、いつまでもふざけているとダメ。周りの子供から「うるさい!」「タイミングがずれているよ!」なんていわれてしまってはアウトです。ビシっと集中するときにみんなで本気になってこそ、授業の楽しさを感じられるんです。「精神的に大人の部分を持てる生徒」であるからこそ、ケジメのある生活ができるわけで、それが成績向上の大きなカギになっているわけです。ちなみに私立中学の先生方の多くは、この点を最も注目しています。面接試験などでは、この点をしっかり見極めるそうです。  

■小学生のタイプ3 マチガイを大切にする子供■

 塾で頑張るようになっても、いきなり「成績急上昇」とはいかないかもしれません。最初のうちは塾のテストで良い点が取れなかったり、先生に質問されて「。。。」と答えられないときもあるでしょう。しかし、そこでガッカリする必要はないのです。塾の初心者は誰でも、そうしたマチガイを乗り越えていくのですから。実は間違えた問題、理解できないところを「分かりません!」とみんなの前で堂々といえる子供は成績が向上するのです。こういう正直なタイプの子供は、大器晩成型ではあるものの、必ず伸びていきます。彼らは、塾には間違えるために来ているとも考えているのです。分からないことをきちんと先生に伝えて、じっくり教えてもらうこと。そして、もっともっと大切なことは、間違えたところを家に帰ってから必ず復習することです。enaでいうと「復習ノートにやる宿題」などがこれに当たりますね。enaでは小テストの間違い直しも宿題に出ます。塾の授業中には「ああ、なるほど!」と分かっても、時間が経つとスーっと忘れてしまうことも多いでしょう?「鉄は熱いうちに打て」といいます。その日のうちにマチガイ問題の類題にあたっておくなど、しっかりと理解を定着させるようにしなければなりません。塾の授業の復習や出された宿題をさぼっていると、だんだんわからないところが増えてきて、塾通いもつまらなくなります。それでは成績アップなど期待できません。マチガイ問題などはしっかりと見直しをして、授業にスムーズについていくこと。これが伸びるための絶対条件といえます。  

■小学生のタイプ4 時間の使い方がうまい子供■

 最近の小学生はそんなにヒマなわけではない様子。ましてや海外にいる子供達は現地校とお稽古ごとを頑張っているタイプが多いので、それに塾通いとなるとかなりの忙しさになります。上手に両立させていかないと、グングン伸ばすことは難しいでしょう。
 例えば、現地校から家に帰ってきて、夕食までのひととき。例えば塾に行く間の車の中。あるいは、朝ちょっと早く起きて机に向かうとか、寝る前のちょっとした時間。。。それぞれのやり方で「空き時間」を作ることはできるはずです。こうした「空き時間」を漢字の暗記や計算練習などの「作業時間」に当てていくのです。週末のまとまった時間を「お遊び・解放の時間」だけにあてないで、日本の勉強をする時間に当てられると良いでしょうね。
 そういわれても「うちの子にきちんと時間管理なんてできるかしら。。。」と心配なお母さんもいそうです。その場合は、1週間の勉強スケジュールを事前に話し合って、きっちりと固めておくことが大切。ただキチキチなスケジュールは禁物。スケジュールの変更だって、日本以上に良くあるものですよね。使い方自体も「ジカン、ジカン。。。」とあまり重く考えないで、いわばゲーム感覚で過ごすのがおすすめです。例えば「今日のこの時間はテキストの○ページをやろう。その次のステージは漢字ドリルだな。」こうしたように楽しい雰囲気で時間を組み立てていくのがグッドです。もちろんサボリが続いたりして、やることがたまりすぎると、こうした「楽しさ」は味わえなくなりますから要注意です。  

■小学生のタイプ5 親に明るくサポートされている子供■

 「伸びる子供」の陰には、優しいお父さん・お母さんの配慮がうかがえるものです。子供の勉強を一から十まで見てあげる必要はもちろんありませんし、むしろ弊害の方が多いものです。塾で今、どんな単元を教わっているのか、しっかり授業に集中できているのか程度はチェックしてあげるべきです。enaでは毎月の「あゆみ」で小テストや授業態度などを確認することができます。またenaでは連絡帳を見ていただければ先週の宿題がどこからだったのかなどが確認していただけます。つまりご家庭との、お子様を中心とした情報共有化が図られているのです。
 さて、これらを使ってチェックするとき、「勉強しなさい!」「成績は上がっているの?」などとあまり子供を追い込まないように。あくまでも明るく、そしてできるだけ誉めてあげること。誉めっぱなしもいけません。9誉めて1叱るというのが基本です。
 忙しいお父さん・お母さんであれば、現地校の勉強を見てあげるだけでも精一杯かもしれませんね。そんなとき大切なのは、塾とのコミュニケーションです。enaでは「あゆみ」「連絡帳」を中心にご家庭とのコミュニケーションを図ってはいますが、それ以外にも、必要であればいつでも面談が可能です。またEメールでの教育相談なども随時受け付けています。こうしたものをドンドン利用して下さい。  

■中学生のタイプ1 目的意識を持っている生徒■

 これから塾に通い始める生徒、特に中1・中2生にとって、まだ高校受験は遠い未来のことのように感じられます。ましてや海外にいれば、雲の上の話のようです。近所の日本人の中に「日本の成績をグングン伸ばすぞ!」と燃えているタイプの人は少ないでしょう?塾に通い始めたのも「なんとなく」「友達が行くから」「親にいわれて」ということからかもしれません。
 しかし、そういう「何となく」という塾通いでは「成績急上昇」を望むなんてムリな話です。具体的な目標を持たなければ絶対にダメです。グングン伸びる生徒に共通するのはこれしかありません。「○○高校に行くぞ」「模擬試験で偏差値○○をとるぞ」などできるだけ具体的に目標を掲げ、その実現に日々努力してください。
 「でもなぁ。。。」という、目的が決まらない人。ご安心下さい。まだ目的意識がイマイチでも、これから変わっていくことはできます。塾の教室には、学校よりも「ピリっとした雰囲気」が強いものです。その中で、「○○君の発言はすごいな」とか「塾の授業はさすがに難しい。。。」など、いろいろろ刺激を受けていくはず。そうして「自分ももっと頑張ろう」「もっとできるようになりたい」というふうに目覚めていく生徒も少なくありません。そして、その気持ちを行動に移すのです。「やばいなあぁ」といいながらも結局勉強しなければ、成績向上などありえません。口ばかりでは絶対にダメなのです。そして口ばかりで行動に移していない生徒は、決まって塾もつまらなくなるものです。自業自得です。悪循環が始まるわけです。どこかで、早く断ち切らないといけません。  何か目的を持って、それを少しずつクリアしていけば、塾通いはもっと楽しいものになるはずです。  

■中学生のタイプ2 現地校とうまく両立できる生徒■

 海外生活で大きな比重を占めているのが現地校での生活。生活英語がある程度のものにならないと厳しいですよね。これから塾通いを初め、成績アップを図る皆さんは「現地校との両立」というハードルは必ず越えなければなりません。
 さて、現地校に通いながら塾通いでグングンのばせる生徒というのは、ずばり現地校が忙しくても塾を休まない生徒なのです。遅刻してでも良いから、「必ず授業に出席しよう」とがんばるタイプの人なのです。かつての卒業生で授業終了10分前に遅刻してきた生徒がいました。授業終了後、彼曰く「だって最後の10分でまとめをするじゃんか。出た方がお得でしょう?」全くその通りです。1日まるまるさぼってしまうと、その空白は次の授業に大きく影響しますからね。
 受験前になると「現地校が大変なので、日本の勉強に影響する」といって現地校を退学してしまう生徒もいるようです。しかし、現地校をやめたからといって、それだけで成績が伸びる生徒はほとんどいません。時間があっても「やる気」がなければ伸びません。現地校と塾の二刀流で忙しくても「負けるもんか!」というファイトがあればこそ、成績はグングン伸びていくものです。  

■中学生のタイプ3 積極的に塾にとけ込む生徒■

 これから初めて「塾体験」をする生徒は、少し不安があるかもしれません。塾通いを軌道に乗せてどんどん成績を上げるには、早めに塾のムードにとけ込むこと。つまり、それぞれの授業に「積極的に参加しよう」という気持ちが大切です。授業中に機会があったら、どんどん発言する。分からないところがあったら、こまめに質問に行く。そうやって塾をバッチリと利用していれば、1回1回の授業が楽しくなってきます。もちろん成績も比例して伸びていくものです。
 塾の先生も人の子。自分の授業に「やる気」を持って食いついてくる生徒はやはりカワイイものなのです。特別に「気に入られよう」などと思う必要はありませんが、できるだけ早めに担任の先生、塾の仲間ともリラックスした関係を作って欲しいものです。
 消極的なタイプは「良くない」「成績が伸びない」といっているわけではありません。多少引っ込み思案で、進んで発言できない生徒でも、マジメであれば大丈夫。そういう人のためにenaでは「復習ノート」を質問ノートとしても使ってもらっているわけです。さらに、授業中には他の生徒の発言をしっかり聞いて、授業の中身を良く噛みしめてください。それができる生徒であれば、着実に成績アップが図れるはずです。
 お父さん・お母さんにも一言。中学生の年代は「反抗期」などもあり、あまり子供の塾通いには干渉しない方が良いでしょう。お父さん・お母さんの心ない言葉が、彼らの積極性に水をかけることもあります。例えば、子供が「今日の授業、何だか難しかった。」などといったとき、親御さんが「そうなの、その塾はダメな塾ね」などと口に出すのはマズイのです。子供に対して「ダメな塾」「ダメな学校」「ダメな教師」などと否定的にいうと、子供は「やる気」を失ってしまうことが多いのです。本当に問題がありそうだというときは是非、塾に直接相談してください。中学生といっても、親の言葉には影響を受けやすいものです。特にまだ通い始めたばかりなら、塾の中身についてはゆっくりと見ていかなければいけません。enaで「納得がいくまで体験授業を」と勧めているのはこのためです。
 どうですか?こうした「塾選びのポイント」をしっかりつかんで、成績向上が期待できる自分にぴったりの塾に通ってください。

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