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2001年9月号 「再考:やっぱり甘いのか、海外生?!」
■学級崩壊の波、アメリカまで到来???
授業中の私語や立ち歩き、もちろん宿題忘れは当然のこと。アナタの周りに「こうしたこと」って起きていますか?聞いたことはありますか?やっている本人は「何故いけないことなの?」と思っているそうですね。
学校は勉強だけではなく、生活体験も含めた総合的な教育機関であることは間違いありません。先日、一時帰国の時に地元の公立校で体験授業を受けた生徒から話を聞く機会がありました。感想を聞くと「日本の学校って勉強しないんだね」と驚いていましたよ。
でもね、「勉強したい!」と思っている人はどうなんでしょうか?アナタが勉強したい!と思っているのに隣の友達がじゃましたら。。。なかなか「勉強しなよ!」とはいえませんよね。だからなのかは分かりませんが首都圏の一部の地域では「勉強は塾でするもの」と割り切っている生徒がいるようです。知っていました?この事実、どう思いますか?ちなみに、塾で学級崩壊はほとんどないとのこと。もちろん、enaでは過去も、現在もありません。
■とことんマイペースで突き進むのならば。。。
昔、偏差値廃止運動が盛んだった頃のお話。当時の文部省が「公立中学校は義務教育の最終機関であり、高校進学への指導は責任を持たなくて良い」と発言したことがありました。これを真に受けた公立中学の先生がいらして「高校進学は各家庭の判断でして下さい」と、進路指導をしなかったこともあったようです。もちろん、一部の先生の話ですよ。全部の先生ではないです。
で、最近はというと。。。某県の公立中学は「そんなことしたら、内申点悪くするよ」と部活や生徒会、授業中にも「脅し」があるそうです。そう、高校受験は内申による推薦試験がありますからね。inter-eduなどの掲示板を見ると分かりますよ。このあたりの実態がバシバシ公開されちゃっています。
でもね、海外生には「内申」なんてないですから関係ないですけどね。公立にはこうした事実があるから「やっぱり私立中の方が」と考えるご家庭が多いのでしょうね。一概に「私立は絶対に良い」とは言えないのですが。。。
勉強にしても進路計画にしても、マイペースでやるのはいいのだけれどもこうした事実(情報)はきちんと入れていかないと、どちらにしても後で「思ってもいなかった事態」になります。
■受験で燃え尽きちゃった人もいるんだな
こうして私たちが「しっかり準備をして下さい」といっているのは何も「合格」だけにこだわっているからではないんです。例えば某大学付属の私立中学などでは何と「留年」もあるんです。中学ですよ!!別の有名進学中では授業についていけず退学する生徒も結構いるとか。ここは英語受験で入りやすいんですけどね。やっぱり進学校だから要求するレベルが高いんでしょうね。そのスピード&質についていけないと、せっかく入学してもあっという間に落ちこぼれ。。。うーん。大変ですよね。だからこそ、海外にいる間も「先を見越して準備する」しかないんですよ。辛いのは分かりますが、先輩達はみんなそうしてやってきているんですから。
■言い訳することになれちゃった人は要注意
「日本語で何というのか、分からないから出来なかった」って言い訳したことはない?他にも「現地校が忙しくて。。。」とか。気持ちは分かってあげたいけど、やっぱりいけませんよね、こうした態度は。だってそうでしょ?「日本語で何というか分からない」というのであれば「じゃあ、英語で説明してよ」といいますよ、私は。それでもできないでしょ?何かもっともらしいことを言えば通ると思ったら大間違い。学生のうちは勉学が本業です。それがどんな理由であっても満たしてなかったのであれば何をいっても無駄。単なる「さぼり」としか見なされません。少なくとも私たちはね。それを厳しいというのであれば、大人になって相当の苦労をするかもしれませんよ。アナタのお父さんが「いやあ、ちょっと忙しくて仕事にいけなかった」なんて言い訳していると思えます?ありえませんよね。言い訳する前に、やるべきことをしっかりやる。当たり前のことだと思うのですが。。。
■なぜ主要科目というか、知っていますか?
「じゃあ、とりあえず算数だけでも勉強しておくか」と思ったアナタ。ちょっと待って下さいね。国語は?海外にいて、一番おろそかにしていけないのは「日本語力」です。本当にあっという間に落ちるんですよ、これが。学年相当の言葉や読解力ってなかなか手強いんですよ。
「いやいや、読書も好きだし、漢字練習もしているから」というのであれば、無料の学力診断テストを受けてみて下さい。
それにね、当たり前ですが、他の教科の問題文だって日本語で書かれているわけですよ。そうすると算数だって理科だって、読解力がない人にとっては設問が何を言っているのか分からないという事態になるんですね。そうそう、社会に出てくる言葉なんかも要注意ですよ。言葉の意味を知らなければ出来ないっていう問題、結構ありますからね。中学入試では「省庁再編成」についてだって、沖縄サミットのことだって出題されていますからね。帰国枠で入学できたとしても、ほとんどの学校で「これらの問題をクリアーした生徒」と机を並べちゃうんですよ。ちょっと考えたら、怖いですよね。
こうしたことから、学年相当に対しての主要科目といわれるものがあるんです。小学生には4科目、中学生には5科目の「日本人としての常識」をしっかり学んでもらいたいのです。
■それでもやっぱり「帰国枠は楽ではないか?」と考える人へ
今年の夏期講習もやっと終わりました。受験生(小6と中3)は25日間だったわけですが、全員が全員「いやあ、これほどキツイとは思わなかった」との感想を言っていました。受験生の保護者の方からは「やっぱり甘かった。今までは、どこかで帰国枠だから、とタカをくくっていた気がする」とのお言葉をいただきました。でもね、本当のことを言うと、まだまだなんですよ。海外にいるからこそ、日本のカリキュラムに対して押さえたところがあるのです、我々としては。だって、日本国内だったら合宿もあるのですよ。それこそ「自分の限界域への挑戦」をしていたんです。それに比べれば、本当はまだまだなんです。
もともと高校受験において帰国枠のメリットは、ほとんどないとお話ししてきました。現地校の成績が合否に大きく影響し、あとは作文+エッセイ程度という高校は希だとお話ししてきました。中学入試も有名校であれば「学力重視」であるとお話ししてきました。2002年入試に新しく帰国枠を設定した神奈川の某私立中でも、「算国の学力は一般受験生と同じ力を要求する」とハッキリおっしゃっています。大学入試だってそうじゃないですか。帰国枠を中止した某大学の入試担当の先生が「だって、帰国生の学力の低さがひどすぎるから」とハッキリおっしゃっています。そりゃ、そうでしょう。SAT1が1000点以下の人でも楽々入れる大学って、そう多くはないですよ。ましてや有名大学であればなおさら。某大手の予備校では入塾試験でTOEFLとSATに基準点を設けていますからね。基準点以下の人は受け付けてもらえないとか。。。そうなると、今まで「現地校を一生懸命にやれば大丈夫」と「唯一」いわれていた大学入試だって、今の時代は厳しいのです。(大学入試のことはLA校のHPを参考にして下さい。DC校のHPのリンクから飛べます。)
ということは、楽なんてことは「ひとつも」ないんです。もとより、日本の学校に入学・進学してからのことを考えたら、とにかく「その日本の学校が要求するレベルの勉強」を「しっかり」勉強しておくしかないのです。って、本当は「当たり前のこと」なんですけどね。
■自分には関係ないよ、と思っている人へ。
うーん。永住されるのですか?それなら、納得。え?そうじゃない?では、どうして関係ないのかな?
例えば日本の学校の成績(通知票)で良い成績を取っている人であっても、安心はしません。それは学校の成績表は「絶対評価」だからです。先月より頑張ったから、前期よりは頑張ったから、だけでは入試に対応できません。周りがどれほど頑張っているかを見極めなければ、それこそ「井の中の蛙」で終わります。80点取ったから安心!と思っていたら平均点は90点だったとしたら。。。そう、入試である以上、それが帰国枠であっても、学力試験があるのであれば「一発勝負」なのです。
「英語受験だから関係ない」と思う人は、ちょっと待った!では、日本の出題になれていますか?日本の文法用語には慣れていますか?「生活英語はカンペキ=英語の試験対策はしなくて良い」ということでは決してないのです。現に、アメリカ生活5年以上の人でも「日本の英語は意地が悪い」とか「日本語での文法用語が覚えられない」「日本語が出てこない」といって苦労しています。そう、日本に帰るのであれば、日本の勉強をしておかなければならないという、とても当たり前のことだけなんですよね。
■「塾は難しいと聞くから」に反論!
「難しい勉強をさせられるんでしょ?いやだなあ」と不安を訴えるアナタ!でもねえ、2002年問題って聞いたことあります?日本の友達は、結構これで揺れているんですよね。教科書内容が3割薄くなってしまうんです。そうすると、今まで習っていたことが消えちゃう。「だったら、難しいことがないぶんラッキーじゃん!」と思ったあなたは大間違い!だって、そうでしょ?日本の学力はどんどん下がっていってしまうんですよ!これと同じようなことを過去にアメリカでもやったことがあります。やっぱり「教える内容が多すぎるからいけないんだ、少なくすればいいんだ」とね。で、すぐに元に戻しました。更に学力低下が見られたからです。国の将来を考えたら、当然ですよね。
私たちは多くの私立学校がそうであるように、教科書には乗っ取りません。私たちの思う「進学する者にふさわしい学力を持つ生徒」を育てるためには、あの教科書では不足すると思っています。文部科学省だって、そのあたりを考慮して「あくまでもミニマムスタンダード」と言い換えたわけですしね。で、そうなると、「塾=難しいことばかりをやる」というのは間違っているとなります。分かりますか?そう、目標・目的が違うのです。私たちは「進学・受験に必要な内容・レベルを追求している」ということです。そうなると、今の学校の教科書レベルしか知らない人の中には「ひょえー、難しい!」と思う人がいるのでしょうね。講習で初めて塾に参加した人たちの中にも、そういった人がいます。当然ですよ、今までやったことがないんだから。問題は、その状況から上を目指す気持ちがもてるか、です。よく「やる気を育てます」なーんて、格好良いキャッチコピーがありますが、だまされてはいけません。「やる気」は「アナタが」持ってるもの。与えられるものではないし、育てるものでもありません。
■最後に、勉強ってなんだろうという問いかけを。。。
例え小学生であっても考えて下さい。今日のことだけではなく、数年後の自分の姿を考えてみて下さい。夢のない時代といわれます。それを鵜呑みにして「何をやっても将来暗いし。。。」とぼやいているアナタ。それをうち破っていくのがアナタではないですか!勝負する前に逃げないで下さい。21世紀を作っていくのはアナタですよ!
アナタが考えた結論を、現実化していく場所。私たちは、そんな場所になりたいと考えています。そのための努力は惜しみません。「学力を付けること」の大切さを感じた人が、活躍できる場所を与えたい。「危機感と向上心」を持った人が、日毎に変わる自分を体感して欲しい。
塾は、今までも、これからも、「アナタが主人公」の場所なのです。
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